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謎のミセス [ジェシカ・スティール]

SHALOCKMEMO958
謎のミセス Bachelor's Wife 1984」
ジェシカ・スティール 神谷あゆみ





継父の借金5000ドルを用立てるためにかりそめの結婚をしたペリー・ベサイア・グレンジャーは,5年間裁縫師として自活しながらやっと意中の人との婚約を考えるようになっていました。その間書類上の夫ナッシュ・デバルーとは全く没交渉で生きてきました。しかし法律上は既婚者であり,トレバー・コールマンと結婚するためには離婚しなければなりません。自分が既婚者であることはなかなかトレバーに言い出せないままでしたが,トレバーの母が離婚には嫌悪感をを隠そうともしないことも大きな原因でした。勇気を持ってナッシュに連絡を取ろうとしたペリーでしたが,なかなか連絡が取れず,手紙を書くことにします。さんざん文章に,迷ったあげく「親展」の手紙を書き上げ,送ることが出来ました。そんな時ナッシュがニューヨークから帰ってきたことを新聞で知りますが,インタビュー時の夫の言葉が「妻との和解を望んでいる」というショッキングなものでした。その時はまだ自分の名前が載っていなかったので,勇気をふるってナッシュの会社を訪れたペリー。受付で「ミスター・ナッシュの妻です」と名告ったときのペリーの勇気には乾杯です。ナッシュは5年経って成長したペリーを見て離婚のつもりなら結婚の時に用立てた5000ドルを返してくれれば,と無理な注文を付けるのでした。すっかり腹を立てたペリー。そしてナッシュとの関係を知られたくないためトレバーに逢うことも躊躇してしまうペリーでした。いよいよ弁護士との会談のために事務所に向かったペリーは道路を渡ろうとしたところをタクシーに轢かれてしまいます。しかもハンドバッグには結婚証明書の写しが入っていたため,怪我で運ばれた病院にはナッシュに連絡が行き・・・。改めてナッシュのことを少しずつ分かってきたペリーは自分がナッシュに惹かれていくのを止めることが出来ません。無理矢理退院しようとしたペリーはナッシュのサセックスの家に連れて行かれ養生することを止めることが出来ませんでした。数日間で体力が少し回復したペリーですが当初親切で優しかったナッシュが家に帰ってこない日が続きます。やはり自分との結婚生活を続ける気がないと思ったペリーは使用人の車でロンドンに戻りますが,そこにトレバーがやってきて既婚者であることを黙っていたことに激しく怒りペリーに暴力を振るおうとします。そこにナッシュが駆けつけあわやというところでトレバーを追い出すのでした。再びサセックスに戻ったペリー。ナッシュの本当の気持ちを理解するだけの精神的な余裕がないペリーも哀れですが,その気持ちを素直に伝えようとしないナッシュもまた愛を知らない夫だったのです。そんな二人の心の葛藤を描いた大人の短編ロマンスです。紙本ではどうしても2話収録ということになるのですが,電子版(KINDLE)は単独で出版されるので嬉しいですね。


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