SSブログ

王子と孤独なシンデレラ [クリスティン・リマー]

SHALOCKMEMO1192
王子と孤独なシンデレラ The Prince's Secret Baby
Bravo Royales 1 ) 2012」
クリスティン・リマー 宮崎亜美





 原題は「王子の秘密の息子」
 ヒロイン:シドニー・オシェア(34歳)/テキサス出身,両親を幼い頃亡くし祖母に育てられる/弁護士:法律事務所パートナー
 ヒーロー:ルール・ブラボー=カラブレッティ(32歳)/モンテドーロ公国王子(次男),貿易商/漆黒の瞳,高い頬骨,男らしい顎,シャープな鼻,広い肩
 クリスティン・リマーの大河小説「都合のいい結婚」,そのモンテドーロ公国を舞台にしたシリーズの第1巻です。「無垢な天使の祈り(SHALOCKMEMO1103)」は既読です。ヒロイン,シドニーの毅然として頭の回転が良く,少々頑固な一面がヒーローのルールに気に入られたところですが,容貌の美しさ以上にその性格・行動力・愛情深いところが前面に出ています。その分,なかなか勇気が出ず自分の息子のことをなかなか言い出せずにうじうじしているルールの情けなさが,以外とかわいいと思えるのも,シドニーの一言,つまり真実を知って,そのことを言い出せずにいたルールを許せはしないけれども,タブロイド紙が全くの想像で記事を出したことも許せず,自分の夫の名誉を傷つけたと怒るシーンです。そしてそんな二人をとても温かく見守り,二人の解決を任せようとするルールの両親も,大公家のとても素敵な家族愛のなせるワザだろうと,読者を温かい気持ちにさせてくれます。
 登場人物が多い作品ですが,このブラボー=カラブレッティ家には8人も兄弟姉妹がおり,それぞれがヒーロー,ヒロインになっただけでも8作ができることになりますし,さらに父方の従兄弟たちがアメリカ,テキサス州を中心に広がっていますから,大きなシリーズになることが予想されます。すでにこちらの方も再刊,電子化がすすんでいますので,いずれ全巻を読んでみたいものだと思います。また,本作中でもシドニーの親友で息子の子守もしてくれている作家志望の女性,ラニの存在も貴重です。シリーズのどこかで彼女がヒロインになって欲しいと言う気にさせる,なんとなく気になる女性です。さて,エピローグでは次作のヒロイン,リリアナ王女のことが述べられているところ,作者のシリーズへの格好の広報活動もなかなか巧みですね。


タグ:イマージュ
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

嬉しくないプロポーズ [キム・ローレンス]

SHALOCKMEMO1191
嬉しくないプロポーズ Accidental Baby
Expecting 15 ) 1999」
キム・ローレンス 漆原 麗




HQB-720
16.03/¥670/208p

R-1582
00.05/¥672/156p


 原題は「偶然できた赤ちゃん」
 ヒロイン:ジョー・スミス(27歳)/会計士/髪は黒
 ヒーロー:リーアム・ラファティ(29歳)/報道記者/193センチ,髪は黒,肌はオリーブ色,目立つ鼻と濃い眉。
 男女の友情はあり得るのか?恋人との別れの辛さから慰めを求めて友人の男性と一夜を過ごしてしまったヒロインが,結婚を取るか,独立を取るかと究極の選択を迫られるお話しです。「イングランド東部のイースト・アングリアで生まれ育って家も近く母親同士は学校時代の友人で」父親同士も獣医と馬のブリーダーという深い関係のスミス家とラファティ家。「こんな状況でのプロポーズなんて悲惨だわ」とリーアムとの結婚を頑なに拒むジョーは,とにかく独立心とプライドの高い女性です。会計士という職業柄というだけでなく,昔から友人としてしか見ていなかったリーアムとの結婚を拒む理由は「友情で結ばれた結婚はきっとうまくいくでしょうけど,わたしは燃えるものが欲しいのよ。」というのが理由です。一方リーアムの方は,キャリアを築き上げてきたジョーのこれまでの苦労を知っているだけに,結婚・出産によってジョーの仕事への情熱が邪魔されるのではないかと,申し訳ないという気持ちの方が初めは強かったのですが,自分の両親からもジョーの父親からも非難を浴び,なんとしても法的に結婚という形を取ることが責任を取ること,そして子どもの父親として将来をすごしたいという,男性として当たり前の気持ちでいたのでした。ところがところが・・・ジョーは結局結婚を承諾するのですが,結婚式の前日にもこの結婚を投げだそうとします。リーアムはジョーを説得できるのでしょうか。そして本当の夫婦になれるのでしょうか。はたまた,ジョーとリーアムの本音は?本当に子どものための結婚というだけなのでしょうか?
 ジョー・スミスといえば普通男性の名前ですがあえてそんな名前(ジョーはジョセフィーンかなんかの略かもしれませんが古風なのでジョーを本名にしたのかも?)にした作者の意図は詳細には語られていないように思いますが,男性並みに気の強い,短気で・・・ということなのかもしれませんね。HQB版の表紙のモデルさんはジョーのなんとなく投げやり,というより気怠げな雰囲気をあらわしていて,この結婚がうんざりだという気持ちを表しているように思います。ジョーの元恋人ジャスティン,リーアムに想いを寄せるスーザンなども絡んで,とにかく二人の会話と心理描写が楽しい作品です。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。