嵐のように [キャロル・モーティマー]
SHALOCKMEMO983
「嵐のように Tempestuous Affair 1984」
キャロル・モーティマー 中原もえ
ボス秘書ものです。愛人同然に秘書でありながらベッドを共にして半年,リンジーは当初の申し合わせどおりボスのジョエルアメリカ出張中にジョエルのフラットを出て自分のアパートに帰ります。半年待ってみたものの将来を約束するような言葉や愛を告げられたことがなかったからです。とりあえず半年お試し期間を過ごしてみようということで始まった二人の同棲ですが,実りのない結果に終わります。出張から戻ったジョエルになぜフラットを出たのか問い詰められたリンジーですが,初めからの約束どおりしただけですと,取り澄ました様子で言うのです。すっかり混乱したジョエル。必死に引き留めたりなだめたりしますがリンジーの決意は固いようです。翌日には辞表も提出され・・・。それから二人がヨリを戻すまでのあれこれが描かれているわけですが,リンジーのプライド。秘書としての能力よりもセクハラ的に対応してくる企業経営者たちや,リンジーの姉に一目ぼれしたアメリカの富豪とリンジーの間の友人づきあいを嫉妬の目で見て誤解し続けるジョエル,さらにはジョエルの弟の元妻のリンジーに対する嫉妬と誤解を招くような言動など,まさしく「出来事(affair)」がさまざまあり,賑やかに終盤を締めくくっていきます。「テンペスト」というよりは,シェークスピア劇「恋のからさわぎ」的なストーリー展開で楽しめる作品です。
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