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アラビアの花嫁 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO1362
アラビアの花嫁 An Arabian Marriage
(華麗なる転身 1) 2002」
リン・グレアム 漆原 麗




HQB-758
16.10/¥670/208pp

R-1857
03.04/¥672/156p


 原題は「あるアラビアの結婚」
 ヒロイン:フレデリカ(フレディ)・サットン(24歳)/ナニー/豊かな金髪,青緑色の瞳,身長163センチのほっそりした体でクリーム色の魅惑的な胸と砂時計のような体型/
 ヒーロー:ジャスパー・アル・フセイン(30歳)/クアマール国皇太子/暗い金色の瞳,豊かで青みがかった黒い髪,見事な体格,ブロンズ色の肌,傲慢そうな鼻,罪作りなほど美しい口/
 アラブのキリスト教国クアマール王国。皇太子のアディルはどうしようもない放蕩者で,何度も結婚離婚を繰り返し更には婚外子まで・・・。一方その弟ジャスパーは自分には皇位継承は回ってこないものと思っていましたが真面目で堅物。ところがアディルが放蕩の末に急逝してしまい,ジャスパーは思いがけず皇位継承することになってしまいます。アディルの子供たちはみな女子でしたが,婚外子で男子がいることが判明します。ベネディクト,愛称ベンを産んだのは,アディルの不倫の相手エリカ・サットンという若い女性でした。国王が老年に差し掛かりいよいよジャスパーが皇位継承すれば皇太子としてそのアディルの婚外子ベンを探し出さなければなりません。国王ザフィル・アル・フセインはジャスパーにその役割を割り当てます。イギリスにいると思われるエリカとベンの行方が分かり,ジャスパーが自分で向かいます。さて,一方エリカは自分でベンを産んだものの,従姉妹のフレデリカ(フレディ)・サットンに子供を預けっぱなしで,スキー場の事故で命を落としてしまいます。ややこしいことにエリカ・サットンのセカンドネームはフレデリカ。姉妹の大伯母の名前を摂っていたのです。つまりジャスパーの得ていた情報には本来二人のフレデリカ・サットンがいたのが分からなかったため,ジャスパーはフレディをエリカと勘違いしてしまったという事情が絡んでくるのでした。放蕩者の兄にふさわしい身持ちの悪い女性とフレディを思い込んでいたジャスパーは,なにかと冷たい対応をとるのですが,どうも実際に会ってみるとフレディがちょっとしたことで顔を赤らめたりする仕草に純真さを感じ,なぜか惹かれるものを感じてしまいます。フレディもまた会ったとたん,ジャスパーのあまりにも男らしく頼りがいのある姿に強く自分が惹かれ,そして愛する甥のベンを取られてしまうのではという恐怖からなにかとジャスパーに反抗的な態度を取ってしまうのです。今後のことを話し合おうとしていた日の朝にベテランのナニーがフレディの元を訪れ一日慣れるためにベンを連れ出すことに同意しますが,夜にジャスパーがやってくるとすでにベンはクアマール国に向かう飛行機に乗っているというではありませんか。フレディ(エリカ)を説得してからベンを連れて行こうとしていたジャスパーですが,国王の命令で軍の人たちによってベンは連れ去られ,ジャスパーには軍を動かす権限がないためどうしようもなかったと申し訳ない様子で話すのでした。フレディはなんとしても不安でいるだろうベンに会わなければという思いで,突拍子もない提案を思いつくのです。自分が一人でクアマールにいっても宮殿に入れる保証はありません。なんとか宮殿に入り込んでベンに会うには,そうだ,独身だというジャスパーと結婚すれば良いのではないか。その提案を聞いたジャスパーは自分の権限の及ばないところで父国王が勝手にベンを連れて行ったことと,必死にベンのことを思いあり得ない提案をしてきたフレディがかわいそうになり,この申し出を受け入れるのでした。翌日機上の人となったジャスパーとフレディ。機内で眠ってしまったフレディに触れずにいられなくなるほど,魅力的な寝顔でした。そんな自分の衝動に戸惑うジャスパー。