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買われた純愛 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1424
買われた純愛 A Virgin for Vasquez
( Rich, Ruthless and Renowned 2 ) 2016」
キャシー・ウィリアムズ 松尾当子





 原題は「バスケスのための純潔」
 ヒロイン:ソフィー・グリフィンワット(25歳)/運送会社経営者/栗色の髪,すみれ色の瞳,焦げ茶色のまつげ,シルクのようになめらかな肌,張りのある胸/
 ヒーロー:ハビエル・バスケス(33歳)/会社経営者/黒髪,黒い瞳,彫りの深い顔,長いまつげ,長身/
 「マドリード郊外の貧民街に生まれ」「いずれ家を出て成功を収めなければならない,そのために立派な教育を受けるべきだ」と言われ「父親はタクシー運転手」「母親は清掃作業員」として息子の学費を必死に貯めていたヒーローのハビエルは,イギリスの大学でヒロインのソフィー・グリフィンワットに出会い,人生で初めて追いかけたいと思う女性に巡り逢います。しかし,まだ定職に就かない外国人のハビエルはソフィーの父親からすげなく拒否されてしまいます。その後ソフィーは別の男性と結婚してしまったのでした。ソフィーが大学を辞めてロジャー・スコットと結婚しなければならなくなったのは,家庭の事情によるものでした。運送会社経営者の父の病気と会社の経営不振をロジャーの豊富な資金に頼るため,謂わば人身御供としての政略結婚だったのです。結婚生活はすぐに破綻し,しかもロジャーは賭け事と放漫経営で会社の経営不振は全く解消されないまま亡くなり,ソフィーが実質経営者として父親の没後会社を引き継いだときには,もう倒産は目前だったのです。スポーツ奨学生としてアメリカに渡っていた弟のオリバーを呼び戻して同族企業として経営を助けてもらおうとしていますが,オリバーは会社経営には全く興味を示さず名目的な重役というだけだったのです。古くから父を手伝ってきた重役たちが大勢おり,その人たちを含めた大胆な人員整理を行い,業務の近代化を図るしか会社が生き残る道はないのですが,そのための決断力も資金もなく,オリバーはかつて姉と親しかったハビエルに資金融通を頼み込んでしまったのでした。ハビエルに逢いにソフィーが会社を訪ねたところから物語は始まります。「そう,これが問題なのだ。彼を求める気持ちが,七年前からずっと消えていないことが。けれど消さなければ,私はこの渇望に死ぬまで苛まれることになる。これを消し去る方法は一つしかない。」そしてソフィーはハビエルを誘惑することを決意するのですが・・・。ハビエルは七年前に自分を捨ててたの男性と結婚したソフィーを恨んでいました。彼女の会社を救う代わりに彼女を自分のものにし,そして捨ててやるのだ。と,復讐の念が浮かびます。彼女の弱い立場を利用して今度こそ自分の欲望を達成しようとするのですが,すぐにではなく,彼女の方から自分を求めさせなければと,あえて欲望を抑えています。ソフィーはロジャーと結婚はしたものの,謂わば便宜的な結婚に過ぎず,二人の間には夫婦関係はありませんでした。バージンのままの未亡人という設定が本作の最も特徴的なキャラクター設定です。そしてソフィーとハビエルの虚々実々の駆け引きが始まります。ロジャーとの結婚の真相をなかなか話そうとしないソフィー,そしてそれを知りたいと強く願うハビエル,この緊張関係が読者の興味を引き続けます。元々惹かれ合っていた二人が7年の歳月を超えていよいよ本格的な関係を築いていくまでの愛の迷路をたどった秀作です。


タグ:ロマンス
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