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砂漠に落ちた雫 [オリヴィア・ゲイツ]

SHALOCKMEMO1051
砂漠に落ちた雫 To Tempt a Sheikh
ゾハイドの宝石 2) 」
オリヴィア・ゲイツ 小長光弘美





シリーズ第2弾。とにかくすさまじいヒロインです。医師でありながら兄の無実の罪を購おうと弁護士に相談したところ,あっという間に誘拐され砂漠に連れてこられてしまいます。しかも男装のまま。それを救出に向かったのがゾハイド国王の次男で国務長官でもあるハーレスでした。前作で弟シャヒーンの想い人ヨハラを徹底して疑い,本人と会うまでは疑惑を隠そうともしなかったハーレスですが,本作では始め誘拐されたTJが男性だと思いヘリで脱出しようとしたところを銃で撃たれ,さらにやっと飛び立ったヘリにも銃弾が当たったために不時着。そこでTJが女性だと気付きます。そしてTJことタリア・ジャスミンにすっかり惹かれてしまい運命の人だと思ってしまうのです。兄に罪を着せられたと思い,アール・シャラーン一族を憎んでいるタリアの言うことを信じようとするのです。このことから始まり最終的にタリアもハーレスを運命の人と考えるようになるのは,この信頼でした。状況が疑わしくてもきっとこの人の言葉は信頼できると自然に思えるのは,その時点ですでに愛が芽生えている証拠,というのが作者の本シリーズでのテーマの一つのような気がします。
さて二人はヘリから必要なものだけを持ち出し,80キロ先の砂漠のオアシスまで徒歩で出発します。ハーレスが「砂漠の雫」ちゃんと呼び,か弱い女性であると思っていたタリアが,不平も言わず黙々とハーレスの指示に従いながらも,それでも強気で言い返す心の強さにすっかり参ってしまいます。タリアもまた状況をきちんと説明し,何があっても自分を守ると言ってくれるハーレスを信頼していきます。5日目にやっとオアシスに着いた二人。そこでの生活は砂漠の民の暖かい歓迎と,ハーレスの魅力を再確認していき,二人にとってハネムーンのような幸せな日々となりました。そして,兄である皇太子アムハドたち一行がヘリで迎えに来たとき,タリアは双子の兄トッド・ジョナス(TJ)が釈放されようとしていることを知り,もはやアール・シャラーン一族への憎しみは完全に消えてしまっていることに気付くのでした。
本作では,まだ「ゾハイドの誇り」とされる宝石類の贋作すり替えの犯人,黒幕は明かされません。最終巻の次作へと興味をつないでいます。どうも内部犯の可能性のみ匂わせています。
三男,次男と下から順に愛に落ちていく兄弟たち。頑固で冷徹,どうにも人付きのしない長男アムハドを愛に向かわせていくのは一体どんなヒロインなのでしょうか。


タグ:ディザイア
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