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消せない一夜の宝物 [エリザベス・パワー]

SHALOCKMEMO1030
消せない一夜の宝物 Visconti's Forgotten Heir
 2013」
エリザベス・パワー 水月 遙





マジェンタ・ジェイムズは一人息子セオのために是非ともこの仕事が必要でした。一部の記憶喪失。昏睡状態のまま生んだ一人息子セオ。そして,セオと自分の面倒を見てくれた大伯母のジョージー・アシュトンと3人で暮らしているものの,努力して周囲の人々との関係を作り上げてきたのでした。面接会場で,自分の経歴を話し終わって,人事部長も間違いなく自分を採用してくれるだろうと思っていたとき,会場に現れた男性を見て,マジェンタは驚きの表情を隠せませんでした。ホテルチェーンのCEO,アンドレアス・ヴィスコンティ,そしてセオの父親。若かったマジェンタは貧しい料理店の手伝いだったアンドレアスと付き合い,モデルとして自分のキャリアを掴もうとしていました。マーカス・ラシュフォードという事務所経営者が自分に声を掛けてくれたときは,大喜びします。しかもアンドレアスの両親や兄から二人の交際を反対されていたマジェンタはマーカスの誘いに喜んで応じます。裏切られたと思ったアンドレアスは,アメリカに出奔し,チャンスを掴んで現在の地位を得たのでした。面接会場でアンドレアスはマジェンタを採用しないと言い放ちます。ところがアンドレアスのオフィスで,マジェンタは彼の個人秘書になることを求められるのでした。さらにマーカスとの関係を詰問されるに至っては,イッソこのまま帰ろうかと思ってしまいます。アンドレアスがマジェンタの記憶喪失を知らないことは明らかでした。そして一人息子がマーカスの子供であり,マジェンタがアンドレアスを捨てたようにマーカスから捨てられたとすっかり誤解しているのです。復讐のため自分を個人秘書にして苦しめたいのだということは明らかでした。しかし息子が全てであるマジェンタは,アンドレアスがセオを父親であることを知ったらきっと自分からセオを取り上げてしまうだろうと思い,その誤解を解くわけにはいきません。さらに息子との生活を安定させるためにはこの職場をあきらめるわけにもいかないのです。苦悩するマジェンタにアンドレアスは次々に理不尽な要求をしていきます。しかしアンドレアスは未だにマジェンタに惹かれている気持ちを,マジェンタもまたアンドレアスに惹かれていく気持ちを抑えることはできません。こうして奇妙にねじれた二人の関係は次第に変化していくのでした。
復讐譚,初恋の幼なじみとの年数を経た再会,未だに互いを忘れられない気持ちと子供の存在など,ロマンスの要素をふんだんに取り入れた作品です。Mills and Boon社の表紙のイメージモデルはどちらかというと幼さを失わない美女ですが,邦訳版の表紙のイメージモデルは大人びたゴージャスな感じにあふれています。作品の雰囲気からして邦訳版の方がふさわしい気がしますが,好みからするとMB版の方が雰囲気がいいですね。


タグ:ロマンス
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