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2月の閲覧履歴 [toppage]

3月1日,思いがけない夜半の雪で高校等の卒業式も大変だったようです。朝出勤途中で通り過ぎる高校の前では足早に校門をくぐる振り袖姿の高校生たちの姿を見ました。自分の出た高校ですが,数年前に男女共学になり女子生徒が多数いることを改めて実感できた風景でした。

さて,2016年2月のブログの閲覧者数の多かったベストスリーは,

1位 シークの隠された妻(リン・グレアム) SHALOCKMEMO1164
2位 かりそめのプリンセス(ジュールズ・ベネット) SHALOCKMEMO1157
3位 異端のギリシア大富豪(レベッカ・ウィンターズ) SHALOCKMEMO1159

という結果でした。なかでもリン・グレアム作品はぶっちぎりの1位でした。
2月は後半エマ・ダーシー作品を立て続けに読みましたが,いずれも素晴らしい作品でした。

また,2月の「イチオシ」マークは,
1 かりそめのプリンセス(ジュールズ・ベネット) SHALOCKMEMO1157
2 異端のギリシア大富豪(レベッカ・ウィンターズ) SHALOCKMEMO1159
3 ねじれた愛(アビー・グリーン) SHALOCKMEMO1167
4 伯爵との一夜の後で(ジェシカ・ギルモア) SHALOCKMEMO1170
5 心の扉(エマ・ダーシー) SHALOCKMEMO1173
6 ジャスミンの罠(エマ・ダーシー) SHALOCKMEMO1175
7 花嫁の悲しい嘘(メイシー・イエーツ) SHALOCKMEMO1180

の7本に付けさせていただきました。
閲覧者数第1位のリン・グレアム作品は「オススメ」マークでした。

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ブエノスアイレスの別れ [マギー・コックス]

SHALOCKMEMO1182
ブエノスアイレスの別れ The Buenos Aires Marriage Deal 2009」
マギー・コックス 長田乃莉子





 原題は「ブエノス・アイレスの取引結婚」
 ヒロイン:ブリアナ・ダグラス(27歳)/外国客の接待会社経営/グレーの瞳,なめらかな頬,ふっくらした誘うような唇。
 ヒーロー:パスカル・ドミンゲス(41歳)/アルゼンチンの富豪
 イタリアのパレルモではなく,アルゼンチンのパレルモに馬の飼育場を含めたポロ競技用の馬牧場をもつ富豪パスカルは,婚約者ブリアナとの結婚式を1週間後に控えています。友人のベビーシッターをしていたブリアナと出会ったパスカルは一目でブリアナに夢中になってしまいます。そしてプロポーズを受け入れてくれたブリアナでしたが,帰宅したパスカルを待ち受けていた家政婦のソフィアの口から,ブリアナの出奔を聞かされたのです。「この結婚はうまくいくわけがないとだんだん分かってきたのです」という短い手紙を残して・・・。
 5年後の現在。イギリス,ウォーリックシャーのテューダー様式の歴史的建造物の屋敷で,ポロ競技用の馬の買い入れを申し出た3人の客との会議ためにイギリスを訪れたパスカルは,その会議をうまく運ぶために紳士方の世話をする会社の係としてブリアナに再会します。ブリアナの会社経営は1年半前にはかなり順調でしたが,最近では発注が少なく,この仕事がうまくいかないと,もう会社を維持していくのも難しいほど借金を抱えることになってしまう状況でした。ブリアナは5年前にパスカルの元を去って帰国した後妊娠を知り,一粒種のアダンを産み,近くに住む母の支援を得ながらシングルマザーとして事業を立ち上げていたのです。22歳で世間知らずのままアルゼンチンで気楽にいろいろな仕事をしながら暮らしていたときパスカルと出会い,恋に落ちたブリアナですが,上流階級に所属して裕福なパスカルとの社会格差を感じ,婚約した後のあるパーティでパスカルの元恋人とパスカルが派手に抱き合っている姿を見て,自分の将来を不安に思い,衝動的に出奔を決意したのでした。「濃厚なココアのような色の瞳と高い頬骨,官能的で男らしい唇のハンサムな」パスカルから,ここで何をしていると声を掛けられたブリアナは驚愕します。この週末の外国からの客がパスカルだとは予想もしなかったからです。そしてパスカルから5年前なぜ突然自分を捨てて出ていったのかと難詰するパスカルに,仕事の後で説明するからと必死に訴えるブリアナですが,仕事よりあの時の理由をきちんと説明するようにと迫るパスカル。なんとか自分を奮い立たせて接客に集中しようとするブリアナですが,一人息子アダンの存在を説明するためには長いこと自分の当時の気持ちを説明する必要があると判断したからでした。パスカルは今でもブリアナを一目見た瞬間から「マリリン・モンローのような完璧な曲線を描く」ブリアナに血を熱く騒がせる官能の香気を感じてしまう自分に驚きます。しかしあの時自分を捨てたブリアナを許す気持ちはありませんでした。そしてその夜ブリアナの部下のティナと話をしたパスカルはブリアナに子どもがいることを聞きだし,夜半にもかかわらずブリアナの部屋に押し入ってそのことを黙っていたことを非難するのでした。ブリアナは5年前のあの日,パーティでパスカルとクラウディアという元恋人との抱擁のシーンを説明しますが,パスカルの言い分は,あれは自分が誘ったのではなく酔ったクラウディアが仕掛けた戯れに過ぎないこと,そしてその時何故自分にその理由を尋ねなかったのかと逆切れします。さらに,5年間も息子の存在を知らせず,隠し続けていたことを非難するのでした。翌日会議の合間にブリアナの家に一緒に行き,アダンとパスカルは出会いを果たします。心配していたブリアナですが,初めはパスカルがアダンにママの親しい友人だと自分を紹介したことで少し安心しました。そして人見知りの強いはずのアダンもパスカルにはすぐに打ち解け,二人が親子であることは一目瞭然であることに母も気付いたのでした。仕事である会合が終了し,2日後,パスカルはアダンとブリアナを伴って,アルゼンチンに帰国します。帰国したその日にパスカルの両親と従兄弟が家を訪れます。かつてブリアナのことを全く認めずにことごとく冷たい態度を崩さなかったパスカルの母との再会を不安に思っていたブリアナですが,パスカルはブリアナを守るように常にそばにいてくれました。そしてアダンにはだれもが夢中になってしまうのでした。そして二人は改めて結婚式を挙げ,3人で生活することにします。息子のための結婚,それはブリアナにとっては納得できないことでしたが,5年前の気持ちを少しずつパスカルが理解してくれている様子が見て取れ,なにより未だにパスカルを愛し,求めている自分に気付き,ブリアナはもう一度勇気を出して見ようと思えるようになったのでした。ここにブリアナの心の成長と母としての強さが感じられるのです。そして数日後昔仲の良かったパスカルの友人夫妻との昼食の席で,ブリアナが席を立ったとき,友人夫妻はパスカルに思いがけないことを知らせるのでした。5年前のパーティでクラウディアがパスカルに言い寄ったのはパスカルの母の企てであり,今は幸せな結婚をしているクラウディアはそのことを後悔し,パスカルにも幸せを取り戻して欲しいと思っているということでした。当時のブリアナの心の葛藤を初めて知ったパルカルはあらためてブリアナを愛していこうと心に誓うのでした。
 あの時もう少し互いの立場や心の動きに注意していれば・・・。しかしその別れを経験したからこそ,現在の互いの成長を確信し,いっそう愛が深まるのだという作者のメッセージが伝わってくる暖かい感動のストーリーです。


タグ:ロマンス
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