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赤い薔薇とキス [ベティ・ニールズ]

SHALOCKMEMO1153
赤い薔薇とキス A Match for Sister Maggy 1969」
ベティ・ニールズ 朝戸まり





 「オランダの大女(Amazon)看護師」という連作ものの一つで,[strong heroine]と書評を書いている人もいるベティ・ニールズ傑作作品です。ハイランド出身の主任看護師マギー・マクファーガスの勤めるセント・エセルバーガ病院に老婦人が入院してきます。ヘンリエッタ・ファン・ベイエン・ドゥールスマという心臓を病んだ上品な婦人でした。そしてその息子でオランダのフリースラント出身の専門医パウル・ファン・ベイエン・ドゥールスマという,数代前から医師の家系につらなる富豪貴族の依頼で,病院の上級専門医サー・チャールズの手術を受けたのでした。手術は無事終わり予後の療養のためにマギーが病院の特別の配慮で,ヘンリエッタの付添看護師としてオランダに赴くことになったのです。看護師ばかりでなく老齢の入院患者たちからも目を向けられるほどのハンサムなパウルと一緒にヘンリエッタに付き添えることになったマギーは,病院内でもピカイチの看護師としててきぱきと仕事をこなせる女性でしたが,身長180センチの長身に見合う男性はなかなかおらず,自分も決して美しいとは思っていませんでした。しかしパウルは2メートルの長身で,マギーと並んでも身長を気にしなくても済む数少ない男性だったのです。時折仕事ぶりを褒められ,しかもハンサムな医師から是非にと請われ,断り切れなくなったマギーは同時に女性としてパウルから認められたいという思いをもったのでした。ロンドンからオランダへの飛行機の旅,そしてオランダ国内でも独特の言葉と文化を持つフリースラント州内の土地柄,さらには首都アムステルダムへの休暇での旅など,多くの名所や地名がマギーの訪れる先として紹介されます。ファン・ベイエン・ドゥールスマ家のオランダ国内のいくつかの家での親戚や雇い人たちとの交流,そしてかつて病院の入院患者だったマダム・リヴォーとの偶然のオランダでの出会い,さらにはパウルが何度も足を運ぶ美しく小柄な女性医師の住むユトレヒトへの謎の行動など,いくつかの挿話を重ねながら,期待と失望を何度も繰り返すマギーの心の葛藤を中心のエピソードとして物語は進行していきます。年齢差12歳と,ハイランダーとフリースランダーという異なった文化と歴史を持つ男女のマッチングを,作者がどう果たしていくかが克明に描かれた秀作です。最期の大どんでん返しがドラマチックに,二人がその後どうなったのか,あと50頁は語れそうな余韻を残し感動を呼びます。


タグ:イマージュ
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