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砂の炎 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO1259
砂の炎 Traded to the Desert Sheikh
( Scandalous Sheikh Brides 2 ) 2015」
ケイトリン・クルーズ 山本礼緒





 原題は「砂漠のシークとの取り引き」
 ヒロイン:アマヤ・アル・バクリ(23歳)/バクリ国王女/完璧な卵形の顔,みずみずしい唇,豊かな黒髪,濃いチョコレート色の瞳/
 ヒーロー:カヴィアン・イブン・ゼイド・アル・タラース(?歳)/ダール・タラース国シーク/ブルーグレーの目,豊かな黒髪,整った鼻筋と顎骨,彫刻のような顔立ち/
 「砂の檻(SHALOCKMEMO1240)」の姉妹編。前作ヒーロー,リハドの妹アマヤがヒロインです。「アマヤはこれまでずっと誰かの言いなりになって生きてきたようなもので,だからこそ,この場所に行き着くはめになったのだ。アマヤは昔から,騒動を引き起こすくらいなら,自分の意志を曲げた方が楽だと思っていた。」という生き方をしてきたアマヤですが婚約パーティの直後出奔し,半年間婚約者から逃げ続けていたのでした。「あなたは人形じゃないのよ。父の葬儀が終わって間もないころ,母のエリザヴェータがアマヤに言った。」「そんなふうに誰かの言いなりになってばかりでどうするの?そのうち壊れてしまうわよ。」と母に言われたアマヤですが,言いなりになる方がはるかに簡単だったからです。そして「意志を曲げ続けて,もうこれ以上は曲げられないところまで来た時,逃げだした」のです。カナダでシーク・カヴィアンに見つけられ,ダール・タラースに連れ戻されたアマヤ。カヴィアと結婚するということは,ダール・タラースという砂漠の国で王妃となることを意味しています。幼少の頃,家族を先王によって皆殺しにされ,父の王位を奪われたカヴィアは,使用人だったひとりの女性に救われ,砂漠の村で成長し,遂に先王とその取り巻きを滅ぼし,王位に就いたところでした。凄惨な政治の世界に生きるカヴィア。そして軍事的にもアマヤの兄が国王を務めるバクリとの協力が大きな意味を占めるのです。政略結婚を承諾するか愛のある結婚相手が見つかるまで世界を放浪するか。両親の不和を知るアマヤにとっては結婚そのものが大きな問題だったのです。母は相変わらず多くの愛人を抱えていた夫を許せず,アマヤにもその考えを押しつけようとします。アマヤはカヴィルの抱える闇の部分を敢えて表に出させようとしたり,何かと自分に従わせようとするカヴィルに反抗的になったりするのですが,カヴィルにすべてを見透かされてしまいます。ところが二人の間には強力に引き合う力が存在しているようです。邦題の「砂の炎」は炎のように燃える二人の関係を示しているようです。これまでの生き方が父や兄,そして母からも支配されてきたアマヤは,なんとか自分の主体性を取り戻そうとするのですが・・・。
 初めは独断的なカヴィルが悪者に描かれているのですが,次第にアマヤの方がただの我が儘なお姫様に描かれていくところが本作の面白さです。そして結婚式の前夜,事前にダール・タラースにやってきていた母はアマヤをそそのかして国からの脱出を計画しているのでした。二度も同じ手は喰わないとカヴィルは,行きたいならヘリも用意するから堂々と行きなさいとアマヤに告げるのでした。さて二人の関係は・・・。最後は連作の締めくくりにふさわしい大団円になり,読者の大満足を得るのに成功しています。オススメの作品です。


タグ:ロマンス
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