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ジェシカの愛情研究 [ペニー・ジョーダン]

SHALOCKMEMO1366
ジェシカの愛情研究 Research into Marriage 1986」
ペニー・ジョーダン 三木たか子




HQB-759
16.10/¥670/200p

R-0622
88.08/¥578/156p


 原題は「結婚への調査」
 ヒロイン:ジェシカ(ジェス)・(26歳)/作家,心理学者/長身,脚は長く,ウエストが細く胸は豊か。銅色の髪,透き通るほど白い肌,気分次第でグリーンにも金色にも見える目/
 ヒーロー:ライル・ガーネット(35歳)/開業医(神経外科医)/寡夫,スチュアートとジェームズの父,オックスフォード近郊のサットン・パルバ在住/長身,豊かな褐色の髪,青い目/
 ヒロイン,ジェシカ(ジェス)の苗字が明らかにされていません。ときどきこんな作品もあります。まあすぐにヒーローの結婚してしまうので旧姓はどうでも良いということなのでしょうが・・・。結婚式もとても簡単に済んでしまい,描写もほんの数行です。いわゆる便宜的な結婚から,生活しているうちに次第に愛に気付いていくパターンですが,二人とも会った瞬間に惹かれてしまうのです。二人が結婚に至るきっかけとなったのは一つは義兄の存在がありました。姉のアンドレア・チャーズはいささか気持ちの弱い人で,現在妊娠中ですが,夫のデビッドは隙あらばとジェシカに言い寄ろうとするのです。父を亡くし,その遺産を受け継いでいた姉妹に,デビッドは姉の方との結婚を選んだのですが,本当はどちらでも良かったようです。ジェシカはそんな義兄におぞましさしか感じなかったのですが,うぬぼれ屋で道徳心のないデビッドはジェシカが自分に色目を使っていると人前でなれなれしくすることから始まって,顔を合わせるたびに厚かましく誘いをかけてきます。なんとかそんな姉夫婦から離れたいと思っていたやさきにライルに出会います。9年前,母はすでにジェシカが大学に入った年に再婚して新しい夫とカナダで幸福に過ごしており,大学卒業後ジェシカは心理学者として著作をしたため,それが売れ行き好調であり,現在は3冊目の著作に取りかかっているところでした。「こと結婚に関し,何の幻想を抱いてはいない。結婚はただの肉体的欲望を越えたものに基づかなくてはならない」というのが現在執筆中の著作の中心テーマでした。調査を進めれば進めるほど【見合い結婚】が理想の結婚形式だと確信するようになっています。そこで,ジェシカは新聞に自分を売り込む記事を掲載してもらい,それに反応してきたのがライルだったのです。一方ライルは妻と離婚しようとしていたときに事故により妻の死という事態に遭い,,神経外科の専門医のとしての職を投げ打ち,二人の子供を育てるために田舎であるサットン・バルパで開業医を始めたところでした。妹夫婦になにかとこどもたちの面倒を見てもらいながら頑張ってきたのですが,スチュアートとジェームズは母に捨てられたという心の傷をもち,反抗期であることも含めて何かと父であるライルの言うことを聞かず,叔母のジャスティンにも反抗的態度を崩さないのでした。従兄弟の幼いピーターを木に縛り付けてその下でたき火をしてガイ・フォークス遊びと言い張るなどのワルがき的な態度を示すようになった二人に耐えきれなくなったジャスティンは,例のジェシカの新聞記事を見つけ,二人にはきちんと向き合ってくれる母親が必要だと兄のライルを説得するのでした。ライルは妻は必要ではないし,望んではいないとしても,自分の子供たちに母親役の人が必要だとこの話しを断ることができない切羽詰まった状況にあったのでした。「26歳で未婚,自活の手段あり」という記事だけを頼りに妹の勧めに頼らざるを得なくなったライル。そして,サットン・バルパにやって来たジェシカの金色の目とライルの青い目が出会います。恋に落ちるということ自体を信じていないとするジェシカと,妻との関係がうまくいかなかったことにより女性が信用できないライルが,出会った瞬間でした。スチュアートとジェームズという子供の母親役が自分に求められている立場であり妻は必要ないというライルの言葉に,反ってそれこそ自分が望むものだと言い切るジェシカ。そしてこの二人と子供たちという四人の奇妙な家族ごっこが始まるのでした。初めはジェシカにも打ち解けない子供たちですが,初めに兄のスチュアートがジェシカに信頼を寄せるようになり,兄を手本にしていたジェームズも次第に打ち解けていきます。逆にライルこそが家族の中で浮いた存在になってしまうほど三人が寄り添い,近づいて行くのでした。ジェシカに出会ったジャスティンは初めからジェシカの味方です。ジャスティン一家も皆ジェシカを歓迎し,瞬く間に周囲の人の信頼を得ていくジェシカにライルはますます惹かれていくのですが,初めに妻は必要ないと言い切り,自分も夫婦としての関係を望んでいないというジェシカに強い欲望を抱くという矛盾に悩み,どうしてもぶっきらぼうにならざるを得ないというライルの態度にとまどいながら,ジェシカもライルに触れてみたいという欲望を抑えるのに苦労しています。そんな二人にクリスマスという神からの贈りものの季節が迫ってきました。ガーネット家の四人にとって,これは家族としての紐帯を深める格好の機会となるのです。ジェシカは「本当のお母さん,あの子たちにとって私はそういう存在になったのだろうか」と子供たちに対する愛情を感じ始めます。そして夫であるライルの男性としての魅力にも強く惹かれ始めて行きます。「こうなることは出会った瞬間から分かっていて,そしていまそれが現実になったのだ。この人を愛していると分かった以上」と深い関係になります。しかし,二人の間にはもう一つ,互いに想いを寄せる別の存在があるのではないかという想いがくすぶっています。ライルには前妻のヘザーの存在が,そしてジェシカには義兄のデビッドの存在が・・・。二人はこの疑心を乗り越え本当の結婚が成就できるのでしょうか。そしてジェシカの愛情に関する研究の著作は完結するのでしょうか。邦題がまさにぴったりの作品です。
 数日前に読了していた作品ですが,メモをまとめるのが遅くなってしまいました。ちょっとそのまま映画になりそうな,映像を思い浮かべながら楽しめる素敵な作品です。


タグ:ロマンス
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