SSブログ

冬の白いバラ [アン・メイザー]

SHALOCKMEMO1121
冬の白いバラ White Rose of Winter 1973」
アン・メイザー 長沢由美





全くわかり合うことができない嫁と姑,韓流ドラマのような展開の作品です。全く,本作のねじれた人間関係はなんということでしょう。6年前に愛し合いながらちょっとした言葉の応酬で別れてしまったロバート・ペンバートンとジュディ。仕事の関係でどうしても結婚式の前の週にベネズエラに旅立たなければならなくなったロバート。それを許すことができなかった19歳のジュディ。まだこの時ジュディはロバートの行動を理解することもできず,ロバートもまた十分にジュディを納得させることができずに立腹したまま旅立ってしまいます。そしてジュディの孤独を慰めたのはロバートの兄のマイケルでした。マイケルもまた不治の病を持ちながらもそれを告げないままジュディと結婚しマレーシアでの軍務につきます。急な結婚の理由にはジュディがロバートの子を妊娠したことが分かったからでした。初めはロバートにそのことを知らせようと手紙で帰国を促したジュディですが,ロバートからの返信はありません。そしてマイケルと相談してロバートには打ち明けないようにしようということになったのでした。愛らしいエマが誕生し,マイケルの死後,ジュディはエマと幸せに暮らしています。そんな二人の元にロバートがマイケルの遺言で自分が後見人になったと言ってきます。再びジュディに大きな影響力を持って現れた姑のルーシー。ロバートはその時パメラという幼なじみと婚約中でした。そしてロバートのロンドンのフラットにジュディとエマは連れて行かれます。そこには義母のルーシーが万全の体制で待ち構えていました。やがてエマの家庭教師と称してサンドラという若い女性がやってきます。サンドラはロバートの婚約者パメラの親友。そしてさらにパメラの実父のフランシスが妻がありながらジュディに言い寄るという複雑な人間関係になっていくのです。誰かに優しくされるとすぐその気になってしまい,何か不足の事態が起こるとすぐ動転してしまうジュディには,かなり問題があるように思いますが,特に何か目立って美点のあるようには思えないジュディをロバートもマイケルもフランシスも好意を持ってしまうのは何故かという点には作者は触れていません。エマがロバートの子供であることはエマが木から落ちて頭に怪我をし,輸血の必要ができたことから明らかになっていくのですが,その時もただ成り行きに任せてしまうジュディのふがいなさに読者としてはちょっと首をかしげてしまいます。まぁそれが普通の女性の反応だと言ってしまえばそれまでですがヒロインとしては,「うーんどうかなぁ」という行動ばかり目立ってしまいますね。ラストも何故か中途半端で,あまり記憶に残らない作品ではないかと思います。そしてタイトルにもなっている「白いバラ」の意味がよく分かりませんでした。


タグ:ロマンス
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。