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千一夜におぼれて [オリヴィア・ゲイツ]

SHALOCKMEMO1054
千一夜におぼれて The Desert Lord's Baby
ジュダールの王冠 1) 2008」
オリヴィア・ゲイツ 氏家真智子





「ジュダールの王冠」シリーズ第1作です。病身になったジュダールの国王ザヘルの皇太子には二人の候補がありました。ファルークの従兄弟のタレク,そして国王を伯父として持つファルーク。ファルークの弟たちシェハブとカマルもまた公比ではありましたが,タレクと重臣たち,そして隣国の利益が絡み合って,王位継承問題は複雑化していきます。1年半前,互いに夢中になり愛し合ったファルークとカルメン・マッカーサー。3カ月だけ付き合おうと約束して愛し合い始めた二人ですが別れは早めにやってきます。ある理由からカルメンはファルークの元を去る決意をするのですが,その時タレクが密かに魔の手を伸ばしていたのでした。タレクの企てによりすっかりカルメンを疑ってしまったファルーク。しかし,カルメンは一人娘メナを出産していたのでした。カルメンには妊娠しづらい病気があったのですが奇跡的にメナを身ごもり,出産することができたのでした。しかしそのため子宮摘出手術を受けざるを得なくなったのです。カルメンとメナを見つけ出して突然ファルークが訪れてきますが,メナの存在を知らせなかったと激怒しています。そしてタレクの陰謀にもかかわらずファルークはカルメンを信用できなくなっていたのでした。メナを一目見てファルークは自分の娘であることを確信します。メナとカルメンをともに,ジュダールに連れて行き,メナの母としてカルメンとの結婚を宣言したファルーク。カルメンは自分が愛されているからではなくメナの母親だからと理由でファルークが結婚を言いだしたと思い,仕方なくこの状況に合わせていこうと思います。空港でファルークの弟たち,シェハブとカマルに出会ったカルメンはにこやかなシェハブとにこりともしないカマルに出会い,当意即妙の言い方で二人の信頼を得ます。そして何より二人はメナの愛らしさにすっかり引き込まれていくのでした。数日後に結婚。その話自体もカルメンを驚愕させたのですが,世界の何カ国もの元首たちが出席するとあって改めて自分とファルークの結婚の影響の大きさに緊張を覚えるのでした。そしてヘナには数カ国語でファルークの名前を描いたのです。ファルークへの愛に対するメッセージとして。初夜のベッドでそれに気付いたファルークは,タレクの情報が全くカルメンと関係なくでっち上げられたものであると確信します。そして男子をもうけなければジュダールの将来はないという国王の命に背き王位継承権を弟のうちの誰かに譲ると宣言します。何日もの間,二人の間の愛は深まるばかりでした。皇太子の地位を投げ打っても自分を愛してくれるファルークに幸せを深めるカルメンでした。メナももう少しで歩き出すところまで来ています。次作以降できっとメナの成長の描かれることでしょう。長いシリーズの端緒になる本作ですが,単独の作品としても十分読み応えのあるストーリー展開とヒロインの心の変化が描かれています。オススメの一作。


タグ:ディザイア
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