SSブログ

ひと月だけの恋人 [サブリナ・フィリップス]

SHALOCKMEMO1355
ひと月だけの恋人 Valenti's One-Month Mistress 2009」
サブリナ・フィリップス 柿沼摩耶





 原題は「ヴァレンティのひと月の愛人」
 ヒロイン:フェイ・マトソン(25歳)/デザイナー,レストラン経営/蜂蜜のような髪,美しい脚,緑色の瞳/
 ヒーロー:ダンテ・バレンティ(?歳)/レストラン・チェーン「バレンティ・エンタープライズ」オーナー/身長190センチ超,広い肩,筋肉質な体,高い鼻梁,突き出した顎,オニキス色の瞳/
 ひと月だけの契約愛人,本来はレストランの経営困難に陥ったヒロインがヒーローに資金繰りを依頼しに行き,そのまま愛人化されてしまう,しかもひと月の契約でというお話しです。永遠に愛人にして欲しくなってしまうヒロインですが,自分を軽く見ているヒーローに反抗してひと月だけであればなんとか我慢するという態度を示したために,逆にヒーローがヒロインから離れがたくなる,という展開です。
 父親の跡を継ぎ,レストラン「マトソンズ」を経営し始めたフェイは,ある日自分の店にやってきた男性の姿に驚きます。6年前,両親の経営していたレストランでウエイトレスをしていた時,メニューのデザインに目をとめた男性がいました。デザイナーの勉強をしていたフェイは店のデザインを手がけたところだったのですが,そのデザインに目をとめたのはレストランチェーンを経営するダンテでした。カリスマ性を持っているダンテに無垢なフェイはたちまちのぼせ上がってしまいます。ダンテが経営する「イル・マイヤ(「成長の女神」という意味)」という五つ星ホテル内のレストラン「ペルフェッツィオーネ」。そのきらびやかなホスピタリティと,ダンテの魅力その両方に心を奪われてしまいます。身も心も捧げたのち,フェイはイタリアを離れアメリカに渡ってしまいます。裏切られたという思いを引きずってきたダンテ。イギリスの母親からフェイが男性とともにアメリカに渡ったことを聞かされたからです。フェイの相手は同性愛者の男性だということはダンテは知りませんでした。そして父親の死によりイギリスに帰ってきて「マトソンズ」の経営を手がけていたフェイですが,時代とともに客足が伸びなくなってきて,設備投資をしないとこのままでは経営不振に陥ることになってしまいます。提案書を持って銀行を回り融資を頼んで回りますが,どこもOKを出してくれません。万策尽きたフェイはダンテがイギリスにやってくるということを報道で知り,思い切って会いに出かけていくのでした。フェイが自分を裏切ったとダンテが思い込んでいる様子。話し合いの結果出された驚きのダンテの条件。一カ月間彼の経営するホテルで働くこと。ホテルでの修行を完了したら店に融資しようということでした。これはダンテの復讐か?それとも自分に対する未練か?少なくともダンテに対する反応は6年前と変わっていないことに困惑するフェイ。ダンテのいうとおり,厨房でのいイモの皮むきからスタートしたフェイですが,飛び級的に部署が変わり,結局ダンテとの深い関係が復活してしまいます。謂わば愛人化してしまうのでした。トスカーナの別荘地でのダンテとの二人だけの生活。そして,ダンテの妹エレーナが登場します。フェイはエレーナとはすぐに旧知の仲になりますが,ダンテがフェイを心の底からは信用していないことを言葉の端端から感じられます。とにかくひと月我慢すれば,また「マトソンズ」に帰れる。その思いが次第にダンテとの別離を意味することに引き裂かれる思いを感じて戸惑うフェイ。すでにダンテを愛してしまっていることにフェイは傷つきます。「感情のままに行動した結果(中略)大きな借金を背負って」しまったことに気付き,「まるでダンテが彼女の内臓の位置まで変えて,いくら配置し直しても元の自分に戻ることができないかのように」感じたフェイは,涙を流すのでした。そして,ひと月の終了を待たずに,フェイの妊娠が明らかになり,ダンテの元を去ります。一方ダンテは,かつてフェイがともにアメリカに渡った男性クリスがフェイの友人に過ぎなかったことを知り,フェイを去らせたことを初めて後悔します。再び「マトソンズ」を訪れたダンテ。すでにダンテの出資により「マトソンズ」の改修も順調に進み,銀行も改めて融資を認めてきたことから,ダンテに返済のめども立ち始めます。そんな時,フェイは突然腹痛を訴え,出血してしまいます。病院に連れてきてくれたダンテにフェイは「赤ちゃんがいなくなってしまった。あなたはもう自由よ」と自分の気持ちとは裏腹なことを言うしかないフェイ。「自分が本当に愛する男性がダンテだということをフェイは今ほど強く感じたことはなかった。苦しんでいるとき,彼にそばにいて欲しいと思うからだ。ずっと一人で生きてきたのだから誰も必要ないと思っていたが,彼女にはダンテが必要だった。」とダンテへの愛を自分に認めざるを得なくなるフェイでした。ダンテはこのフェイの気持ちに応えられるのでしょうか・・・。
 ちょっと気付いたミスプリント。KINDLE位置ナンバー5049の「道徳規準」が位置ナンバー5050では「道徳基準」になっていました。前後の文脈からは「道徳規準」が正しいのでしょうね。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

愛と掟のはざまで純潔の未亡人 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。