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はねつけられた愛 [サラ・モーガン]

SHALOCKMEMO1254
はねつけられた愛 Rescuing Dr. MacAllister 2003」
サラ・モーガン 森 香夏子





 原題は「ドクター・マカリスターを救助」
 ヒロイン:エリー・ハリソン(23歳)/救急救命室の看護師/緑の瞳,長い脚,大きい胸,黒い髪/
 ヒーロー:ベン・マカリスター(30歳代)/救急専門医,高山病研究者/痩せて引き締まった顔,太くて黒い眉,きりりとした口元/
 とにかくとんでもなく明るく無垢で人を信じて疑わない性格のヒロインの登場です。ヒーローがベン,ヒロインがエリーととてもシンプルな名前,そしてそれが愛称でもないのでストレートに登場人物の性格が表れてきます。救急救命室の看護師エリー・ハリソンは登山家として名高いフィル・ハリソンの娘で,エベレストで亡くなっています。その時エリーもベースキャンプにいたのでした。「一番大切なのは自分の限界を知ること,と同時に精一杯人生を生きろ」という父の言葉どおり,毎日を懸命に生きています。そして18歳までその義弟のジャック・モーガンに育てられ,その娘つまり従姉妹のリンゼイとは大の仲良し。ジャックも山岳救助隊のリーダーとして活躍しています。エリー自身もSARDA(山岳救助犬協会)のメンバーでアレックスという救助犬の世話をしています。一端ことあれば,アレックスを駆って救助に駆けつけるエリー。そんな彼女ですので,どんなことにも前向きで,クヨクヨせず,しかも止めどないおしゃべりで人をリラックスさせ,高慢なところがありません。しかも自分が美人だと鼻にかけることをしないので誰からも好かれてしまうのです。嵐の中従姉妹のリンゼイの出産を手助けするためにロッジに向かったエリーは氾濫した川を渡ったところで車が故障してしまい,歩き出そうとしたところにベンに出会います。そして救命医ベンの手助けでリンゼイの出産を無事成し遂げたのです。そのまま病院へとリンゼイに付き添ったベンとエリー。二人の出会いはまさに運命的でした。その後,同じ救命室で働くことになったベンとエリーですが,エリーはベンの整った顔立ちと男らしさにすっかり参ってしまいますが,女性なら誰でも好きにならざるを得ないハンサムなベンに,自分が好かれるとは思ってもいません。この謙虚さというか天然なところがエリーの最大の魅力なのですが・・・。そしてエリーは蘇生室に行く度にベンが何か別人のようになることを気付きます。きっと深い理由があるはずだとエリーは思いベンに訪ねるのですが,ベンはその度にその質問を無視するのでした。上級専門医で救急室のリーダー,ショーンは何か知っている様子ですが,本人に聞けと取り合ってくれません。ベンを愛し始めたエリーは,リンゼイにも勧められ,隣家に越してきたベンにもうアタックをかけます。そして身内のパーティの席上でベンを愛していると大きな声で言ってしまったのでした。気まづくなると思っていたエリーですが,翌日もベンは相変わらずの態度です。しかし子供の患者が来た時は緊張の色を隠せない様子。人に話せない過去の深い傷があるのではと「私には何でも話してみて」としつこく食い下がるエリーに,ついにベンは妻と娘を失った過去を話すのでした。その責任が自分にあるという罪悪感で2年間パキスタンで医療奉仕に携わっていたベン。しかし罪悪感は相変わらずベンを苦しめているのでした。その様子をたまらない様子で見つめるエリー。どうしてそんなに自分を気にかけるんだと半ばきつい口調で言うベンに対してあっけらかんと「だってあなたを愛しているから」とサラッと言い放つエリーに邪気がないことはベンも理解し始めたようです。ベンもまた美人で看護師としても有能,さらに人を信じすぎ世話を焼きたがるエリーを守ってやりたいと思うようになります。同僚医師から誘惑されそうになったエリーを助けたり,行方不明の登山者を協力して発見したりしたことをとおしてベンの気持ちはエリーに傾いていくのでした。しかし罪悪感を抱き続けるベンはエリーを幸せには出来ないと思い込んでいます。そんな時,病院に銃を持った男が侵入し,エリーを人質にとって蘇生室に閉じこもる事件が起こるのでした。この事件の意外な解決方法が本作の最大の読みどころです。ハンサムで深い悩みを抱えたベン,飾らない美女エリー,二人の間の恋のゆくえは・・・。
 ナイスヒロインというよりピカイチ・ヒロインの一気読み間違いなしのイチオシ・ロマンスです。


タグ:イマージュ
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