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彼女が大人になるまで [ダイアナ・パーマー]

SHALOCKMEMO1199
彼女が大人になるまで Texas Born
( Long Tall Texan 42 ) 2014」
ダイアナ・パーマー 平江まゆみ





 原題は「テキサス生まれ」
 ヒロイン:ミシェル・ゴドフリー(17歳)/髪はブロンド,クリーム色の肌,グレーの瞳/新聞記者志望
 ヒーロー:ガブリエル・ブランドン(24歳)/傭兵/ミシェルの法定後見人
 初恋の人が運命の人,不幸な今があるからこそ幸福な未来がある,そんなメッセージを常に出し続けるダイアナ・パーマーの2014年の作品です。ハーレクイン・ディザイアの1700号記念号にも当たり,作家本人のメッセージも添えられています。ちょっと確認してみるとD-1600はアン・メイジャーの「かなわぬ恋にこの身を捧げ(2014.02),D-1500はダイアナ・パーマーの「涙のバージンロード(2012.01)」,D-1400はダイアナ・パーマーの「恋するアリス(2010.09)」,D-1300はダイアナ・パーマーの「幼さと戸惑いと(2009.05)」などなど,節目になるディザイア翻訳にはこの人をもってくるのが戦略となっているかのようです。最近のテキサスの恋シリーズには,現代の問題点であるテロ対策などが取り上げられ,ロマサス的な雰囲気も多くなってきていますが,実際の場面を描くのではなく,ヒーローの活動をヒロイン側から,つまりちょっと俯瞰的な視点から描くことで問題点にのめり込むのではなく巻き込まれ型的にかかわっていくというような方法がとられているように思います。今回この作品に触れたところから,改めて最近のダイアナ・パーマー作品を読んでみようと思い,何作かダウンロードしました。これまで紙媒体中心だったパーマー作品ですが,改めて電子版で集めてみようと思っています。さて,本作ですが・・・
 高名な医師だった父がガンで亡くなってしまい,継母に徹底的に虐められるようになってしまったミシェル。しかし,継母の行動がこの頃ちょっとおかしいのです。学校の帰りにアルバイトを求めて新聞社に寄ってきたミシェルはすっかり遅くなって帰宅します。予想どおり継母から夕食はまだかと頭ごなしに叱られますが,継母は具合が悪そうです。そして食事中ちょっと外に出ると言って玄関先で倒れてしまい,急いで救急車を呼びますが,救急車が到着したときには死亡を確認するだけでした。父親に続き継母をも失ってしまったミシェル。しかし三代にわたって地元に根付いてきたミシェルに教区牧師はじめ大勢の人が同情を寄せてくれます。最大の救いの手をさしのべてくれたのは隣人のガブリエル・ブランドンでした。ガブリエルはミシェルの法定後見人になってくれ,継母が付き合っていた悪い仲間からの報復があるかもしれないという理由で,カナダにいる妹を呼び寄せ,自分の屋敷に一緒に住むように取りはからってくれたのです。たんなる恩義を感じているだけでなく,14歳の時にすでに憧れを抱いていたガブリエルからの申し出に感謝するとともに,やがて高校を卒業して大人になったらガブリエルは自分を振り向いてくれるようになるかもしれないと期待もしています。ミシェルにとってガブリエルは謎の人でもありました。高価な車を所持し,数カ国語を操り,妹のサラともフランス語で話をします。しかしどこに勤めているのかは教えてくれません。やがて,高校を卒業し,大学での寮生活からルームメイトと共にアパートに移り,大学でジャーナリズムを専攻して優等の成績で卒業します。ガブリエルとサラは節目節目にミシェルにサプライズのプレゼントをくれたり成長を一緒に祝ってくれたりします。二人の支えを得て,ミシェルは大手の新聞社に勤めることになりました。そして,中東で起こったアメリカ人傭兵による村人虐殺事件を取材することになり,地元の新聞社の協力を得て誰の取材にも応じない傭兵学校のオーナーに取材を許可されます。そしてさらに事件を調べていき,スクープをものにするのですが,犯人が傭兵たちではないとする小さな証言を見逃してしまい間違った結論を導き出してしまうのでした。そして犯人とされていた傭兵たちの中にガブリエルがいることを知り衝撃を受けます。サラからも非難の電話があり,すっかりことの重大さに気落ちするミシェル。しかし公平に事実を告げなければならないという使命感で,テレビ番組で,実は傭兵たちはテロ組織に利用されただけだという証言を得ることが出来るのでした。やがて地元の元の家に落ち着いたミシェル。ガブリエルやサラからは連絡はなく,こちらからも連絡が出来ない状態が続きます。日曜日の教会の礼拝で牧師から帰ってきたことを喜ばれたものの,心は死んだままの状態でした。家に帰ったミシェルを,あの人が出迎えます・・・。
 ミシェルの成長,ガブリエルのミシェルを見守る我慢強さ,そして町の人たちの暖かい心遣いなど,どれをとってもハートウォーミングなダイアナ・パーマーらしい傑作です。一気読み間違いなし。


タグ:ディザイア
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