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百万ポンドの偽の花嫁 [シャンテル・ショー]

SHALOCKMEMO1238
百万ポンドの偽の花嫁 A Bride Worth Millions
( Howard Sister 2 ) 2015」
シャンテル・ショー 柴田礼子





 原題は「百万の価値の花嫁」
 ヒロイン:アテナ・ハワード(25歳)/元保育士助手/サファイアブルーの瞳,卵形の顔,頑固な性格を物語るしっかりした顎/
 ヒーロー:ルカ・デ・ロッシ(35歳)/「デ・ロッシ・エンタープライズ」経営者,ファッションデザイナー/琥珀色の虹彩に金色の斑点が散る珍しい瞳/
 「国王の許されぬ愛人(SHALOCKMEMO1155)」で見事な活躍を見せたレクシー・ハワードの妹(養父母の実子)アテナのロマンスです。ヒーローのルカ・デ・ロッシは「デ・ロッシ・エンタープライズ」の経営者で,ファッションデザイナー。婚外子として父親から捨てられ,母親を亡くし,祖父母もいやいや引き取りはしたものの,直系の孫ということで会社の経営を引き継いでいますが,祖母の遺言で,35歳までに結婚しなければデ・ロッシ家の全ての財産を従兄弟に譲らなければならないことになっています。フランス人モデルと契約的結婚をしようとしていましたが,結婚式場から逃げだしたアテナとの行動が大々的に報道されてしまったために契約結婚を諦めざるを得なくなり,仕方なく選んだ選択はアテナとの結婚でした。姉レクシーとは違って小柄で豊満な体型をしたアテナ。MB版の表紙モデルはいささか美しすぎて,アテナの感じはでていませんが,それでもアテナが両親から常に姉レクシーと比べられ自分に自信がないことによる思い過ごしだとすると,ルカが魅力を感じるほどの美しさを秘めた女性なのかもしれません。ギリシア神話のアフロディーテのようだと形容されるととたんに恐怖に囚われてしまうのは,かつて家庭教師から受けた性的暴行を思い出すからです。ルカのような美しい男性が自分を好きになるはずがない,しかも,契約結婚で初めから愛を期待しないようにと念押しされていた二人の関係ですが,傲慢ながらも時に優しさが垣間見えるルカの行動に次第に惹かれてしまうアテナでした。契約結婚ではあるものの一族,特に大叔父には本物の結婚のようにみせなければならないため,パパラッチにわざと二人の甘い関係のように見せようと始終触れあっている間に,男性恐怖症も次第に薄まっていくのですが,いざ寝室に入ってみると恐怖心が戻ってきてしまうアテネに,ルカは自分をじらすためのわざとらしい行動と取り,アテナを非難するのですが,モデル体形ではないアテナに強烈な魅力を感じ,しかも普段女性に話したことのないことまで話してしまう自分に驚いてもいるのでした。ルカにはロザリーという娘がいました。結婚はしなかったものの,かつて愛した女性との間の娘で,退行性の遺伝的病気でベッドを離れるときは車椅子が必要だったのですが,ロザリーもまた病気が表れると母親に捨てられてしまい,ヴィラ・デ・ロッシというコモ湖畔の屋敷での生活が,ロザリーの病気療養にとっては,最も必要な条件なのでした。アテナもまた,インドのジャイプールにある「ハッピースマイル」という施設で捨てられたこどもたちの養育に支援していたのですが,そのためにルカに提示された100万ポンドのお金があれば,施設の改修と維持費としてはまさにうってつけの条件だったのです。100万ポンドを自分の贅沢のために要求されたと思っていたルカは,アテナがちっとも宝石や服を買おうとせず,着飾ることをしないのを不思議に思いますが,何のためにお金が必要なのかを聞くところまではしませんでした。ラスヴェガスでの簡単な式で正式に夫婦になったアテナとルカ。次第にルカはアテナの女性としての魅力に惹かれ,そしてアテナもルカとの関係が深まって本物の結婚にしたいと思うほどルカを愛してしまいます。そこに,姉が嫁いだゼンフルから知らせが届きます。姉の生んだ子どもの心臓に欠陥があることが分かったのです。急ぎ砂漠の国に向かうルカとアテナ。幸いファイサルと名づけられた息子の病は軽いもので大事はなかったのですが,アテナを愛し始めたルカには,娘ロザリーに遺伝した病気の遺伝子があり,アテナが望む自分の子供たちを与えられないことが分かっていました。いずれアテナの希望に添う健康的な男性と再婚することを願って,自分の事業を整理して遺産を断り,契約を打ち切ることを決意したルカ。傷心の内にアテナはその夜の内にルカの元を去ってしまうのでした。そしてインドの「ハッピースマイル」に直行したアテナの元を,数日後にルカが訪れます。さぁ,二人の関係は復活するのでしょうか。今度はルカはどんな提案をアテナにするのでしょうか。
 前作のヒロインで姉レクシーとは正反対の要望と性格を持つアテナもまた魅力的なヒロインです。どちらも両親や祖父母から認められなかった過去を持つ二人が運命的な出会いをして愛を手に入れるまでのロマンスらしいストーリー展開で,一気読み間違いなしの秀作です。


タグ:ロマンス
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