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シークと乙女 [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO979
『シークと乙女 The Sheikh and the Virgin
サマーシズラー 2009 真夏の恋の物語」所収 2008』
キム・ローレンス 高木晶子





親友とその恋人のため相手の誤解どおりに話に乗り,砂漠の国ザフラトにやってきたベアトリス(ベア)・デブリン。親友エマとザフラトの王子ハリッドはロンドンで付き合い,結婚を考えており,エマは妊娠している。しかしハリッドの兄で皇太子であり実質的な王でもあるタリクがエマのフラットにやってきて,なぜかベアを連れて行く。実はベアとエマとハリッドの写った写真を見て,タリクはベアがハリッドと交際していると勘違いしたのでした。そしてハリッドと別れるように強く求めるタリク。「いわゆる美人顔ではない。意志の強そうな丸みを帯びた顎。小さくてちょっと上を向いた鼻。唇は少し大きすぎるが大きな瞳には猫を思わせる性的な魅力がある。背が高く,肩もしっかりして」いるベアに,タリクは写真を見たとたん,その魅力に惹かれ始めていたのでした。この女性は弟のハリッドにとって最悪の花嫁候補だと考えたタリク。タリク自身は結婚について,「古い伝統と文化がある王国を近代化するというやっかいな仕事に全力で協力してくれる女性を妻にする」という考えでいます。そこには愛は含まれていませんでした。タリクはてっきり王子であるハリッドをベアが罠にかけて利益を得ようとしていると考えていたのでした。その話を直接聞かされたベアは,どうやらタリクが自分とエマを取り違えて考えていることに気づきますが,二人の幸せを考えてみると,タリクの勘違いをそのままにして,自分が如何にハリッドにふさわしくない女性かを強調し,その後にエマがタリクの前に現れればきっとハリッドによりふさわしい女性として認められるはずだという計画を立てます。そこで自分をザフラトに招待することを条件にします。砂漠の国でハーレムに閉じ込められるのではと思っていたベアですが,タリクと二人でいるところを目撃され,結婚せざるを得ない状況になってしまいます。しかも反対すると思っていた父国王がタリクとベアの結婚を望んでいるというではありませんか。国でのタリクは国を近代化するためにいろいろなプロジェクトを立てそれを実践しようとしていますが,守旧派の族長たちからの抵抗も結構強いものがあるのです。そのため身を固めるということも国政の改革のためには有効な手段と考えます。ベアは意外なところで周囲の人々から受け入れられ,女性や子供たちのためになることを考え出す女性でした。しかし,弟の恋人を自分が取るわけにはいかないと板挟みに悩むタリク。やがてハリッドが怪我をしたという知らせが入り,タリクは駆けつけようとしますがベアは一緒に連れて行って欲しいと強く訴えます。病室でハリッドの世話を懸命にするベアを見て,タリクは更に苦しむのでした。そしてエマもザフラトに駆けつけ,ついに真実が明かされます。すっかり騙されていたことに気づいたタリクはベアを追い出します。さてこの後二人の関係はどうなるのでしょうか。ついにザフラトを去るベア。父国王がベアをすっかり気に入り,二人の関係修復に手を貸すところが微笑ましい感じです。全12章のシンデレラストーリーです。


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