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放蕩王子と修道女 [メイシー・イエーツ]

SHALOCKMEMO1144
放蕩王子と修道女 Pretender to the Throne
(ロイヤル・アフェア 3) 2014」
メイシー・イエーツ 東 みなみ





 シリーズ最終巻です。第1巻のヒロイン,プリンセス・エヴァも,第2巻のヒロイン,ジェシカも素晴らしかったのですが,本作のヒロイン,レイナ・ゼナコスこそ,ヒロインという名にふさわしい勇気と不屈の精神を併せ持ったすばらしいヒロインでした。15年前に婚約者であったザンダーが出奔してしまい,その後,政治的理由による騒動で薬品によるひどい火傷を負って顔の半分に傷跡が残ってしまったレイナ。21回にわたる皮膚移植手術をうけたもののかつての美貌を取り戻すことはできませんでした。そんなレイナが心の居場所に選んだのは修道院でした。見習い修道女として10年間を過ごしましたが,院長からは,まだ心に迷いがあり修道女になることはできないといわれていたのです。そんな修道院にザンダーがレイナを迎えに来ます。出奔後プレイボーイとして様々なスキャンダルの中心になっていたザンダーですが弟から父危篤の知らせを受けて,キョーノスに帰ってきたのです。そして王位継承者として国の統治にかかわることにしたのでした。これまで妻を失ったあとの父王がすっかり手を抜いてしまい,荒れ果ててしまった国土を弟スタヴロスがたゆまぬ努力で国民の王室への信頼を取り戻しつつ国の立て直しを図ってきました。政治からも国からもすっかり遠ざかり,王家の長男としての義務と責任から逃げてばかりいたザンダーもついに父王の様態の悪化とジェシカとスタヴロスが王位継承権を断ったことにより,国に戻らざるを得なくなったのです。そして子孫を残すためには,再度レイナとの結婚を完成させなくてはならないと考えたザンダーでした。しかし,初めは気づかなかったほどレイナの顔は変わってしまっていました。しかし,ザンダーはその傷跡の残る顔に不快感は抱きませんでした。それより輝く瞳やなめらかな蜂蜜色の髪の方が,そして内面から出てくるであろう大人としてのレイナの魅力に気付いたのでした。レイナもまたザンダーから王宮に一緒に来て欲しいという頼みを断れませんでした。心の奥に深い闇を抱えているザンダーに気付いたからでした。ザンダーは母の死を自分の責任と感じ,さらにその理由が自分は王の実の息子でないことを母から聞いたためだということを打ち明けられます。その秘密を父に明かすというザンダーの言葉に,レイナは再びザンダーが気付くのを恐れ止めようとするのですが・・・。そして父王の下にザンダーが向かったとき,レイナの元にマスコミの記者から心ない言葉を投げかけられ,再び自分がいてはザンダーが国を去ってしまうのではという想いから修道院に逃げ帰ってしまうのでした。
 結局二人は互いの愛に気付いて互いに支え合うことにするのですが,エピローグはなんと15年後のキョーノスが描かれ,大団円を迎えます。


タグ:ロマンス
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