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放蕩王子が見初めた娘 [スーザン・メイアー]

SHALOCKMEMO1413
放蕩王子が見初めた娘 Wedded for His Royal Duty
(ザヴィエラの花嫁 2) 」
スーザン・メイアー 八坂よしみ





 原題は「王家の義務のための結婚」
 ヒロイン:エヴァ・ラトヴァイア(25歳)/慈善活動家,グレナディの王女/黒髪,青灰色の瞳(和らいだときの青い目,起こったときの員色の目)/
 ヒーロー:アレクサンドロス(アレックス)・サンチョ(30歳)/ザヴィエラの第二王子/焦げ茶色の目,黒い髪,荒削りで不良っぽい魅力/
 「奇跡を授かったシンデレラ(SHALOCKMEMO1368)」の続編です。ザヴィエラ王家の第一王子ドミニク(ドム)との結婚は,ドムがジニーと結婚してしまったために振られてしまった悲劇の王女となったエヴァ。前作では陰に隠れてその存在だけが示されていたエヴァが本作ではどうどうとヒロインとして登場します。かつて二人の女性に裏切られたため結婚を忌避しているアレックス。自分の父である国王が不倫で行方不明となりなんとしても残る第二王子のアレックスをものにしなければ王家を継ぐことのできないエヴァ。互いの利益が衝突し合う二人ですが,単なるロイヤルロマンスではなく,そこに祖国グレナディでのクーデターの疑いが登場してきて,冒頭から全く新たな展開を見せていきます。偽装政略結婚をしたエヴァとアレックス。しかし二人の間には愛が芽ばえていきます。「美しく,やさしく,聡明で,優雅でおまけに心身ともに健やかだ。そして法律上は僕のものだ。」とアレックスは思わざるを得ません。それほどまでに深まっていく愛に,この結婚を本当の結婚にしたいと,エヴァも考えています。しかし,宿命は二人をなかなかさらに深い関係には導いてはくれません。たった3度,キスを交わしただけです。ここに読者を惹きつけるストーリーが隠されているのです。やがてグレナディ国でクーデターを起こそうとした国王の弟ジェラルディが逮捕されたという知らせが入ります。国が落ち着けばエヴァは国に帰ってしまう。エヴァの父がザヴィエラにやって来ます。「エヴァはいずれ女王になる。君なら最高の夫になってくれただろう。破談にするには忍びないほどだ」とアレックスに向けられた言葉に,二人はぎこちなく目をかわすしかありませんでした。「エヴァは両親に僕への思いが本物だと言う機会を逃した。それは僕も同じだ。」しかし「決めるのは僕ではなく,あくまでエヴァだから」・・・。エヴァが本当の気持ちを打ち明けることなく二人は「さようなら」の言葉だけを交わすのでした。
 帰国のヘリの中では二人のエヴァが対立していました。アレックスを愛している女性と女王になる女性とが・・・。しかし翌朝の記者会見ではエヴァは瞬きもせずに義務を果たしただけだと記者の質問に答えます。その会見をテレビで見ていたアレックスの気持ちを義母のローズはアレックスのエヴァへの愛だと見抜くのです。二度に渡って愛する女性を失ったアレックスに義母の鋭い勘はアレックスの本心を言い当ててしまうのでした。前巻で登場したヒロインの母ローズの鋭い感性が本作ではかなり際だって言及されています。まさに陰のヒロインといって良いでしょう。「エヴァは一人の女性で,あなたは彼女を愛する男に過ぎない。やり方を間違えないでね。」というローズの言葉がそれを証明しています。そして舞台はニューヨークへ。ひと月前にニューヨークへ渡っていたアレックスとエヴァは再会し,打開策を見つけていけるのでしょうか。
 王室もの特有の生臭さはなく,実に清純で真面目な二人の愛は共感をそそられ,王室ものという現実離れしたものではなく,そこに若干の宿命的な要素は絡ませながらも,普通の男女の爽やかな愛情が感じられる好著です。


タグ:イマージュ
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