支配者と運命の女 [ヴィクトリア・パーカー]
SHALOCKMEMO952
「支配者と運命の女 The Ultimate Revenge
(背徳の富豪倶楽部 3) 2014」
ヴィクトリア・パーカー 片山真紀
「背徳の富豪倶楽部」シリーズの最終巻です。いよいよ謎のクラブ主宰者ゼウスの正体が明らかになります。ヴィクトリア・パーカーの訳本が出るのは本作が初めてですが,2013年以降精力的に作品を上梓している今注目のロマンス作家のようです。7月には「大富豪と禁断の果実」の出版が予定されています。
さて本作は復讐譚ですが,最終章で復讐にいたる事件の全容が語られ,ヒロイン,オリンピア(ピア)・メリージとヒーローであるニカンドロ(ニック)・カルヴァルホとが敵同士となるのかどうかが明かされています。Qヴィルトゥスは一度つぶれてしまうのではないかと考えられましたが,後継者が健全な会員制クラブとして復活させるという落ちがついています。舞台は熱帯のザンジバルから北極圏の町へ,そして情熱と灼熱の町バルセロナ,美の町パリ,最後に南太平洋の島へと全世界を巡ります。室内の描写も勿論多いのですが,北極圏の描写,オーロラの現れる部分などはとても優れています。作者のヴィクトリア・パーカーについては余り書かれていることがなくて,イギリス出身で5月5日生まれ,ぐらいです。これからの作家ということでしょう。
ネタバレになってしまうので本差のあらすじについてはほとんど書けませんが,エピローグで三組の夫婦が集まり,中でもオリンピアが一番元気で幸せそうな様子が伝わってきてホッとします。
タグ:ロマンス
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