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未熟な花嫁 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO1145
未熟な花嫁 The Billionaire's Bridal Bargain 2015」
リン・グレアム 茅野久枝





 ポッと出の田舎娘が億万長者に金銭的援助付の契約結婚を申し込まれ,父や妹の窮状から止むに止まれず承諾したものの,結局は相手を愛してしまうと言うお話しです。お金のためではないと言いつつ,やはりお金の誘惑には負けてしまうという側面もあるのですが,磨けば光る要素をたくさん持っていた女性が,上流階級で本来の美しさを発揮し,それを鼻にかけないで満たされることを知る女性に成長することで,愛が長続きするということも物語っています。
 母の遺言でエーゲ海のリオノス島の所有者でありながら貧しい生活を強いられていたエリザベッタ・ホイッティカー,通称リジーは,かつて島の本来の所有者であったサバティーノ家の当主で製薬会社を経営するチェーザレ(イタリア語の苦手なリジーはシーザーと読んで笑われるのですが・・・)に,取り引き結婚を申し込まれます。つまりチェーザレが本来の島の所有権を得るためにはリジーか妹のクリシーと結婚するしか方法がないからでした。リジーは次々に男性と浮き名を流し落ち着いて家にいたことのない母を疎ましく思っていましたが,まさかその母の遺産が自分たちの経済的窮状を救ってくれるとは思いませんでした。経営破綻に貧している農場の牧草地にヘリコプターで降り立ったチェーザレは,長身でハンサム,イタリア人紳士らしい男らしさにあふれた男性で,これまでにリジーが会ったことのないタイプでした。しかし羊の放牧地にヘリで降り立つという非常識な行動のおかげで羊たちが逃げ惑い,それをまとめようとした牧羊犬のアーチーが羊の群れに押しつぶされ脚を骨折するという不運に見舞われるや,リジーはチェーザレに腹を立て真っ向から怒りをぶつけたのでした。女性からこんなに激しく非難を受けたことのないチェーザレは驚くとともに,相手の生き生きした瞳やふとしたときに魅せる隠された美しさに惹かれてしまうのでした。その後,契約結婚の申し出をして返事をもらうことにするのですが,リジーの父は投げやりな言葉を返すばかり,そして大学から帰省した妹クリシーは大学をやめて働くと言い出すなど,リジーがこの話に乗らざるを得ない状況が立て続けに起こります。そしてチェーザレに承諾の返事をしたその日のうちにヘリコプターで家を離れ,あれよあれよと言うままにチェーザレが全ての段取りを付けて二人の婚約が発表されてしまいます。リジーにはかつて幼なじみで隣人のアンドリューと婚約した経緯がありました。しかしアンドリューは婚約中に別の女性を妊娠させてしまい,破談になってしまいます。またチェーザレは初恋の相手セラフィナが自分を捨てて50歳も年の離れた富豪男性と結婚してしまったという経験を持っていました。互いに相手の過去の相手のことを聞かれると機嫌が悪くなってしまうのですが,本物の結婚らしく家族に魅せるためには過去のことも打ち明け合う必要があり,喧嘩しながらも少しずつ相手のことを知ろうとします。そして将来の子孫を残すためには・・・。リジーにとってはそのことが一番苦手なことでした。経験のない彼女はパーティで酔った勢いでチェーザレに身を任せます。そして彼女の初めてを知ったチェーザレはリジーが自分にとって欠かせない存在であることに気づいていくのでした。その後,チェーザレのかつての恋人セラフィナの意地悪などがありますが,リオノス島の屋敷の改修も終わり,祖母をつれて島に渡った三人にはさらに家族が増えていくのでした。ハッピーエンドに終わる物語で特に大きな盛り上がりもない,リジーとチェーザレの成長譚という次第です。


タグ:ロマンス
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