SSブログ

情熱の罠 [リン・グレアム]

SHALOCKMEMO1293
情熱の罠 Prisoner of Passion 1996」
リン・グレアム 有光美穂子




HQSP-117
16.07/¥540/216p

R-1341
97.09/¥672/156p


 原題は「情熱の虜」
 ヒロイン:ベラ・ジェニングス(21歳)/画家/金褐色の髪,長い脚,高いIQだが文字に弱い/
 ヒーロー:リコ・ダ・シルヴァ(32歳)/銀行家/身長190センチ,広い肩,細い腰,引き締まった脚,金色の光彩を放つ黒い目/
 紙本では何度もHQB版を見ていましたが,いまいち表紙が気に入らずに読まずにいましたが,HQSPがKINDLEで出たのを見て購入しました。HQSP版はなんといっても価格が良いですね。それに表紙もちょっと良くなっています。さて,一言で言ってこんなに面白い作品だったのかと脱帽です。とにかく登場人物たちがとても生き生きと描かれており,それぞれがとても個性豊かな,1冊にこんなにも面白い人物をこんなにたくさん登場させてもったいないと思えるほどです。ヒロインのベラ,ヒーローのリコは言うに及ばず,ベラと一緒に住む画家の老人ヘクター,執事のハヴァシャム,ベラの友人リズ,絵に詳しい警視,などなど。そしてベラのボーイフレンドのグリフだけが没個性の真面目弁護士で,逆に周囲とのあまりの違いに,凡庸であるだけに個性が光ってくるという不思議な効果をもたらしています。出来事としては,最初にベラが21歳の誕生日の深夜リコの高級車に車をぶつけてしまうところ,そしてリコとベラが誘拐犯に誘拐され,コンテナに閉じ込められてしまうこと,さらにヘクターの入院,そしてベラの妊娠と次から次に出来事が起こり,読者を飽きさせません。その時その時にベラの取る行動や言葉にリコはきりきり舞いさせられますが,それが逆にベラへの愛を深めていくところがなんとも心地よいのです。そして互いに相手の本当の気持ちに気付かないまま物語終盤まで引っ張るところが作者のしたたかさとベテランの味を感じさせます。既読30冊を数えるグレアム作品ですが,本作はその中でもピカイチ間違いなしの作品です。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

潮風と砂と金の髪 [リンゼイ・スティーヴンス]

SHALOCKMEMO1292
潮風と砂と金の髪 His Cousin's Wife
( Forbidden 10 ) 1996」
リンゼイ・スティーヴンス 竹原 麗




HQB-741
16.07/¥670/224p

R-1639
00.12/¥672/156p


 原題は「彼の従弟の妻」
 ヒロイン:シェイ・フィンレー(28歳)/ブティック経営者/緑色の瞳/
 ヒーロー:アレックス・フィンレー(32歳)/投資家/チョコレートブラウンの瞳,金髪,高校での成績は常にトップでスポーツ万能のラガー/
 「白い屋敷に誰かが引っ越してくるらしい」,最愛の息子ニールからその話を聞いていたシェイは,その夜出かけた「地域向上委員会」でアレックスと再会するとは予想もしていなかった。あの時の思い出の詰まった海岸の砂浜。ニールと親友のピートが訪ねていった白い館にニールを迎えに行ってアレックスとその砂浜を見つめている内にかつての燃えるような日々を思い出さないわけにはいかなかった。あの時アレックスが自分を捨ててアメリカに渡ってしまったことをシェイはずっと苦い思いで暮らしてきた。そしてアレックスの従弟で夫ジェイミーが自分とニールを救ってくれたこと,その母ノーラが実の母同様にシェイとニールを大切にしてくれたことに感謝を忘れたことはなかった。ニールとアレックスはシェイの思惑とは反対にどんどん親しくなってしまう。ひたすらアレックスへの思いを否定しようとするシェイですが,ちょっとアレックスに触れられただけで11年前の17歳だった頃のシェイに逆戻りしてしまいます。アレックスはまだ若かったシェイのために自分の想いを押し殺してアメリカに渡ったのでした。その時すでにニールを身ごもっていたシェイは子供が出来ないジェイミーとの結婚によってアレックスとの関係を断ち切ろうとし,その知らせを聞いたアレックスもまたパティとの結婚に踏み切ったのでした。しかし薬物依存に陥ったパティとの結婚生活はすぐに破綻し,ニールの誕生とその後の幸せなシェイの生活をジェイミーからの知らせで知っていたのです。ジェイミーの葬式にアレックスが来なかったのにも仕事ではなくパティとの関係において重大な事案が発生し,くることができなかったのです。離婚後やっとパティが他の男性と結婚し,アレックスは戻ってくることが出来る状況になったのでした。その後,ノーラの入院と手術,そしてニールの乗ったスクールバスの事故と,いくつかの事件があり,アレックスとシェイの関係は次第に変化していくのです。
 ティーンエイジャーの頃の初恋同士の相手との再会というテーマを扱った作品。ちょっとアレックスの情けなさが気になりますが,シェイに無理強いしたくないという思いからだったことでなんとか説明を付けようとしていますが,もう少しなにか別の方法があったはずだという気がしますね。オーストラリア最東端のバイロン・ベイと有名な灯台が登場し,風光明媚な美しさが想像できる作品です。


タグ:ロマンス
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。