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明かせぬ愛の明かし [キャロル・マリネッリ]

SHALOCKMEMO1201
明かせぬ愛の証 One Night in Emergency
( A & E Drama 14 ) 2004」
キャロル・マリネッリ 藤崎香里





 原題は「救急科の一夜」
 舞台:メルボルン
 ヒロイン:エレノア・ルイス(23歳)/メルボルン・セントラル病院救急科の看護師/ブロンドの髪,ブルー(青磁色)の瞳,薔薇のつぼみを思わせる唇,女性らしいシルエット,身長160センチ弱
 ヒーロー:ローリー・ハンター(35歳)/メルボルン・セントラル病院救急科の専門医/190センチを超える身長,ダークブロンドの髪。
 美しいが故の悲劇。メルボルンの大病院の救急科に転院してきた看護師エレノアは,美貌に優れているゆえに,前の病院では看護師長のリタにおつむの弱い,医者との関係だけを狙っている女性と思われ,仕事上の能力を認められないことに嫌気がさし,転院を申し出てきたのでした。勤務の初日はゲイの男性派遣看護師ピエールや看護師長メアリとの笑えないやりとりがあり,それでも前向きに仕事に励もうとします。その結果,病院の専門医ローリーを酔った患者と間違え,大げさな治療をしてしまうというミスを犯してしまうのでした。この状況も結構面白い場面ですが,その翌朝からエレノアが失敗が救急科全体の噂となってしまい,逆にローリーがエレノアを気遣っていくという思いがけない結果になっていきます。その後,94歳の老嬢の最期を看取ったり,乳幼児の突然死を担当したりと,仕事の中で傷つくことの多い救急科の日常が描かれます。そして,突然死した1歳半の赤ん坊の担当で疲れ切った夜,ローリーに慰められたエレノアは,一夜を共にしてしまいます。美人看護師と女性ならだれしも狙おうとする美形の専門医との関係。これは,院内では常に噂になり,エレノアの方が働きにくくなることは必至でした。「愛は放っておくと生煮えになる。愛はほおっておいても煮こぼれないこともある。愛は放っておくと焦げついて真っ黒なしつこい汚れとなり,それを落とすのは容易ではない。」という名言がエレノアの心に巣くいます。ローリーはエレノアの看護師としてのキャリアをふいにしたくなくてわざと冷たい態度を取るのですが,ローリーを愛してしまい,ローリーの子どもを身ごもってしまったエレノアにとっては,もはやこの病院ではやっていけないと辞表を看護師長のメアリーに提出するのでした。最後の勤務だと思っていたとき,薬物中毒の患者ポール・ランにローリーやメアリーが冷たい態度を取るのを見過ごせなくなったエレノアは,できるだけポールの意に沿うようにするのでした。ところが鎮痛剤を薬品室に取りに行ったエレノアの後をついて行ったポールに監禁され,しかもメスで刺されてしまいます。この事件をきっかけに,妊娠とローリーとの関係を知られてしまったエレノアですが・・・。
 人情に厚い熱血看護師と救急専門医,そして救急科のスタッフたちとの暖かい交流が見事に描かれ,ドラマチックな展開が描かれた秀作です。MB版の表紙ではエレノアの様子が分かりづらいですがHQ_MD-ROM版の表紙では,エレノアの美貌がよく分かり,エレノアを愛してしまうローリーの気持ちがうかがえるイメージになっています。SHALOCKMEMO1200を数え,次の100冊,SHALOCKMEMO1201にふさわしい作品となりました。


タグ:イマージュ
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