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愛は深く静かに [ベティ・ニールズ]

SHALOCKMEMO1223
愛は深く静かに The Quiet Professor
(ベティ・ニールズ選集 8) 1992」
ベティ・ニールズ 泉由梨子




I-2416
16.04/¥710/156p

R-1051
93.12/¥640/156p


 原題は「静かなる教授」
 ヒロイン:メガン(メグ)・ロドナー(28歳)/外科病棟看護師長/
 ヒーロー:ヤケ・ファン・ベルフェルト(40歳)/病理学教授,男爵,オランダ人/長身,立派な鼻,しっかりした口もと,ハンサム
 ジョン・フォード監督ジョン・ウエイン主演のアカデミー賞受賞映画に「静かなる男(The Quiet Man)」というのを思い出します。本作の原題は1952年作のハリウッド映画のタイトルを意識したものだと思われますが,さすれば,ヒロイン,メグはモーリーン・オハラを思い浮かべれば良いのでしょう。それほどの大柄で赤毛の美女というわけです。

 さて,本作は,三月末のまだ寒さが残るロンドンの病院,リージェント病院のクイーンズ病棟の看護師長の一人を務めるメガン・ロドナーと,病理学教授でオランダとイギリスの両方の病院で活躍するオランダ人で男爵位をもつ医師,ヤケ・ファン・ベルフェルトが主人公です。メグはすでに病院のインターン医師オスカー・フィールディングと婚約しており,あとは結婚式の日取りを決めるばかりとなっていますが,オスカーを実家に伴ったとき,メグの妹メラニーとオスカーが互いに一目ぼれし,しかもオスカーの母のミセス・フィールディングは,職を持つ女性であるメグがお気に召さない様子,ついには,自分はオスカーを愛しているわけではないことにメグが気付く,という設定です。メグがこの自分の気持ちを受け入れるには若干の時間と相当量の涙が必要だったのですが,それと同時期に他の看護師や医師たちからは恐れられている医師のヤケ・ファン・ベルフェルト教授に自分が惹かれていることに気付いたからでもありました。メグとは対照的に恥ずかしがり屋でおとなしい娘のメラニーに,オスカーは理想の女性像を見,メグには結婚後もロンドンの病院でキャリアを積みたいと行っていたのもかかわらず,メラニーから言われると田舎の診療所でも一緒に暮らせるならそれでいいと言うようになったのでした。それほど互いに愛し合っているのなら,自分は潔く身を引いて二人を祝福しようと決意する独り言を飼い猫に聞かせる当たりが,読者の涙を誘います。互いに気まずい思いで同じ病院で働くのなら,と教授からオランダの小村の孤児院で働き口があると勧められたとき,一言もオランダ語を話せないことに迷いながらも,ひょっとして教授と自分が同じ場でさらに深く知り合うことが出来るかもしれないという期待を抱いたことも事実でした。教授は「待つことが出来る男」でした。メグが婚約解消の痛手から立ち直り,自分に愛情を持っていることを認めるようになるまで,ロンドンを離れることで,気持ちの整理を付けるまで待とう。そう考えての用意周到な機会を提供したのでした。休日には自分の祖母の元に連れて行き,密かに家族にもメグの存在を認めさせようというあたり,知恵者で,さすが静かに行動する男だという感じを持たせます。それまでロンドンでは自分の屋敷に連れて行って食事を提供したり,メグが実家に帰るときに車(ロールス・ロイス)で送るついでにメグの家族と知り合って自分を印象づけたりと,なにかと計画的にしかもメグが気付かないうちに家族を巻き込んでいってしまうなど,年長者の智慧をしっかり発揮してのメグのオランダ行きだったのでした。そしていよいよオランダでの仕事が終わったとき,一緒にイギリスに渡るということで車で迎えに行き,そのまま自分の家に向かう強引さも,なんだかすがすがしく,一回り違いの年齢差を感じさせ,自立心の強いメグをすっかり自分を頼らせるように仕向けていくあたり,さすが大人の対応だと思わせるかっこよさを感じさせます。ベティ・ニールズの作品らしい,「Nice Heroine」だけでなく「Nice Hero」の作品です。


タグ:イマージュ
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