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非恋愛結婚 [マリオン・レノックス]

SHALOCKMEMO1178
非恋愛結婚 Dr. McIver's Baby
Prescription : Romance 3 ) 1998」
マリオン・レノックス 北園えりか





 原題は「ドクター・マカイバーの赤ちゃん」
 ヒロイン:小児科医 アニー・バロウズ(25歳)
 ヒーロー:外科医 トム・マカイバー(32歳)
 オーストラリア南部の小さな町バンノックバーンの町立病院に勤める同僚医師アニーとトムの住む病院裏のアパートの,トムの側の入り口の前に置かれていたのは,生後何週間かの小さな女の赤ん坊。中にメモが入っており,トムが最近まで付き合っていた女性が産んだトムの娘だというのです。メリッサというその女性はすでに外国で他の男性と暮らしており,娘はトムが育てるべきと書いてあります。小児科医であるアニーは,捨てられた赤ん坊がたどる道筋に精通しており,それを淡々とトムに説明するのですが・・・。ハンナと名づけられたその子は,結局病院中の人気者になり,トムも愛情を持ち始めて,トムが育てることになりました。さて,その時困ったのが母親が必要だということです。その時トムと付き合っていたサラは,他人の子を喜んで育てるような女性ではありませんでした。その時トムが年配看護師の助言で目にしたのは,これまで同僚としてしか見ていなかったアニーだったのです。自分と同じように地域医療に携わることを選択し,片田舎の町にやってきたアニーとの医師としての仕事ぶりは立派で,しかも若いのに派手な格好をせず,「歳を取っても独身でずっと働いてくれそうだ」と思われていたアニーが,眼鏡を外し,髪を下ろして身体のサイズに合う服を着てみると,素晴らしい美人であることが見えてくるではありませんか。「父は私が幼いころに出ていったの。母にとっては,私もいらない存在だった。私の姉は美人なの。それに比べて私はこんなふうだから」と自分の容貌に自信を持てないアニーは仕事一筋の人生を送ろうと決めていたのです。一方トムは女性なら誰もが振り向いてしまう容貌と医師としてのステータスをもち,アニーも密かにトムに対して憧れの気持ちをもっていたのでした。しかしトムがこれまでとっかえひっかえ付き合ってきた女性はいわゆるモデル体形と美貌を兼ね備えた女性ばかり。自分のような女性を振り向いてくれるはずがないと思っています。そんなトムが,赤ん坊が現れたとたんに自分と結婚したと言いだしたのですから,いくら自分の魅力や美辞麗句を告げられても信用できません。きっぱりと申し出を断るアニー。それが,看護師たちの目から見るとアニーも美人でトムとの相性もバッチリで,二人がこの病院に勤めてくれている間は町の医療も安泰だと勝手な憶測で噂をし出したのでした。2週間経ってもアニーの返事は同じです。このままではこの病院にもいられない,月末には辞職するとアニーは言い出しました。その後病院内だけでなく町のあらゆるところでアニーを説得する声が高まります。しかしトムの口からはこの結婚の有利性ばかり聞かされ,肝心の「愛」の一言も聞けません。しかし周りに説得される形でアニーは結局結婚を承諾するのでした。式の後も,トムは娘のハンナには愛情を注ぎますが,アニーとは病院のシフトの関係ですれ違いばかり。夜はベッドを共にするものの,朝になるとまた心は離れているように思えるのでした。休日に浜辺でおぼれかけた人を助けにトムが海に入り,アニーも命綱を投げて協力して助け上げるのですが,このときトムを失うことがどんなに辛くなるのか身をもって体験したアニー。そしてもう一つ大事件が起こり,アニーは脚に重篤な怪我を負ったとき,トムはアニーを愛していることに気付くのです。
 相手を失うようなことを体験したときに始めて分かる相手への愛。愛はもらうものではなく,与えるもの。そんなメッセージが伝わってくるハートウォーミングな作品です。それにしても,ヒロインの名前がアニー・バロウズ(有名なヒストリカルロマンス作家と同名)とはなんてことでしょう・・・。


タグ:イマージュ
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