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麗しのハウスキーパー [ロビン・グレイディ]

SHALOCKMEMO953
麗しのハウスキーパー Bedded by Blackmail 2009」
ロビン・グレイディ 水木はな





オーストラリアでは結婚予告から結婚証人まで1ヶ月かかるのに対して,ニュージーランドでは3日間でいいというのが,本作で知ったことです。土地開発会社の社長トリスタン・バークリーはハウスキーパーのエラが妊娠したということを知り,ニュージーランドに渡って結婚します。8ヶ月間ハウスキーパーとして働いてきたエラが気になりだし,ベッドを共にしてから2週間。エラがいつも来ているお仕着せのハウスキーパー着から,パートナーとしてパーティに出席するためにイブニングドレスに着替えた瞬間から,エラのたぐいまれな美しさを知り,その料理の腕やいつも自分の要求を先んじて準備してくれていること,そして「他に御用事はありませんか?」といつも聞いてくれることなどからハウスキーパーとしての完璧さを見抜いてはいましたが,さらに美しさまでもっているとは・・・。まさに理想の結婚相手と意識してから,エラとの結婚を考えていたトリスタンですが,それは愛から始まったことではありませんでした。トリスタンがいつか愛の言葉を言ってくれるようになると,とりあえず便宜的な結婚を認めたエラですが,エラの側からも腹違いの兄からの執拗な脅しから逃れるためにトリスタンのもとへやってきたという事情があり,自分で何とかしようとは思いながらも守ってもらえるという安心感も捨てがたいものでした。しかも自分がトリスタンに愛情を感じているとあっては,まさに渡りに船の心境だったのです。トリスタンの側にも,兄との確執,バークリーホテルの経営陣への兄の執拗な誘い,弟ジョシュの結婚式への参列にエラにそばにいて欲しいと思っていることなど様々な事情を抱えているのでした。そして,二人の関係は深まると思われたところに,互いに抱えている事情を素直に話し合うことが出来るようになったところに,エラがかつて付き合っていた医師との関係や義兄の嫌がらせなどが重なり,トリスタンはエラに対するかすかな疑念の心が芽生えます。二人の気持ちが対立しようとしたときに,義兄がいよいよ切羽詰まってエラを襲おうとします。この事件がきっかけでトリスタンがエラをどれだけ必要としていたかに改めて気づくのでした。
物語はたんたんと進みますし,二人の気持ちが少しずつ近づいて行くのも丹念に描かれていて,ロマンス小説らしいストーリー展開です。トリスタンの兄や弟のロマンスも読みたくなる作品です。


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