かつて手ひどく女性に裏切られた経験を持つジャスパー,フレディもまたかつて婚約を考えていた男性から手ひどく裏切られた経験を持ち,以来男性と深い関係を持つ機会がないまま過ごしてきていました。フレディはいつもエリカの美貌と自分が比較され,ちょっとふっくらして平凡な顔立ちだと父からも言われ続けてきたため,女性としての自信をすっかり持てずにいたのですが,君は綺麗だとジャスパーに言われ,すっかり当惑してしまっているのでした。本当にジャスパーはそう思っているのだろうか?ところが,宮殿についてみるとジャスパーの寝室のベッドに全裸の超美人の女性が「おかえりなさい」とジャスパーを待っているではありませんか。その女性サビラは,かつてアディルの妻だった女性。しかも若かったジャスパーはサビラに惹かれる気持ちをもっていたものの,サビラはさっさとアディルと結婚してしまい,それも愛によるものではなくサビラの皇太子妃への野心のためだったことを知り,女性不信が強まったという過去があったのです。すぐにサビラを追い出したジャスパーにフレディは今のは誰だったのかと尋ねますが,ジャスパーは言葉を濁します。その後,やっとベンと再会し,安心したフレディ。しかし今度はフレディが自分がエリカでないことをいつ打ち明けたら良いかということで悩み始めます。きっとこのことを知ったら,ジャスパーは腹を立てて自分を追い出してしまうだろうと考えるとなかなか素直に言い出せません。たまたま1週間ジャスパーはアメリカに出張に出かけてしまい,フレディはゆっくり考える時間ができました。ジャスパーは花を贈ってきたり帰国の時には大量のお土産を買ってくるなど,契約的な結婚であるはずなのにどういう訳だろうかと不審に思うフレディ。やがて二人の関係も互いに惹かれ合う気持ちを押し隠すことなく深まっていきますが,互いに本当の気持ちを打ち明けることは出来ずにいました。やっと父国王との出会いがあったのは,偶然でした。なかなか呼ばれないと考えていたある日フレディが庭に出てみると一人の老人が息を切らして苦しそうにしています。スタッフに水を持ってくるように指示して老人をベンチに座らせ,医師を呼ぶように言いつけたところにジャスパーが帰ってきててきぱきと指示を出したのでした。その老人こそ国王本人だったのです。この時のフレディの対応をいたく気に入った国王はさっそく私室にフレディとジャスパーを呼び,そしてベンとの対面を果たすのでした。思いもかけずに自分の望んでいたように宮殿生活にも慣れジャスパーも何かと自分に優しく,しかも夜は自分を求めてくれ,本物の夫婦に陽に過ごすようになったフレディは幸せの絶頂にいました。ところが,やはりフレディがエリカではないと告白したとき,予想どおりにジャスパーは怒りを表し,すぐに出ていけと言われます。翌日またジャスパーの出張中にいなくなれと言われてしまうのですが・・・。そうは言っても,これまでフレディがベンを大切にしてきたことと,自分が予想以上にフレディに惹かれていたことに気付いたジャスパーが早めに宮殿に戻ってみると,フレディは外出中。探しに出てみると宮殿敷地にある自分の別邸でなんとサビラがフレディに嘘八百を並べ立ててイギリスに帰るように説得しているところに出くわすのでした。そのころ自分の体調の変化に気付き始めていたフレディは自信をもってジャスパーを愛していることを表明しているのです。ジャスパーはサビラの嘘を暴き,即刻国から出て行けと,そうしなければこの件を父に報告するぞと脅します。このことがきっかけでフレディとジャスパーのわだかまりは解けるのでした。
 スーパーモデル並みの従姉妹に体型の上での劣等感を持っていたフレディのシンデレラストーリーです。アラブのキリスト教国?ちょっと違和感がありましたが,あまりアラブ的なところもなく,まあ無難にストーリーが展開していきます。強いて言えば宮殿のスタッフがやたらと王族にへりくだるところがちょっと出てくるぐらいです。自己主張のしっかりできるフレディの愛情深く真面目で愛らしい点が光る作品です。エピローグはかなり幸せな展開になっていて,爽快な読後感を味わえます。


タグ:ロマンス
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