SSブログ

博士の密やかな誘惑 [メラニー・ミルバーン]

SHALOCKMEMO1333
博士の密やかな誘惑 Ravensdale's Defiant Captive
( Ravensdale Scandal 1 ) 2015」
メラニー・ミルバーン 萩原ちさと





 原題は「レーヴェンズデールの反抗的な囚われ人」
 ヒロイン:ホリーアン(ホリー)・ペレス(25歳)/保護観察中の家政婦見習い/キャラメルブラウンの瞳,真紅の唇,鼻の頭のそばかす,高い頬骨,長くて濃いまつげ,茶色の豊かな髪/
 ヒーロー:ジュリアス・レーヴェンズデール(33歳)/ソフトウェア会社社長で天文物理学者/オリーブ色の肌,ダークブラウンの髪,意志の強そうな顎,整った鼻筋,官能的な唇,サファイアブルーの瞳/
 舞台はアルゼンチンです。しかし物語のほとんどが一軒の大邸宅の中で繰り広げられるため,ちょっと舞台劇を見ているような感じになっていますそういう意味では舞台はどこでも良かったように思います。最後の場面ではイギリスに舞台が移りますが,ほんのちょっとの短い部分で,しかもレストランというこれもまた室内ですので,ほとんど風景や野外の場面が登場しません。映画化,舞台化が可能な作品といってもいいでしょう。しかもやすあがりで・・・。さて,18歳のホリーアン(ホリー)は,刑務所か奉仕作業かという瀬戸際のところで,ヒーローのジュリアスの家政婦によってジュリアスの屋敷にやって来て家政婦見習いとして働くことになります。いやいやながらのこの仕事。どうせ幼少からセレブな生活をしてきたであろう老人だと思っていたホリーは,ジュリアスを見て驚きます。ハンサムな若い男性だったからです。彼が身元引受人?思い切り反抗的な態度を取るホリーの舌戦が実にめちゃくちゃで,まさにスケバン的な態度です。一々腹を立てては,ホリーを連れてきた家政婦の顔を潰してしまう。どうせ一ヶ月だけ我慢すれば良いし,途中で自分は一週間ほど出張で家を空けることになる,と高をくくっていたジュリアスですが,ホリーは反抗するか女性としての自分の魅力をひけらかして自分をベッドに誘おうとするかという両極端の態度をとり,その都度ジュリアスを翻弄していきます。ところがふとしたことで見せるホリーの何かに怯える恐怖の色合いや,手首から腕にかけて残された白い傷跡,そして反抗的な態度の裏に隠された料理上手,家事の手際よさなど彼女のもつ能力が決して偽物でないことに気付いていきます。そして出かけた出張先では,いつもホリーのことが頭から離れないジュリアスはついにホリーに恋し始めた自分を発見するのでした。一方ホリーもまた言ったことは必ず守り,厄介者の自分の言い分もしっかり聞き,信用してくれるジュリアスに心から惹かれ,同時に愛されたいと思うようになるのでした。ホリーの義父は犯罪界に首までどっぷりつかったヤバい人です。手首の傷も義父に反抗した結果腕を四個所も折られたときの傷跡でした。そのため男性を信用できなくなり,ましてや権威に対しての反抗心のみが自分を守る手段だったのです。そして何を言い訳しても決して信用されない自分。義父が敢えてそのように周囲の人たちを動かしていてもそれを止めることができない自分。いずれ幸せなときが過ぎればジュリアスにも飽きられ,また迷惑をかけてしまうことになる。そう考えたホリーは約束通り一カ月たったときジュリアス邸を去って行くのでした。さて,二人の愛はどのように近づいていくのでしょうか。
 まさにメラニー・ミルバーン版「マイ・フェア・レディ」です。MB版の表紙イメージのモデルの帽子にあのミュージカルのイライザの競馬場でのシーンが思い浮かびます。そして子供だと思っていたホリーのなんとも心の純真さに気付いて惹かれていくジュリアス。なるほどと思わせる結末が待っています。さらに,ジュリアスの双子の弟と妹,さらに本作で影が見える異母妹などシリーズが広がる可能性が示されています。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。