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野の花を愛した大富豪 [キャサリン・マン]

SHALOCKMEMO1012
野の花を愛した大富豪 One Good Cowboy
( Diamonds in the Rough 1 ) 2014」
キャサリン・マン 野川あかね





「ファミリージュエルを守ることの大切さを忘れてはだめよ」という会話体で始まる珍しい作品ですが,これから始まる物語がまさしくこの一言に要約されています。一家の大黒柱のマライア・マクネアが不治の病に冒され,3人の孫にそれぞれ課題が出され,遺産の相続人を決めるという提案がなされます。双子のエイミーとアレックス,そしてその従兄弟のストーン。ストーンの母はジェイドですから,宝石に絡んだ名前だと言うことが分かります。一家は牧場とリゾートハウスを経営するアレックス,宝飾会社を経営するストーン,そして宝飾デザイナーのエミリーがそれぞれの事業を分担して協力してマクネア・ホールディングスをマライアが統括するという具合に事業を発展させてきました。ストーンの母は薬物中毒患者であちらこちらの療養所を転々としています。自らクラック・ベイビー,つまり薬物中毒を抱えたまま産まれてきた子供として母の元を離れ祖母であるマライアに育てられてきました。今でもその恩義を強く感じ実の母より祖母を慕い続けています。ジョアンナ・フレッチャーは動物看護師として牧場の動物の世話をしてきました。かつてすとーんとジョアンナは婚約していましたが,子供はほしがらないというストーンの言葉に傷つき婚約を解消したという経緯があります。今回ストーンに課せられた課題はマライアの可愛がっている四頭の犬の新たな飼い主先をジョアンナと一緒に回り犬たちが安心して預けられるかどうかを確認してくるというものでした。犬たちが如何に祖母に大切にされているかを知っているストーンはこの提案を受け入れます。ジョアンナはというと,婚約を解消したのが自分の方だということで気後れしていましたが,ストーンとの関係が改善されるかもしれないというかすかな期待があり,この提案を受け入れるのでした。自家用ジェットで一軒目の家を訪れる機中で,ストーンとジョアンナの関係はすでに以前の関係に戻ろうとしています。ジョアンナは訪問先がどこかは聞かされていません。これがなんと,ドノヴァン夫妻のところでした。キャサリン・マンの作品の読者であればよく知るアルファ・ブラザーズ・シリーズの「仮面の情事(SHALOCKMEMO748)」のヒーロー,ヒロインだったドノヴァン夫妻のところです。ここでの生活は快適で夫妻や子どもたちに犬がすっかり馴染んでいる様子にほっとします。そして1泊する間に二人の間は休息に接近するのでした。こんな形で二人の間の関係の修復があるいは祖母の課題の本当のテーマかもしれないとストーンもジョアンナも気づきます。そしてストーンが婚約解消に簡単に応じてしまった背景が少しずつ語られていきます。次に向かった先はランディス・レンショー夫妻のところ。これまた「億万長者に愛されて」のシリーズに登場する人物です。ここでストーンは秘密になっている自分の父親のことをジョアンナに打ち明けます。そして最後はヨーロッパの元国王のところですが,改まった場所に対して気後れを感じてしまうジョアンナのことを思いやってストーンは黙っていました。ところが最後の場所に向かおうとしたところでエミリーから緊急に電話が入り,マライアが発作で倒れ,病院に運ばれたところだというのです。二人は自家用機を家に向かわせ,病院に駆けつけます。自分を育ててくれたストーンはもとより,ジョアンナも両親を失った後マライアの援助で動物看護師の資格と牧場での職を得ることが出来,恩人以上の存在となっていました。大家族に憧れるジョアンナの原点がこのマクネア家の人たちだったのです。看病の傍らついにストーンはジョアンナに子供が出来ない理由を明かします。これまで嘘をつかれてきたこと,自分を信用してくれなかったことに傷ついたジョアンナはストーンを退けます。ストーンは予想していたとおりのジョアンナの反応にがっかりしますが,仕方ないとジョアンナを気遣います。幸いマライアの病状は好転し退院することが出来ました。そして,そこに驚愕の訪問者が登場します。ストーンの母が祖母を気遣い,療養所を退院して訪ねてきたのでした。母との和解は難しいものでしたが,ジョアンナを傷つけてしまったことを考えて,母に対してはやさしく接することが出来るようになっていました。そして犬の引取先の残りの一軒が,突然ロッジを訪問してきます。「恋に落ちたプリンス」シリーズのサン・リナルドのメディナ家の元国王です。二頭の犬を引き取りたいと申し出る元国王に,ストーンは一頭しか譲れないと反抗します。自分が祖母の元に置いておくために育てるといいだします。仕事しか関心のなかった冷徹なストーンと異名を取っていたストーンがジョアンナとの交流をとおして愛が最も大切なものだと気づいた瞬間でした。これまで自分が築いてきたものを全て捨てても自分の最も大切な人とともにいたいと,家族を守りたいとストーンが気づいた瞬間でした。
自ら著してきた作品シリーズの登場人物たちを配置してキャサリン・マンのファンにはたまらない作品となっています。


タグ:ディザイア
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