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勝利の美酒は罠 [リン・レイ・ハリス]

SHALOCKMEMO1025
勝利の美酒は罠 Heiress's Defiance
ホテル・チャッツフィールド 8) 2014」
リン・レイ・ハリス 山本翔子





やっと読み終わりました。シリーズ最終巻ですが,そもそもこのシリーズがかなり多くの作品群からなっていますので,第1シーズンの最終巻と言えると思います。ジーン・チャッツフィールドの再婚に伴い,ホテル群のCEOにクリストス・ヤトラコスが就任してからの,ジーンの8人の子どもたちのロマンスを巡るシーズンもやっと終わりが見えました。来月は関連作が出るようです。
さて,最終巻に残ったのは長女のルシーラ。ヤトラコスにCEOの座を奪われ,ホテル経営の面で最も被害が大きかったのがルシーラです。複雑な家庭の中で弟妹たちの面倒を見る,母親代わりの存在でもありました。特に末の妹のカーラにとっては姉=母というぐらいの存在だったのです。憎むべき相手クリストス・ヤトラコス。でも,なぜか憎めない相手。気になる相手。そして愛してしまった相手なのです。戦略的にCEOの座を奪い返すのが究極の目的だったルシーラですが,ギリシアのクリストスの育った島での1週間,そして生い立ちをバラすぞと脅しながら後ろめたさを感じざるを得ない複雑な心境。なによりクリストスへの愛と憎しみが裏表だったことを知りながら,仕事の面では妥協できない頑固さがルシーラの愛に素直になれない理由でもあります。若い再婚相手を選んで仕事を放り出してしまった父への恨み,その父がクリストスをCEOに命じてしまった恨み,いくつかの恨みや悔しい思いを抱えたルシーラは本当に強い女性の典型です。MB版の表紙を見る限り,シリーズの中でもっともセクシーかつ大人の雰囲気を漂わせたモデルを使っているのも,ぴったりという感じがします。一方のクリストス・ヤトラコスの方も,これまで各巻で少しずつ明らかにされていた不幸な少年時代,つまり父親からの虐待により事故が起こり,少年院で暮らした過去,そして改名したことなどが描かれ,シリーズ全体を締めくくるにふさわしい大団円へとなだれ込んでいく内容になっています。二人のロマンス自体がとても劇的で悲しみに満ちている内容ではありますが,ドラマチックな表現を得意とするリン・レイ・ハリスらしい作品といってもいいと思います。
シリーズベストを挙げるとすれば,作品としては第1巻「シークの愛した客室係」,ヒロインとしては第5巻のホリー・プルマンでしょう。


タグ:ロマンス
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