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再会は甘い苦しみ [マギー・コックス]

SHALOCKMEMO1183
再会は甘い苦しみ The Marriage Renewal 2003」
マギー・コックス 水間 朋





 原題は「やり直しの結婚」
 ヒロイン:タラ・シモンセン(30歳)/元バレエ教師,叔母のアンティークショップの店員/細身で金髪,エメラルド色の緑の目
 ヒーロー:マクセン(マック)・シモンセン(38歳)/広告会社経営/父はノルウェー人/金髪長身でバイキングのような体格,青い瞳
 面白くて一気読みでした。無駄なところがなく,関係を修復しようとする夫婦の葛藤を見事に描き出しています。5年前,仕事中毒の夫に嫌気がさしたタラの一言でマックは家を出て行ってしまいます。その後妊娠に気付いたタラですが,妊娠6カ月で息子を亡くしてしまいました。ガブリエルと名づけた子を。別居してからの5年間全く音沙汰のなかった夫が,駅で具合を悪くしたタラの元にやってきます。他の女性と結婚したいから離婚してくれと・・・。法律上はまだ離婚していなかったからです。アッサリ了承したタラですが,数日後,叔母の店を訪れたマックは今度は結婚生活をやり直さないかというのです。タラの流産の話を聞き,現在の恋人アメリとの結婚は自分のためにはならないとマックが考え直したからです。そして初めて1カ月の休暇を取ったのでアイルランドの会社の同僚の別荘に二人で行かないかと誘うのでした。もう一度だけ二人の関係が修復できるかやってみたくなったタラは,口を開く度にマックに拒絶の言葉を話すのですが,マックの魅力に惹かれてしまうことも否定できません。別荘での大罪は二人の関係を元以上に深めていくのでした。タラはバレエ教室の教師をやっていたことからもスタイルに恵まれ,さらに愛らしい若々しさを失っていません。一方のマックはノルウェー人の父の血もありバイキング風の風貌と体格の女性なら誰しも振り返る美貌にあふれた男性でした。端から見ればまさにベストカップルと言って良いでしょう。しかし,仕事オンリーだったマックに対する不満をぶつけるうちに,マックが前とは全く異なった思いやりの言葉や行動をするようになったことに,自分ももっとマックに言うべきことを言った方がよかったことを反省します。そんな二人のところに,またもや会社からの電話が入ります。またマックが出ていくのではないかと怯えるタラ。深夜を過ぎても帰宅しないマックにまた騙されたと思い込むタラでした。しかし,遅くなったことで心配させないように電話をしなかったマックは午前3時頃別荘に到着します。二人の間のわだかまりは頂点に達しますが,互いに率直な気持ちを言い合ったことで,逆に心のつながりは深まるのでした。そしてタラが再び妊娠します。お祝いの食事をしているところにマックの元恋人アメリがやってきて,タラに嫌みをたっぷりというのですが,逆に立ち上がってアメリをこてんぱんに打ちのめす言葉を言ってのけるのでした。そして自分たちと同じように夫の仕事のことで喧嘩をして食事の席からトイレに逃げ込んできた若い女性を諭し,二人を自分たちの食事の席に招く度量の大きさを魅せるタラ。5年間のタラの変化に気付き,目を細めるマックでした。数ヶ月後会社で会議中のマックのもとに電話が入ります。会社の受付にタラが来ているというのです。出産予定日に近いことから何かあったのではないかと心配で駆けつけるマック。さぁ結末はどうなるのでしょうか・・・。
 マギー・コックス作品を3冊続けて読んできました。本作が最も面白かったです。タラとマックの会話にもリズムがあって面白いし,タラの叔母ベスの存在も二人の応援団として,そして何より母親代わりの貴重な存在としての位置を占めています。そして二人の熱愛ぶりがさわやかで好感が持てる作品です。


タグ:ロマンス
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