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危険な恋人契約 [ケイト・カーライル]

SHALOCKMEMO1169
危険な恋人契約 Second-Chance Seduction
( MacLaren's Pride 1 ) 2013」
ケイト・カーライル 長田乃莉子





 ケイト・カーライルの新シリーズ[MacLaren's Pride]の第1弾です。ビール製造業を営むハイランド出身でアメリカで活躍するマクラレン家の3兄弟ジェイク,イアン,コナーのロマンを描いたシリーズです。第1弾(原題は「二度目の誘惑」)のヒーローは末弟のコナーと,かつてコナーの恋人で今はバツイチのビール醸造業者マギーことメアリー・マーガレット・ジェームソンの再燃したロマンスを描いています。マギーは父親が冒険好きで事故で命を落としたことでショックを受け,付き合っていたコナーたち3兄弟も命懸けのスポーツを楽しんでいることに耐えられなくなって交際を打ち切ります。その後,コナーたちとは正反対の紳士的な男性アラン・コズグローブと結婚しますが,マザコンのアランと義母は極限までマギーに精神的プレッシャーを与え,その人生や考え方までを支配しようとします。そしてマギーが耐えられなくなったとき,義母が突然亡くなり,それと同時にアランから離婚を申し渡されたのでした。実家に戻って祖父の元で暮らすマギーはその後も精神的疾患を得て,医師のもとに通いながら父の工場だったビール工場を復活させ,新作ビールを作るようになっていました。しかし尊敬している祖父が病を得て,その治療費が膨大な金額だったため,仕方なくコナーの元に行き,ビールの製造法と交換に融資をしてくれないかと頼み込むのでした。マギーに捨てられたと思い込んでいたコナーは復讐の気持ちも働き,融資の代わりに2週間ビール・フェスティバルの期間中,自分の相手役を務めるように条件を出すのでした。フェルティバルのため地元のホテルはすでに満杯になっており,コナーの宿泊するスイートしかあいているところはありません。仕方なく,と同時に再びコナーとの関係の復活の期待もありマギーはこの条件を呑まざるをえませんでした。病気の祖父の元にはコナーたちの母のディードラが様子を見に行くということでなんとかマギーは自分を納得させるしかなかったのです。人前に出ることやパーティで踊ることは,かつての自分には何の問題もなかったのですが,夫によって常に監視と欠点を指摘され続けたマギーにとっては,人前で何か失敗するのではないかというプレッシャーが強く,コナーが自分を無理やりパーティに引っ張り出すのは耐えられなかったのですが,いつまでも夫の亡霊につきまとわれてはいけないと自分を戒め,勇気を振り絞って行くのでした。そしてそのことをコナーに打ち明けることによって,コナーが全面的に自分の見方をしてくれることに勇気を得てフェスティバルを愉しもうという気持ちも湧いてきました。そんなコナーの優しさに触れ,二人は再び関係を復活させることになるのでした。大切なビジネス相手の夕食会や最終日前日のダンスパーティにも参加して自分の価値を再認識し始めたとき,マギーを陥れようとする大きな事件が持ち上がります。非難されようとしているマギーを見つめるコナーの目に非難の色が浮かんだことを確認したマギーは,いそいでコナーの元を去ろうと決意します。さぁ,二人の関係はどうなるのでしょうか。
 マギーの祖父アンガスとコナーたちの母ディードラがマギーを立ち直らせるためたてる計画の場面では,人情味あふれる,スコットランド人らしい計らいに思わず涙がこぼれてしまいます。3兄弟の中兄イアンの夫婦仲の問題も時々顔を出し,次作への期待を感じさせながらシリーズ第1作が締めくくられるのも興味深いエピローグになっています。


タグ:ディザイア
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