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5週間の仮面夫婦 [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO1197
5週間の仮面夫婦 Hard to Get 1984」
キャロル・モーティマー 相原ひろみ





 原題は「得がたい」
ヒロイン:ララ・ショフィールド(21歳)/富豪の令嬢/つややかな黒髪,長いまつげ,明るいグレーの瞳,少し低めの鼻,170センチの身長/5年前に継母(マリオン・ソーンダース)を亡くし父との二人暮らし
 ヒーロー:ジョーダン・シンクレア(30歳)/実業家/ブロンドともシルバーともつかない微妙な色合いの髪,ブロンズ色の肌,深い青(藍色)の瞳,高くとおった鼻筋,引き締まった口元,意志の強そうな顎,180センチを超える長身
 事業を営む父の一人娘として何不自由なく暮らしているまもなく21歳のララは,あるパーティでジョーダンと出会います。いつも男性からちやほやされてきたララを相手にもしないジョーダンをなんとか振り向かせようと,ゴルフクラブで出会ったという父について行きジョーダンに注目してもらおうとしますが,なぜか自分に対する態度は冷たいのでした。その後,ララが行く劇場やパーティの至る所にジョーダンの姿がありますが,傍らにはいつも別の女性たちが侍っているのです。ジョーダンは14歳の時シンクレア家の養子となりそれ以前の幼少時代については謎に包まれていました。父の経営するショフィールド・ホテルの21パーセントの株式は21歳の成人と共にララに渡る財産となる予定です。勿論大株主としてホテルの経営にかかわることも可能ですが,父はララに幸せな結婚をして欲しいと願うばかりで,ララも経営にかかわるつもりはありませんでした。なんとか一夜だけジョーダンの気を惹き,深い関係になることに成功し,その後,ジョーダンからプロポーズも受けるのですが・・・。
 ジョーダンには秘密がありました。実はララの継母だったマリオンはジョーダンの実母だったのです。自分と父親を捨てた母,その片棒を担いだララの父に復讐するため,ジョーダンはララを復讐の駒として利用しようとしたのでした。ララはジョーダンの誕生日プレゼントにとホテルの株式を全部ジョーダン名義にしてしまいます。一度は辞退したジョーダンでしたが,これがララの父に復讐するための格好の道具になると考え,受け取ったのでした。二人の結婚生活は,悲惨でした。結婚式当日も含め,ハネムーン中もララに触れようともしないジョーダン。ジョーダンを恋い焦がれるララにとっては地獄の責め苦でした。しかもロンドンに戻ってからは出張と称して帰宅しない日もあり,帰宅してもさっさと書斎に入り,言葉を交わそうともしないのです。しかしそのことを自分の幸せを願っている父には話せませんでした。そして,もうこれ以上続けていけないと思った夜,ララはジョーダンの書斎に乗り込み,そこでジョーダンの秘密を明かされるのでした。しかもその時すでにホテルの株式をもっていたジョーダンはララの父の経営に強硬に反対する姿勢を明確にしていたのです。
 離婚を決意したララは,父親にジョーダンの秘密を打ち明けざるを得なくなります。そして,継母の取った行動が理由のあるものだということを父から聞くのですが,それをジョーダンが信じるだろうか,とララは悩むのでした。さて,二人の関係はどうなるのでしょうか・・・。
 お金持ちの一人娘として愛情を込めて育てられたララが,ジョーダンとの交際で真の愛を知り,その愛でジョーダンの復讐の気持ちを癒やしていけるのか,これが本作のテーマです。二人の間のなかなか激しい応酬が,とても興味深く,深い愛とは何かを読者に示してくれる傑作です。そしてゴージャスなララが成長していく姿もさわやかです。さすがキャロル・モーティマーと呻らせる作品。イチオシです。


タグ:ロマンス
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