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不遜な富豪は理想の夫 [キャット・キャントレル]

SHALOCKMEMO1069
不遜な富豪は理想の夫 Matched to Her Rival
(シンデレラになれる日 3) 2014」
キャット・キャントレル 八坂よしみ





「億万長者の名ばかりの妻(SHALOCKMEMO888)」「王子様の花嫁探し(SHALOCKMEMO985)」と続いてきたシリーズの最終巻です。これまで,ダニエラ・ホワイト,ジュリエット・ヴィレールと二人をそれぞれ愛する男性とマッチングさせてきた結婚相談所のアドバイザー,エリース・ランデルは,テレビ局の対談番組で,自分のマッチングシステムがインチキだと果敢に挑んできた局のCEOダックス・ウェイクフィールドとの賭けにのらざるを得なくなります。自宅に戻ったエリースがダックスのデータをシステムに入力してマッチングしてみると,なんと回答はエリース・ランデルと出るではありませんか。そんなはずはないと,翌日さらにデータを収集し入力し直してみると別の女性がヒットしました。このときすでに,エリースの心の中にダックスが,ダックスの心にもエリースのことが少し入り込んでいたのです。マッチングの相手キャンディス・ウォーターズは美貌といい,弁護士という頭脳の優秀さといい,文句なしの女性でしたが,ダックスは少しも魅力を感じず,というかこれまで付き合ってきた女性たちと全く変わらなかったため,すぐさま断りの返事をし,エリースに文句を言いにいきます。自宅に押しかけられたエリースは,ダックスの心の闇の秘密を巧みに探り出し,いつのまにか自分も母親から受けた「デブ」の自縛に縛られてきたことを意識しなければならなくなってしまいます。そしてダックスの会社を訪れたとき,ダックスのかつての恋人たち,ジェンナ,シェリリン,アンジェリカとキャンディスが押しかけてきます。この時4人の女性から話されたことでエリースが傷ついたと考えたダックスは,エリースへの想いに気づくのでした。そして,互いに賭けを中止し,自分の負けを認めようとしたとき,互いの愛に気付いていくのです。このあたりの愛とは何かについての作者の考えが明確に出ていて,読んでいてなるほどと思えるところです。愛と信頼,この二つが両輪であることが,この後,ダックスがエリースへの信頼を疑ってしまうきっかけになるのは面白いところです。なかなかすぐにハッピーエンドには終わらないところが作者のうまいところですね。そしてエリースが大胆な仕掛けで,さらにそれにダックスも輪をかけて大胆な仕掛けで互いを愛を打ち明け合うところが,端から見れば迷惑な話ですが,物語としてはスケールの大きさに,そしてアメリカ的なところ(舞台はダラスですので)に,爽やかで暖かい読後感にさせる最大の理由だと思います。シリーズ最終回にふさわしい大作だと思います。オススメの1作です。


タグ:ディザイア
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