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再会は甘美な罰 [アンドレア・ローレンス]

SHALOCKMEMO1064
再会は甘美な罪 Snowed In with Her Ex
(予期せぬウエディング・ベル 1) 2015」
アンドレア・ローレンス 小林ルミ子





山荘に雪嵐で閉じ込められてしまった昔の恋人同士の男女が,数日間で愛を確かめ合いながらも,平地に戻ったあとにどんな風に互いの存在を認め合っていくかという心の遍歴を綴った物語です。ウエディングサービス会社を立ち上げた四人の女性のロマンスを描いたシリーズの第1作に当たります。
写真家のブリアナ(ブリー)・ハーパーは,シェフのアメリア,カリグラファー(文字装飾家)のグレッチェン,ウエディングプランナーのナタリーと4人でウエディングサービス会社「フロム・ディス・モーメント(この瞬間から)」を立ち上げ,数年経って経営もやっと軌道に乗ってきました。社のモットーは「どんなときでもプロフェッショナルに徹すること」です。定例の打ち合わせのとき,ブリーはミッシー・クラインとイアン・ローソンの結婚式の予約が入っていることを知ります。イアンとは,学生時代に親密に付き合っていたのでした。しかも式の前にとる写真を,イアンの別荘の山荘でブリーにとって欲しいというのです。何事にもプロに徹しようとブリーは山荘に向かうのですが,イアンもやっと到着できるほどの雪嵐がやってきます。結局婚約者で歌手のミッシーの車は途中で通行止めにあい,くることができません。イアンとミッシーは数日間山荘に閉じ込められることになってしまったのでした。努めて明るく,昔のことを蒸し返さないようにしようと決意するブリーでしたが,イアンの方はミッシーとの婚約は自分から望んだことではなく,ミッシーの妊娠によって仕方なくという色合いの婚約であり,ミッシーは自分の知名度を上げるためマスコミに自分から売り込んだため,イアンが断り切れずに決まってしまったという側面の方が強いものでした。初めはブリーの大人になってますます美しさを増した姿を努めてみないように使用としていたイアンでしたが,ナッシュビルの有名音楽プロデューサーであり「スピン・トラックス・レコード」会社の社長である自分のスキャンダルがもっとも社にとっては困ることであることを実感していたため,素直にブリーへの気持ちを押さえつけていたのです。ブリーにとっても9年間の空白期間を過ぎた今,イアンに対する気持ちに自信が持てずにいます。しかし雪に閉じ込められて外にも出られない二人にとって,携帯電話の電波も届かなくなり,しかたなく山僧に会ったゲームをするぐらいしか時間を潰すことがなく,次第に互いの9年間を打ち明け合うことしかすることがなくなってしまいます。会社の成功を一番の目標にし,ブリーのことに手が回らなくなったイアンに対して自分が捨てられたという気持ちを持ち続けていたブリーに対して,イアンは大学の教授から君は音楽の才能がないといわれたために,プロデューサーの道を選び,成功を求めていたことと,写真家としてのブリーの才能を自分がいることで邪魔したくないという思いでブリーから離れてしまったのでした。そして数日後,電話回線が復活して最初に入った連絡はミッシーの妊娠が嘘だったというものでした。そしてブリーは,山荘に残されていた学生時代のギターで伴奏して歌ってみたイアンに,真剣に歌手としての道を再考してみてはと勧めるのでした。山荘から戻ったブリーは,写真展を開き,そのパーティにイアンを誘います。しかしいくら待ってもイアンは現れません。会社の出がけにミッシーが突然現れ,自分との再契約を迫っていたからです。もはやミッシーに騙されたくないイアンは再契約はあり得ないとミッシーに告げるのですが,そうこうしているうちに出が遅れてしまい,パーティの客たちがほとんど帰ったころにやっと会場に到着するのでした。昔と同じで自分のことに時間を割いてくれないと思い込んだブリーはイアンにくってかかり,イアンもまた言い返し,喧嘩別れをしてしまうのでした。互いのことを無視して時間が経ち,ウエディング会社の同僚たちから新しい店での飲み会に誘われたブリーは,イアンが歌うステージを持っていることを知り,同僚たちの企みに乗せられたことを知ります。すぐに席を立とうとしたブリーですが,同僚たちに引き留められ,しぶしぶイアンの歌を聴くことになるのです。学生時代に自分のために作ってくれた歌,そして再会を記念して新たにブリーに捧げる歌を披露したイアン。それはブリーに対するプロポーズの曲でもありました。この感動場面が本作のクライマックスです。二人の関係は見事に復活するのでしょうか。歌い終わって会場を見渡したときブリーの姿が見えなくなっているのに気付いたときのイアンの落胆にはさすがに同情を感じざるを得ません。エピローグでは,次のヒロインが示されています。4部作になるこのシリーズ。期待が持てます。


タグ:ディザイア
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