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愛のマナーを教えて [リアン・バンクス]

SHALOCKMEMO1345
愛のマナーを教えて Tall, Dark and Royal
( 愛と裏切りのコネリー家 1 ) 2002」
リアン・バンクス 速水えり





 原題は「長身,浅黒そして王室の」
 ヒロイン:エリン・ローレンス(22歳)/アルタリア王室礼儀作法講師兼御用係/アルタリア国外務大臣の娘/ブロンド,ブルーの目,形の良い脚と良いスタイル/
 ヒーロー:ダニエル・コネリー(34歳)/アルタリア国王位継承者/コネリー社マーケティング担当副社長/コネリー家長男/長身,グリーンの目,焦げ茶色の眉/
 「フィアンセに片想い(SHALOCKMEMO1342)」から読み始めてしまった「愛と裏切りのコネリー家」シリーズ。紙本とKINDLEで織り交ぜて全巻そろえました。やはり第1巻を読んでみないとシリーズの設定が分からないと思いKINDLEのない本作を紙本で購入してみると,なんと,コネリー家の家系図があるではありませんか。これさえあったら第8巻の理解もずいぶん違っていたでしょうに・・・。KINDLE版にも是非これを付けるべきです。
 さて,全12巻に及ぶ大シリーズの幕開けですので,ちょっと長くなるのですが,アルタリア国の王家の系統をなぞってみましょう。勿論家系図があれば一目瞭然ではあるのですが,この図を著作権の関係でそのままウェブには載せられませんので,文字化せざるを得ないのが残念ですが,アルタリアの先代国王トマス・ローズメアとルーシンダ王妃の間には長女エマ王女とマーク皇太子の2人の子供がありました。マーク皇太子はエマ王妃の実弟で,ソニア・アントン嬢との間にキャサリン王女がいます。しかし本作の時点でトマス国王とマーク皇太子が海難事故で亡くなっています。そのため王位はエマ王女が嫁いだグラント・コネリー家の長男ダニエル・コネリーのところに転げ込んでいくことになります。アルタリアの法律では男子のみが王位を継げるからです。さて,エマ王女の嫁ぎ先のコネリー家はシカゴでトバイアス・コネリーとリリー夫妻によって大企業化していました。トバイアス,リリー夫妻は存命中です。夫妻の子供グラントがエマ王女と結婚し,なんと五男三女の8人の子供たちがいます。グラントを長男に,次男レイフ,長女アレクサンドラ,三男ジャスティン,四男ブレット,五男ドルー,次女タラと三女マギー,さらにグラントの先妻ハンナ・バーネットとの間には双子のダグラス・バーネットとチャンス・バーネットの男子二人,さらに結婚に至らなかったアンジー・ドナヒューとの間に婚外子のセス・コネリーがいます。ダニエルの世代でいえばエマとの間の8人のこの他に3人の男子,そしてエマの弟である皇太子マークの娘のキャサリンと,合計12人の子供たちがいることになるのです。この12人が毎号のヒーロー,ヒロインを務めていくことになります。8人の子供を産み育てたことでも分かるように王女エマは母性にあふれ,しかも王女然とした気品と知性に満ちた女性です。本作プロローグでは,エマ王女が34歳になるグラントに国王になり,住み慣れたシカゴの地を離れ,仕事も捨て,本来であれば背負わなくてもいい王としての責任と国の運営とを背負っていかなければならなくなったことに配慮する言葉をかけているのですが,グラントはどうも今の仕事だけでは物足りなさを感じており,国王としての立場に挑戦したいという意欲に満ちあふれていることがうかがえます。さてアメリカという王室のない国で育ったグラントのために,作法や国情の指南役としてアルタリアの外務大臣の娘エリン・ローレンスがダニエルの元にやって来ます。作法の先生ということできっと年配の婦人がやって来るものと期待せずに会ってみると,なんと22歳のうら若き美女。しかし幼少からスイスの寄宿学校,いわゆる全寮制のお嬢様学校でしっかり礼儀作法を身に付けた生真面目な女性です。そしてエリンは父の外務大臣からあるミッションを託されてシカゴにやって来たのです。コネリー家のフレンドリーで大家族な中に放り込まれたエリンは,一人っ子で速く母を亡くし寄宿学校で育った自分とダニエルとを比して,その違いに感動しながらも,父からのミッション,つまりダニエルが父たちの傀儡として,何も影響力のない国王になる人物かどうか見極め,できれば王位に就くのをあきらめるよう働きかけること,というミッションを重荷に感じてしまいます。ダニエルであれば国と国民のために良い国王になれるだろうとすぐに見抜いたからです。父とダニエルとの間で悩むエリン。そして自分が仕える王としてよりも,次第に男性としてのダニエルに惹かれ始め,そのことにも悩むエリンでした。二人がシカゴの町に出かけたとき,突然周囲を振るわせる大きな音がして目の前のガラスが割れ,とっさにエリンをかばって身をかがめたダニエルの耳元を銃弾がかすめます。2発の銃弾が二人を襲ったのです。そして秘密裏にアルタリアの国情と国王と皇太子の死について調査を依頼していたダニエルの元に,二人の死は事故死ではないかもしれないという知らせが届きます。銃撃事件を捜査するためにシカゴ警察刑事とFBI特別捜査官が任命されたことも知るのでした。
 王室への到着を早め,警備員を引き連れてアルタリアについたダニエル一行。侍従を始め意に沿わない態度の使用人を取り替える程度で王宮での生活はエリンの指南の元に始められますが,来客を送り出したついでにエリンを捜していると,エリンの父の外務大臣とエリンの会話が耳に入ってきました。外務大臣がエリンに託したミッションの内容を聞いてしまったダニエルは,エリンに裏切られた気持ちをもち,顔を合わせようとしなくなります。しかし,ダニエルの誤解を解こうとエリンは積極的に身の回りの世話をして,ついにその信頼を再び勝ち取るのでした。女性ばかりの寄宿学校でほとんどの時を過ごし,男性との付き合いの経験のほとんどなかったエリンに取ってみれば,ダニエルは本当の意味で初めて出会う男性でした。しかも自分が仕える国王という究極の上司。そんなダニエルに男性としての魅力と気持ちを抱くことが果たして許されるのか・・・。王妃候補としたやって来た首相の娘に嫉妬したり,ダニエルに裏切り者と言われることに恥ずかしさと腹立たしさを感じたり,そしてなによりダニエルの元に寄り添っていたいという恋心との間で苦しむエリンですが,そんなエリンの心を知ってか知らずか,ダニエルもまたこの国で本当に信頼できるのはエリンしかいないことに気付いていくのでした。二人のロマンスは終盤の僅かなスペースしか描かれていませんが,表紙のイメージを見る限り,セクシーでダニエルに対する絶対的な想いをあふれんばかりに表しているエリンの表情が,気持ちの強さを表していると思います。シリーズ全体を通して二人は何度も登場してくるでしょうから,さすがリアン・バンクスのHQの限られたスペースの中での効率的に精一杯,ロマンスを描いたものだとその手腕に脱帽です。


タグ:ディザイア
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