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失われた愛の記憶 [ケイト・ウォーカー]

SHALOCKMEMO1231
失われた愛の記憶 Shattered Mirror 1993」
ケイト・ウォーカー 鏑木ゆみ




HQSP-069
14.08/¥540/201p

R-1191
95.08/¥652/156p


 原題は「閉じた鏡」
 ヒロイン:イヴ・モンタギュー(本名・ジェネビーブ・ブキャナン)(26歳)/図書館の助手,記憶喪失/ブロンドの髪,卵形の顔,濃いブルーの瞳,僅かに反り返った鼻,柔らかくふっくらとした唇,美しい曲線を描く体,身長168センチ,誕生日5月10日/
 ヒーロー:カイル・ジェンセン(35歳)/出版社のオーナー/力強い手首,幅の広い手のひら,爪の形の整った長い指,深い褐色の瞳/
 記憶喪失ものを3作品続けて読んでいました。3作品読了後に一気にアップしようと思い,数日かかってしまいました。
 まず,本作です。これはヒロインが記憶喪失になったという設定です。美女イブ・モンタギュー。イヴがジェネビーブの愛称であり,モンタギューは住んでいた館の名前で,記憶喪失後無意識のうちにこの名前を名告っていたことが後から分かります。記憶喪失後2年間で,図書館の司書助手として僅かなアルバイト代を稼ぐだけでしたが,親友となった看護師夫婦の家に住まわせてもらい,心の赴くままに書いた小説を,出版社に送ったのでした。そしてゴミ箱に捨てられようとしていた原稿が偶然,出版社オーナーの目にとまり,その内容が,失踪した妻でしか知らなかったことが書かれていたことに気付いたヒーローのカイル・ジェンセンが,イブの住まいを訪れ,二人のプライベートなことを小説に書いたことを責め立てたとき,精神科医でイヴの姉のように思っていたダイアンとその夫のジムのベネット夫妻から,イヴの記憶喪失のことを聞かされ,記憶の復活のために手を尽くすというストーリーです。何故イヴがカイルの元を去ったのか,そしてどんな経緯で記憶喪失になったのかを中心にストーリーが展開していきますが,イヴの記憶喪失そのものを芝居ではないかと疑うカイルの心理と,カイルをふたたび愛し始めたイヴがカイルとの間に何か秘密があるのではと疑心に囚われ,それがきっと記憶喪失の要因になっているはずだと気付き始めて行くストーリーが,妻側と夫側からの二人の心理描写を複線化させることで膨らみをもたせています。イヴの誕生日5月10日という日が運命の日で,そのタイムリミットを設けることでさらに物語に緊張感をもたせています。記憶喪失ものはサスペンス的要素をふんだんにもたせられるのですが,何をその要因にするかに作家としては心を砕くのでしょう。そんな様々な要素が見事に絡み合った秀作です。「記憶喪失とはまるでゆがんだ鏡を見ているようだと思っていた。鏡の中には彼女の姿だけが映っていて,それ以外には何もみえない。その鏡が粉々に割れた今,始めて分かった。他の全ての鏡と同様に,実際には逆さの映像を彼女は見ていたのだ」という表現が見事です。
 またあまり物語の舞台にならないイギリス東部のノーリッジとその近郊も登場し,興味深い要素となっています。


タグ:ロマンス
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