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赤毛のアデレイド [ベティ・ニールズ]

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赤毛のアデレイド Sister Peters in Amsterdam 1969」
ベティ・ニールズ 小林節子





 ベティ・ニールズのデビュー作です。原題の「Sister」は女性看護師の意味。交換看護師としてオランダにやってきたアデレイド・ピーターズ看護師は,オランダ語を学びながら小児科看護師としてファン・エッセン教授やベイクマン医師などと1年間勤務することになります。イギリスの病院で教授はアデレイドの勤務ぶりを看護師長から聞き,文句なく推薦できると太鼓判を押されます。実際オランでの病院での勤務でもいくつかのやっかいな患者や泣き叫ぶ子供患者たちをあっという間になだめたり,外来に訪れる患者の様子を見て医師がすぐに治療できるように用具の準備を前もってしたり,休憩が欲しいとき医師たちにコーヒーはいかがですかと声を掛けたりと,まるで魔法使いのような働きぶりです。冬のクリスマスや新年の過ごし方のイギリスとオランダの違い,スケート遊びに興じるオランダ人たちの様子,イギリスの実家に夏の休暇で教授と一緒にドライブしたときの途中の景観などの楽しいエピソードや,交通事故の時救急車が来るまで閉じ込められた女の子を励まし続けたりする看護師としての仕事の上での活躍など盛りだくさんなエピソードを巧みに織り交ぜて教授を次第に愛するようになるアデレイドの心の変化を詳細に描いた傑作です。恋敵の令嬢マルフリートの俗物さもアデレードの純真さを浮き立たせるための見事な描き方をされています。デビュー作としてかなり時間をかけて練り上げられた作品なのだろうと思います。最後のどんでん返しが読者にヤッターと叫ばせるドラマチックな終結です。イチオシの作品。


タグ:イマージュ
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