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過去への扉 [エマ・ダーシー]

SHALOCKMEMO971
過去への扉 Dark Heritage 1992」
エマ・ダーシー やまのまや





母のルーツを一目見てみたくてイギリスに来たついでにデイヴンポート・ホールを訪れたレブル(Rebel)・グリフィス・ジェームズ。原題は「黒い遺産」。てっきり中年か白髪頭の男性を思い描いていた伯爵は,なんと若い男性だった。兄の死により爵位を継いだばかりで,しかも兄夫婦の娘,姪に当たるセレストは天使のような愛らしさなのに,始終反抗して何をしでかすか分からない5歳児の面倒を見なければならなくなっていました。歓迎されていたと思っていたレブルが実は自分がナニーと勘違いされていたことが分かります。そして伯爵であるヒューが姪に対して冷たく当たる様子やセレストの反抗的な態度がかつて自分が里親の元を転々としていたときと同じであることを感じ,何とかしてセレストの気持ちを変えさせるために1週間ホールに留まることを提案するのでした。初めは姪に対して心を開かなかった伯爵が,自分に対しては好意を見せているのを感じ戸惑うレブル。そして義兄の故クリスティーンが自分に対して取った不実な行動がその原因であることを知り,ヒューに対してもセレストと同じ愛情を感じてしまっていることに気づきます。しかしオーストラリアからやってきた孤児の自分が貴族社会になじめるはずもなく,期限が来たら去らなければならないことに涙を流すのでした。初めてデイヴンポートにやってきたとき,門から伸びる木に囲まれた道が,レブルに母がこの館にいたとき幸せだったことを思わせる風景であることに運命的な不思議な気持ちを抱き,自分もこの場所で暮らしたいという気持ちをもっていたため,余計去らなければならない現実との間に苦しむのでした。やがてセレストとの関係がよくなり,それまで凝り固まっていたヒューの気持ちもセレストに向くようになり二人の関係が好転したことに安心したレブルはいよいよ自分がここを去ることを考えます。そんなとき,母のことを知りたいという老年夫婦が自分を訪ねてくることを知ります。母の様子が聞けるかもしれないと期待しながらも緊張して老夫婦に会うと,実の祖父母であることがわかり混乱します。なぜ母を捨てたのか?思わず席を立ってしまうレブルにヒューはとにかく話を聞くだけでも聞いたほうがいいと優しく諭すのでした。若くして親の反対を押し切って結婚しようとした二人が子供を勝手に里子に出されてしまい,さらに夫は戦争で徴兵され子供を見失ってしまったという状況を聞いて,レブルは二人が愛し合っていることそしてずっと母を捜していたことを知ります。このデイヴンポートで祖父母に出逢えたこともなにか運命を感じるレブルでした。そして翌日,ヒューはついにレブルに対する気持ちを明かします。互いの愛を告白し合った二人。心温まるエンディングです。
14人もの養子を育てたジェームズ夫妻の元で育った子供たちの物語「ジェームズ・ファミリー」シリーズは,4冊描かれているようです。本作はその第2巻ですが,どれが訳本なのかまだよく分かりません。ちょっと調べてみたいと思います。そして文庫版の本作の表紙がとても斬新です。顔のない女性の正面の姿。これはきっとルーツを求めているレブルを象徴しているのでしょう。心温まるオススメの一作です。


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