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傷心のプリンス [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO1024
傷心のプリンス Prince's Love-Child
(華麗なる兄弟たち 3) 2006」
キャロル・モーティマー 桃里留加





シリーズ最終巻です。3男リックは女優のダイアモンド(ディー)・マッコールを5年間も愛していると思い続けていました。パリでディーと夫のジェロームと偶然出逢ったとき,一緒にサファイア(サフィー)とも再会します。我が儘放題に育ったディーは美貌という点では誰にも劣らないハリウッド女優ですが,かつてリックに継母と継姉から愛してもいない男性と結婚させられると話していたのです。ところが夫のジェロームは本気でディーを愛しており,ディーが他の男性と話をするのさえいやがっています。しかし,ディーにはわざとそんな風に振る舞ってジェロームの嫉妬をあおるのをおもしろがるような様子が見えてきました。そして,サフィーがディーの姉,あのディーを無理やり富豪のジェロームと結婚させようとした義理の姉だと知って,驚きを隠せませんでした。ディーはサフィーの母の再婚相手との間の子供だったのです。そのため姓が違っていたのでした。サフィーとリックは,かつてディーとジェロームの結婚式の晩に,一夜を共にしていたのでした。サフィーやディーとの会話の中にマシューという男性の名前が時々出てきます。マシューが現在サフィーが付き合っている男性ではないかと思ったリック。しかし,5年前リックと一晩を共にしたサフィーは男の子を産んでいたのです。それがマシューでした。パリからロンドンに帰るユーロスターの中で,サフィーと話をしたリックは,5年間ディーを愛し続けていたと思っていたのは全く幻想だったことに気付きます。むしろ,サフィーこそ自分の心の中に居た女性だったことに気付きます。寛大で尊敬でき,なんでもストレートに話をするサフィーは,ディーとは異なった美貌をもつ,話をしていて退屈しない女性,それがサフィーだったのです。しかしサフィーはリックが5年経った今もディーを愛していると思い込んでいます。5年前に一目ぼれしてその人の子供を産み,今でも毎日子供の顔にリックの面影を見てはリックへの愛を深めているサフィー。そんな思いをリックに知られたくないとマシューの存在を知られないように気をつけ,家族の誰にもマシューの父親の名前を明かさないで来たサフィーですが,今でもリックを愛し続けていることは間違いありませんでした。サフィーにとってリックは最初で唯一の男性でした。リックはディーとサフィーが姉妹であることを知り,今はもうディーよりもサフィーに惹かれていることを確信したのですが,サフィーはリックから離れようとばかりしています。
ロンドンに帰ってから数日して,サフィーの家にリックが突然現れます。母親のジョーンとマシューの三人暮らしをしているサフィーですが,マシューの存在をリックに知られないようにするのはもう難しいと思った矢先,マシューがママを捜して居間に入ってきてリックと出会います。あまりにも自分の幼少のころにそっくりなマシューを見て,リックは自分がマシューの父親であることを直感しました。サフィーが4年間も子供の存在をリックに隠していたことを知り,リックは怒り心頭に発して弁護士を立ててあらそうと言い出します。プリンス家の豊かさを知っているサフィーはリックにはその力があり,本気であることを恐れます。リックを帰した後,サフィーはリックと話し合わなければと思い,つてを頼ってリックがニックのところにいるだろうとわかり,ニックの家に行き,3人で話し合うことになります。興奮のあまり強引なことを言ってしまったことをリックは謝罪し,裁判沙汰にするつもりはないことがわかりますが,ニックは冷静に解決策は二人が結婚することだと提案するのでした。自分を愛してもいないリックと子供のためだけに結婚することは出来ないとサフィーはリックのプロポーズを断りますが,リックはサフィーへの思いを断ち切ることなど出来ないほどサフィーを愛し始めていました。リックはサフィーを説得することが出来るのでしょうか。
サフィーの家を再訪したリックとサフィーを待ち構えていたのはディー。そこでディーは,リックにサフィーとマシューを弁護する強烈な言葉を投げつけてくるのでした。ディーが自分のこと以外でこれほど興奮した姿をサフィーも初めて見ます。実はディーもジェロームの子供,それも双子を身ごもっていたのでした。自分が母親になることを実感し始めていたディーはサフィーとマシューを守ろうと大芝居を打ったのでした。その後はディーとサフィーの関係も親密なものになり,さらにエピローグではディーとサフィーの母親ジョーンの生活にも大きな変化が現れてきて,見事な大団円を迎えます。サフィーがリックのプロポーズを断ろうとしたときの心情を表す心の声「リックは今朝、私を求めているとはっきり口にした。リックの欲望とわたしの愛を土台にしてマシューのために幸せな家庭を築けるだろうか。わたしのリックへの愛は消えないだろう。だが,欲望はいずれ消えてしまう。」が印象に残る一言です。
主な登場人物
ダイヤモンド(ディー)・マッコール,ハリウッド女優,深いグリーンの瞳,大富豪ジェローム・パワーズの妻,25歳。
サファイア(サフィー)・パール・ベネディクト,スリラー作家,シングルマザー,琥珀色の瞳,豊かな鳶色の髪,炎と光の美しさをもつ女性,マシューの母親,ディーの異父姉,28歳。
リック・プリンス,脚本家,35歳,深い青い瞳。


タグ:ロマンス
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