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あの夜は秘密 [サラ・クレイヴン]

SHALOCKMEMO1098
あの夜は秘密 A Nanny for Christmas
Nanny Wanted ! 5) 1997」
サラ・クレイヴン 漆原 麗





初出はR-1433(98.11/¥672/156p)。司書資格を持ち読書好きで高校生の時でも初心だったフィービ・グラント。親友だと思っていたティファニーに騙され,パーティガールの格好をさせられ,アルコール入りパンチを飲まされて朦朧として屋敷の主のベッドで寝てしまいます。ドミニク・アシュトンがその姿を見て,自分の妻と義弟の不名誉な姿と「プレゼントの替わり」というメッセージがあったためすっかり勘違いし,家から追い出してしまうのでした。その一夜のことは,フィービはずっと秘密にしていたのです。臨時雇いのウエイトレスをしているカフェに毎日一人でやってくる小さな女の子が気に掛かり始めたフィービはいつも来るナニーが迎えに来ないことから少女を家まで送り届け,親に一言言ってやろうと考えたのですが,その子が向かったのは忘れもしない秘密にしていたパーティが開かれた屋敷でした。やがて少女がドミニクの娘(少女は母親の苗字を名告っていたのです)であることを知りますが,ドミニクはフィービに気付いた様子はありませんでした。少女のナニーがあまりその役割を果たしていないことと事故で怪我をしたことから,そして臨時雇いしていた店に正規職員が戻ってきたこと,さらに住んでいたアパートが火災で取り壊されることになってしまったこと,と不幸が続き,それを知ったドミニクは娘タラのナニーとしてフィービを雇おうとするのでした。タラがかわいそうだと思いつつも,ドミニクの家で暮らすことは極力避けたいことでしたし,新年までの数ヶ月という条件付きの話しに,何度もナニーを変えるのはタラのためにならないと理由を挙げては見たものの,住む場所も仕事もなくしてしまったフィービは不承不承ながらその提案を受け入れざるを得なくなります。しかもタラはすっかりフィービに懐いてしまうのでした。いつ秘密がバレてドミニクがあの夜のことを思い出すか戦々恐々としながらも,当時とは全く異なり娘のことを真剣に取り組もうとしているドミニクに次第に惹かれ始めるフィービ。そしてドミニクもまた初めてフィービを見たときから惹かれ始めていたのでした。二人の関係を邪魔する人たちとしてあの夜の企てをした張本人でドミニクの義弟のトニーやドミニクの隣人で離婚したドミニクを狙っているヘーゼル・シンクレア,そして極めつけは別れた妻のサリーナ・ベインが屋敷にやってくるに及んでは,二人の関係はすっかり冷え切ってしまったかのように思われますが,作者は見事な解決策を示してハッピーエンドを引き出します。クリスマスを巡る騒動も細かに描かれ,ちょっとおしゃれな作品に仕上がっています。


タグ:ロマンス
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