SSブログ

富豪との許されざる恋 [ジェニファー・ルイス]

SHALOCKMEMO947
富豪との許されざる恋 The Heir's Scandalous Affair 2009」
ジェニファー・ルイス 中野 恵





訳本表紙のモデルは,ちょっとイメージ違いという感じがします。本作のヒロイン,サマンサ・ハードキャッスルは31歳でとびきりの美女と言うよりは少し落ち着いた感じで上品な大人の女性という設定だからです。その点ではシルエット・ディザイア版の表紙のブロンドを長く垂らしたモデルの方が,設定としては近い感じがします。ただこちらはちょっと近寄りがたい感じでもあるので100%合っているとも言いがたいのですが。
さて,「ボスとの秘密の関係(SHALOCKMEMO800)」「甘美な交換条件(SHALOCKMEMO873)」と続いてきたハードキャッスル家の異母兄弟たちの物語の第3弾になる本作ですが,故タラント・ハードキャッスル氏の後妻で異母兄弟たちの行方を追って家族関係を復活させてきたサマンサが最後の一人ルイス・デュラックと出会うためにニューオーリンズを訪れるところから始まります。いまだタラントとの思い出に浸りながら31歳という年齢で次の人生をどのように進めていったらいいかという悩みを抱えながら捜索に疲れて路地裏に迷い込んだところ一軒のバーに誘われて入ってしまい,そこのオーナーで魅力的な男性と出会います。それが目指す相手ルイスであることは知らずに一夜を共にしてしまうのでした。ここからのトラブルは想像に難くありません。ニューオーリンズのねっとりと肌に絡みつくような熱く雨がちな熱帯の雰囲気と,バイユーと呼ばれる湿地帯を背景とした独特の自然の雰囲気が文章から伝わってきます。そしてニューヨークに戻ったサマンサを待っていたのは1枚の写真を中心としたスキャンダラスな記事とマスコミ攻勢でした。せっかく再会した異母兄弟たちと一人娘のフィオナからもまさか・・・という感じで迎えられてしまい,ルイスとの関係を絶とうとするサマンサ。そしてルイスに言われた絵を描くという作業に没頭するサマンサ。教会で開かれたサマンサの個展にはあのバイユーの風景画が最も人気が高く,「わたしが描いたのはごく普通の絵,時代遅れの具象画よ」という意識のサマンサに,ルイスの「真実の美と結びつかなければ,様式には何の意味もない。様式と美を結びつける。それが君の成し遂げたことだ。」と励ます言葉は蓋し名言だと思わせるものがあります。そしてマスコミが退去して自宅に押しかける中危険を冒して裏側から入ってきたルイスは再びサマンサとの交流を復活させるのでした。義理の息子との愛という難しい選択を迫られたサマンサですが,占い師の言葉をどんな風に解釈するかということで自分の気持ちに整理を付けていきます。2009年に書かれた三部作「ハードキャッスルの子供たち」ですが,一人娘フィオナのロマンスが描かれないのがちょっと残念です。三部作の中では第1作のヒロイン,ベラが最高です。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。