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イタリア富豪の不幸な妻 [アビー・グリーン]

SHALOCKMEMO1057
イタリア富豪の不幸な妻 Delucca's Marriage Contract
ホテル・チャッツフィールド 10) 2015」
アビー・グリーン 藤村華奈美





先月から始まったホテル・チャッツフィールド第2シーズンの第2弾です。先月の段階では果たしてこれがシリーズになるのかよく分かりませんでしたが,原作の方を見つけることができて,第2シーズンだということが分かりました。昨日,月の前半のハーレクインの配信があり,ロマンス4冊,ディザイア2冊を始め,今月は文庫を含めて11冊をまず購入しました。またKINDLEも2台目のFIREが到着し,さっそく軽量化されたKINDLE-Fire-HD-8をセットアップして使っています。しかも色もオレンジを購入しました。とにかく軽い。感覚的には500ページの文庫本一冊と同じ程度の重さです(勿論紙質で本の重さは変わりますが・・・)。これまでのKINDLE-Fireが画面が小さくちょっと重さを感じていたので思い切って購入しましたが,正解だったと思います。さて,今日は7netの方が作業中で画像が示せませんので,後日修正することにして,とりあえず10月にはいって初めて読了した本作の感想アップをしたいと思います。
本作では,前作「シークの美しき獲物(SHALOCKMEMO1029)」で登場したチャッツフィールドの商売敵,ハリントン・ホテルが,舞台として登場します。原題は「デルッカの契約結婚」ですが,父親の企業の倒産を防ぐため富豪ジャンカルロ(ジャンニ)との望まない結婚を承諾せざるを得なくなったキーリンがヒロインです。ハリントンとチャッツフィールドはホテルとしてはそれぞれの特徴を,伝統的で静謐な環境のハリントンと豪華で派手なチャッツフィールドということが本作では重要な点として使われています。何とか望まない結婚を相手側から断らせようと,キーリンはおつむの弱い,派手好きでゴシップにしか興味がない女性を演じていきます。初めはその様子にうんざりしたジャンニですが,本能はキーリンがそれとは正反対のものをもっているように思えたのでした。女の子として生まれたために父親の家業を手伝いたいと思い,必死に経営学の学位を取ったキーリンですが,祖父も父も全く彼女のその方面の実力は認めてくれません。傾いた経営を立て直すためには,彼女を結婚によって利用することで,富豪のジャンニの支援を当てにされていたのです。それが女性として会社に貢献する道だとする父。それに反抗したいものの会社のためといわれると断ることもできません。そこで一計を案じたのは相手側に嫌な女だという印象を持たせ,結婚を断らせようということでした。出会ってみると,「ジャンカルロ・デルッカのどんな写真も,実物にはかなわない」ほどの魅力にあふれた男性でした。ジャンニはキーリンの家を訪れた際,飾ってあった写真でキーリンを見ているのですが,その生き生きとして清純そうな雰囲気に好感を持っていました。ところが出会ってみると軽薄で「写真とは似ても似つかない,だまされたと腹が立つ」ような服装,そして強烈な香水のにおい,ひっきりなしにつまらない話題を話し,事前に渡したカードで持ちきれないほどの買い物をし,子供は寄宿学校にやってしまおう,という考えの持ち主です。それでも何とか婚約にこぎ着けるのですが,さらに結婚式に向かおうとしたジャンニを驚愕の知らせが襲います。なんとハリントン・ホテルでの結婚式の予定がいつの間にかチャッツフィールド・ホテル・ローマでの式にすり替わっていたのです。何とか式に間に合ったジャンニがさらに腹を立てたのは,父の友人だったマフィアのファミリーが式に参列しているではありませんか。キーリンがジャンニの母に父方の知り合いも呼ぶべきだといって呼び寄せたことが後から分かります。しかし,こんな企てをもろともせずにジャンニは結婚式を無事やり遂げ,「モンテファルコ」という町からそう遠くないところにある自宅にキーリンを連れて行きます。イタリア語に分からないキーリンと,英語の分からない家政婦のルチアと二人きりで残されてしまったキーリン。これまでの様々な企てに仕返しをされていると,孤独のうちに涙を流すキーリン。これでは祖父や父からうけた扱いと同じではないか・・・。しかし,ジャンニもキーリンも同じように親との関係がうまくいかなかった体験から自分を素直に出せない性格に成長してしまっていたのでした。戻ってきたジャンニとともに1週間のハネムーンを過ごすうちに互いの過去が少しずつ明らかになり,互いを恋しいと思えるところまで近づいて行くのです。いよいよローマに帰ろうとしていた朝,ジャンニの本に1本の電話での情報が入り,新聞が届いてみると,キーリンの父の会社がいよいよ危ない状況になっていることが報じられています。この結婚は初めから自分の経済的支援が目的だったのかとキーリン親子に裏切られた気持ちになるジャンニ。そしてキーリンが自分は関係していないという言葉を信じることができなくて一人ヘリでローマに戻ってしまうジャンニ。また,置き去りにされたキーリン。さて二人の関係はこの後・・・。身長170センチを超え,豊かな赤毛と女性らしい豊かな体型をしたキーリンの戦いがここから再開されます。アイルランドとイタリアという異なった文化を持つ二人の出会いから互いに惹かれ合うまで,そして幾度かのぶつかり合いを経て愛を深めていくまでの軌跡が丁寧に描かれたアビーらしい作品です。


タグ:ロマンス
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