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レディは恋泥棒 [ジャクリーン・バード]

SHALOCKMEMO1194
レディは恋泥棒 Master of Passion 1993」
ジャクリーン・バード 駒月雅子




HQB-130
08.01/¥590/198p

R-1625
00.11/¥672/156p


 原題は「情熱の主」
 ヒロイン:パリサ・ハードコート・ベルモント(24歳)/私立学校の体育教師/長いブロンドの髪,サファイア色の瞳
 ヒーロー:ルカ・ディマッジ(37歳)/実業家/黒い髪と黒い瞳
 またまたジャクリーン・バード作品を手にしてしまいました。ストーリー展開の速さ,登場人物の心情の明確さ,そして脇役たちの暖かい活躍などハッピーな気分にさせてくれる作品の多いジャクリーン・バードです。本作も例外ではありませんでした。富豪のルカのフラットの3階にある浴室から忍び込んだパリサ。黒づくめの服装で小さな窓から入り込める運動神経の良さ。これはかつてボート競技のオリンピックの候補選手で現在体育教師を勤める日頃の鍛錬のたまものでしょう。だからといってやせっぽちではなくきちんと女性らしい体形の彼女。あいにくルカに見つかってしまいますが,そのときフラットを訪れたキャバレー歌手マーゴット・マイとルカが話している間に逃げだしています。しかし目的だった親友モイラに頼まれたまずい写真は手に入れられませんでした。良いところの令嬢パリス。マナーハウスを両親から受け継いでいますが,維持費が大変です。両親が亡くなってからすっかり世話をしてくれている家政婦のディディと夫のジョーの給料を払うのさえ,単なる体育教師の給料ではやっとです。屋根の修理やすり切れた床の絨毯の張り替えも含め修繕費用が莫大です。そこにつけ込んで借りの婚約をしてくれないかと脅迫するルカ。病身の母を安心させるための手段だったのですが,それは良いわけに過ぎず実は結婚などはまっぴらだと思っていたルカもパリスにすっかり弾かれる気持ちを抱いたのです。傲慢なルカの提案に渋渋ながら承諾したパリスですが,パリスもまたルカの男性的魅力に引き込まれていくのでした。パリスの後先を考えずに行動してしまったりいってはいけないことを口にしてしまうことはどうも先祖から受け継いだ血のせいのようです。それでもその習性を自分に戒めつつそれでも突飛な行動に走ってしまうパリスの性格には,思わず笑みがこぼれてしまいます。このようにかわいいところをもったパリスをルカがちょっと普通と違うけれども一緒に過ごしてみたいと思う女性ナンバーワンに感じたのもうなずけますね。とりあえずイタリアで週末の二日間母に会って,婚約の報告をして欲しいと頼まれたパリスですが,モイラのまずい写真はその後手渡されることになっています。ところが,母が入院のためにロンドンにやってきます。手術のまえに結婚式を挙げよう。それがルカの次の提案でした。つぎつぎに深みにはまってしまうパリス。もうパリスにはルカのいうことを断り切れないほどルカを愛してしまっていたのです。そしてハードコートの屋敷を訪れたルカをディディはすっかりパリスのお気に入りだと思い,なにかと結婚の準備を進めてしまうのでした。結婚までしてしまった二人ですが,ルカの母の手術も成功し結局パリスは地元に帰ってきてしまいます。大学時代の先輩でルカの知り合いのティナや,かつてルカと付き合っていたマーゴットから二人の結婚は長続きするはずがないと嫌みを言われ,パリスもぷちんと切れたのでした。でもルカを愛する気持ちになんとか整理を付けようとしますが「わたしは悪い男を愛してしまった。それが事実よ。わたしは先祖の誰よりも無鉄砲だわ。父も母も無茶な冒険はしても,まっとうな人間だったのに。」と反省しきりのパリス。そんなパリスの元を訪れたルカの次の手は・・・。
 とにかく楽しく読める作品です。パリスの無鉄砲な性格と,ちょっと傲慢ですが親思いで女性に対しても一途な気持ちをもつルカの性格を互いに理解し合ったとき,きっと二人はベストカップルとなるのでしょう。そんな予感を抱きながら終末まで一気読みできる作品です。


タグ:ロマンス
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