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夢から覚めたシンデレラ [モーリーン・チャイルド]

SHALOCKMEMO984
夢から覚めたシンデレラ Double the Trouble 2014」
モーリン・チャイルド 高山 恵





「キング家の花嫁」シリーズの関連作です。まだこのシリーズには手を付けていなかったので,さっそく第1作を購入しました。紙本ではもっていたのですが,最近は電子版があるものはダブりを気にせずに電子本を購入することにしています。それは,暗いところでも読めることと,活字の大きさを変えられることが大きな要因です。もちろん,場所を取らないことが最大の要因ですが・・・。ただ,もしAmazonさんがつぶれてしまうと,これらの電子本の価値はゼロになってしまうわけですが,それでも,一度読んだものを読み直すことが今のところ考えていないことや,すでに購入している紙本だけであと50年は読みつつけていけるだけのものをもっているので,それの心配はしていません。
さて本作ですが,“Billionaires and Babies”のシリーズにも入っています。生後八ヶ月の双子の男女の兄妹を育てているペニー・オークス(本名はペネロープでしょうか?作中には示されていないようですが)。父親はキング家の双子の兄コルトン(通称コルト)ですが,ペニーとコルトは1年前に結婚式を挙げ,その翌日に離婚という超スピード離婚の二人でした。コルトの方が結婚生活に自分は向いていないと結婚を投げ出し逃げてしまったからです。その理由はペニーに何度も聞かれますがついに終盤まで明かされません。どうも両親の死と関係があるらしく,双子の弟コナーはその理由を知っているようですが,兄の心境を義姉に話すことはしません。そして生活に追われているペニーを見て,弟のロバートがコルトの元を訪れ,双子の子供のことを話してしまうところから物語は動き出します。自分がペニーの元を去って離婚したにもかかわらずコルトはペニーが子供のことを知らせてくれなかったことでペニーを責めるのでした。なんて勝手な男!!!。ペニーが腹を立てるのは当然です。そしてコルトは双子の子供に関わらせてくれるようにペニーを脅すのですが,それでも自分が子供やペニーと一緒に住むことはなかなか承知しません。ただ生活に困窮を来しているペニーに金銭面の援助は惜しまずにするのですが,自分一人で子供を育てるつもりのペニーはプライドを捨てずにコルトの申し出を断り続けます。そして将来を二人で話し合うことはなかなか難しい二人でした。唯一の解決策はコルトが過去のしがらみを脱出し現在と未来に向けて気持ちを切り替えることなのですが,コルト自身にとってはこれもずいぶんと難しいことのようです。ペニーの弟ロバートと婚約者で弁護士のマリアはとても素敵なカップルです。父を亡くした後姉に育ててもらったことを心から感謝しているロバートは姉の窮状を見かねてコルトに子供のことを打ち明けたのですが,なかなか煮え切らないコルトの態度にロバートも言わなければよかったと公開する場面もあります。しかしペニーと子供たちの生活が少し改善されたことは明るい光が見えてきたところです。ペニーは突然自分の元を去って行ったコルトを今でも愛し続けています。しかしコルトが過去のしがらみから抜け出すことが難しいことも理解しています。常に危険と隣り合わせのことに挑戦し続けるコルトの生活ぶりは自ら死に向かって進もうとしているとしかペニーには理解できません。コルトの側からすると家族を最優先にするキング家の伝統に則って双子の子供たちに関わっていこうとするのですが,金銭面だけでなく愛情の方が大切だとペニーに言われると,家庭に縛り付けられるのは自分にはできないと苦悩するコルトでした。ペニー,コルトの双方の頑固さ合戦で終盤まで引っ張ります。そして今コルトがいるうちだけでも愛していこうとするペニーの健気な気持ちがなんとも愛らしく,こんなにペニーに思われているコルトは幸せ者だと思うのですが・・・。そんな切ない一面を描いた作品です。コルトの気持ちの変化が最後の最後に描かれます。


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