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暴君にこの身を捧げて [ルーシー・モンロー]

SHALOCKMEMO986
暴君にこの身を捧げて A Vrirgin for His Prize 2014」
ルーシー・モンロー 春野ひろこ





「指環はロシアン・ゴールド(SHALOCKMEMO945)」の関連作です。前作の登場人物がそのままほとんど登場しているので,2作で1作的な気もします。逆に本作のヒーロー,ヒロインも前作に出ているので,まだ読んでいない人には2作を続けて一気読みすることをオススメします。
本作のヒーローは前作のヒロイン,マディの便宜的結婚に名乗りを上げ,かなり本気だったマックスウェル(マックス)・ブラック。本当の富豪でロシア系。かなりの美形で冷徹で尊大な感じから「皇帝」と渾名される事業家です。ヒロインは純真な美女ラモーナ。通称ロミ。マディの親友で娘を一人で育て上げた父が母を亡くした後アルコール依存症になっているのに気をもんでいますが,有効な解決策を見いだせないでいます。両親が本当に愛し合った結婚生活を送っていたことを見ていたロミは母を亡くした父の気持ちが理解できたからです。マディの父がロミの父の会社を買収しようと画策していたのをマディが遺産を盾に阻止したことで二人の関係はますます強まります。マックスとロミはかつて真剣なつきあいをしていましたが,結婚や愛というものに価値を見いださないマックスにロミはノーを告げて別れていたのでした。親友のマディがヴィクと真剣に愛し合うようになったことを見て,ロミもマックスとの関係が再燃することを願っていますが,愛を信じない,永続的関係を認めようとしないマックスの誘惑には頑として首を縦に振らないのです。事業ではほとんど失敗したことのないマックスが唯一言うことを聴かせられないのがロミと自分の母でした。マックスは父を知りません。ロシアからマックスを連れてアメリカに渡ったマックスの母ナターリアに愛は自分を弱くすると言われ続けて育ったからです。でも一時期母子の元にいた男性に遊びに連れて行ってもらった記憶と3人で取った写真が残っています。おそらく彼が父親だったのでしょう。しかし公に結婚することが出来ない立場の男性だったようです。マックスはヴィクとマディの交際から結婚へと言う段階に発展したことで,自分もロミ以外の女性を思うことが出来なくなっていることに気づきます。ロミもまたもしマックスが自分との将来を思い描いているのならいつでも結婚にイエスを言いたくています。自分から積極的にアタックしてもいいかなと思うロミはマックスに一夜限りでもいいから関係をもって,二人の気持ちを確かめ合ってはどうかと提案します。そして二人の終末の真剣交際が始まるのでした。もちろんそれは一夜だけで済む関係ではなくなってしまうのですが,それでもマックスは愛しているを口にしません。そしてロミの父親に会社の所有権を確保するかわりに,アルコール依存症の治療をするための入院を条件とするのでした。ロミの父は娘が幸せになるのならとその条件を承諾し,すぐに入院します。父を遠ざけるのではなくその治療を願っていることを知ったロミは,マックスが信頼できる,そして嘘をつかない人であることを見抜き,結婚前合意書にサインするのでした。いつかはマックスが愛しているという言葉を言ってくれると期待して・・・。
表紙のモデルはロミの斜め後ろからの姿を描いています。まっすぐな黒髪と素晴らしいスタイル,そしていかにも上品ながら誘うようなセクシーさを感じさせる姿勢です。「皇帝」と渾名されるマックスが母親から「小さなクマちゃん」を意味するロシア語で呼ばれるや,ロミにもマディ,ヴィクにもその愛称でからかわれても悪い気がしない気持ちになった時,マックスの心の中に本当に親密になっても自分が自分らしく生きられることを知ったのだと思います。それだけ自分の心を許せる人が自分の周りに出来たことがマックスにとっての心の成長だったのでしょう。ちょっとプライドが高く少し変わっているロミが,いつも意外性をもってマックスの生活の中に入り込んできたとき,一生退屈せずに生活していける確信を持ったのだと思います。
マディとロミのチャーター・スクールを作りたいという計画にマックスも多額の寄付をすることで参加していくことになります。二人の共通の目的が合致したことでさらに紐帯が深まっていくでしょう。素晴らしいカップルの誕生です。


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