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聖夜の告白 [スーザン・メイアー]

SHALOCKMEMO1377
聖夜の告白 Merry Christmas, Daddy
( Fabulous Fathers 28 ) 1996」
スーザン・メイヤー すなみ 翔




K-441
16.12/¥670/156p

L-0782
97.12/¥641/156p


 原題は「メリークリスマス,お父さん」
 ヒロイン:カサンドラ(カシー)・オハラ(25歳)/大学生でシングルマザー,娘の名はキャンディ/緑色の目,小麦色の髪,身長160センチ,都会的な魅力とスマートさと昔気質の入り交じった一種独特な雰囲気,五人兄弟の末っ子/
 ヒーロー:ガブリエル(ゲイブ)・ケイン(30歳)/「ケイン・エンタープライズ」経営者/身長185センチ,黒髪/
 さて,今月も読みかけ本ばかり山積みになり,読了本が寂しい状態が続いていますが,先月を下回ることが確実になってきました。あと数ページの読みかけ本はかなり多いので,読了しさえすれば良いのですが,そうなるとSHALOCKMEMOの更新もしなければならないので,それも時間が取れなくて大変です。SHALOCKMEMOの原稿の書きかけも大分たまってきている状態です。夏の頃の月30冊はさてどこに行ったのでしょう? 時はまさに年末。年賀状やらお歳暮やらと考えることも多くなってきているのも,新年の準備の心づもりなど,家でやることも増えてきて,さらにHQの出版状況も年末年始に備えて早まりつつありますから,これまたWEBの整理もさし迫り,さらに状況が悪くなるのでしょう。
 さて,西洋では,このシーズン,新年よりもなんと言ってもクリスマスが大きなイベント。数日間の冬のバカンス(南半球では夏のバカンスというべきでしょうか)期間に入ります。そのため,11月から12月にかけてはクリスマス関連の作品の翻訳が多く出てくるのですが,スーザン・メイアーと言えば,このクリスマスものの名手といっても良いでしょう。シンデレラものとクリスマス・シーズン,まさに奇跡と成功譚のコラボレーションですから,読者を幸せな気分にさせてくれること間違いなしの組み合わせですね。本作も,やはりそんな一作でした。シェアしていたペンシルバニアのフラットから同宿者たちが次々にフラットを離れてしまい,自分一人ではとても家賃が払えないと困っていたカサンドラですが,そこにやって来たのは飛んで火に入る冬の虫,会社社長のゲイブでした。世界中で最も愛する祖母が末期癌に・・・。なんとか祖母が生きている間に喜ばせたいと婚約者をクリスマス休暇にジョージアのケイン家に3週間ほど連れて行きたいという申し出をします。休暇が明ければその後の大学の学費と部屋代は自分が保証するからと,とても断れない申し出です。自分を売るようでとてもそんな申し出は受けられないと気持ちとなんとかゲイブの願いも叶えてあげたいという両方の気持ちが入り交じっていくカサンドラですが,良い人のカサンドラは結局この申し出を受けることにします。しかし偽の婚約者の振りをするにしても互いのことを知らないとすぐにメッキが剥がれてしまいます。ところがゲイブはそんなカサンドラの気持ちに気付かないかのようになかなか自分のことを話そうとしません。それよりそんなことに気付いてもいない様子。このお坊ちゃん風のゲイブをちょっと年上のお姉さん的な現実的なガブリエルが少しずつ導いていくのですが,ゲイブの眼差しで言葉にしなくても二人の間に暗黙の了解ができてしまう場面がしばしば登場します。それほど二人の相性は出会ったときから言葉ではけんか腰でも心の奥底ではわかり合えてしまう相手という不思議な関係だったようです。これを運命の人と言わずしてなんというべきでしょう。さらにシングルマザーだということにも気づかれてしまい,結局子連れでケイン家を訪れることになってしまう二人ですが,ケイン家では,ゲイブの50代の両親も80歳近い祖母エマリー(エマ)もなんと赤ん坊のキャンディに夢中になってしまいます。なかなか結婚したがらないゲイブに,カサンドラはぴったりの女性であると,すでに祖母も両親も決めてしまったかのようです。偽りのフィアンセの話は正式な婚約そして結婚式ととんとん拍子に進んでしまいます。両親や兄弟すら式に招かないというガブリエルですが,それでは偽りだと分かってしまう,と,とにかく事情を話して母親だけは呼んだものの,祖母エマの計らいで父親まで来てしまうことに。ガブリエルは両親が来れない理由を父のインフルエンザのせいにしていたのですから,こんなにマズいことはありません。しかしながら,そんなドタバタがこのクリスマスの時期にはなんとも滑稽で温かい気分を読者に抱かせてくれるのもまた真実です。さて,二人は真実の愛を告白し合えるのでしょうか・・・。
 なんとも傑物の祖母エマのキューピット的な人間性が本作のキャラクターの中で傑出していることと,娘を愛し,その性格をよく知るカサンドラの母親の存在がとても温かく,アットホームな作品です。


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