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幻を愛した大富豪 [ケイトリン・クルーズ]

SHALOCKMEMO1295
幻を愛した大富豪 Unwrapping the Castelli Secret
( Secret Heirs of Billionaires 1 ) 2015」
ケイトリン・クルーズ 麦田あかり





 原題は「明かされたカステリの秘密」
 ヒロイン:リリー・ホロウェイ(アリソン・ハーバート)(24歳)/ペットホテルの従業員/大きめで官能的な唇,彫刻のような頬骨,完璧なハート型の顔,ストロベリーブロンドの髪,青い瞳,体の右側にユリのタトゥー/
 ヒーロー:ラファエル・カステリ(歳)/ワイン製造業CEO,義兄/身長180センチ以上,金色の瞳/
 不思議な作品です。ヒロイン,リリーとヒーロー,ラファエルは両親の再婚によって義理の兄妹になりましたが,母親似の美貌にあふれた16歳のリリーにラファエルは惹かれてしまいます。そして秘密の恋人同士になりますが,恋人同士になったにもかかわらず,ラファエルは別の女性との交際を辞めようとはしませんでした。リリーが部屋で別の女性とベッドを共にしているラファエルに気付き,ショックのあまり義父の保有するスポーツカーで出かけ,事故を起こしてしまいます。奇跡的にリリーの怪我はかすり傷程度でしたが車は大破し,誰しもがリリーは亡くなったものと思い込みます。遺体がないにもかかわらず・・・。ときどき幽霊のように夢に現れるリリーを5年間探し続けるラファエルが,商用で訪れたヴァージニア州シャーロッツヴィルでリリーを見かけ,追いつきます。ところがリリーはアリソン・ハーバートと名告り,ラファエルを知らないといいだしたのです。記憶喪失ものか?と思いきや,リリーはある理由でラファエル,そして弟のルカとの出会いを避けるために嘘をついていたのです。その理由とは,事故の後気付いたラファエルとの間の子供を身ごもったこと。自分勝手に生きる母や何度も離婚結婚を繰り返す義父を見て育ち,義兄のラファエルにも裏切られたリリーは,結婚という制度や男女の愛には期待を抱かないように決意していたのでした。その為,運良く自分に仕事と住む家を提供し,働く間一人息子アルロの面倒も見てくれる恩人のペットホテルの経営者ペッパーの好意に甘えながらこの地で住んでいたのでした。そしてカステリ一族特にラファエルにはアルロの存在に気付かれたくなかったのですが・・・。翌日ペットホテルにラファエルが予告なしにやって来て玄関に出てきたアルロを見て,一目で自分の子供だと気付きます。最悪の事態となりました。しかもあの裏切りのことを忘れたかのようにリリーを探し続けていたと言うのです。その言葉を信じられないリリーはどんな証拠を示されても自分はアリソンだと記憶喪失を装い続けるのです。DNA鑑定の結果が出てからでさえ,自分がリリーだとは認めようとしません。そしてカステリ家のあるイタリアにアルロとともに連れて行かれます。アルロの存在が公になるとカステリ一族や家業のワイン製造にも打撃を与える大きなスキャンダルになります。初めはリリーが家の外に出ることを極端に嫌っていたラファエルですが,次第にリリーの魅力が5年前よりさらに増していることを認めざるを得なくなったラファエル。クリスマスパーティに一緒に行くことをなんとか認めさせるのですが,リリーはヴェネツィア独特の仮面を付けることを条件にやっとパーティへの参加を承諾するのでした。そしてダンスの途中で暗がりに連れて行かれて,体を奪われた時,思わず「5年前とちっとも変わらない」と口走ってしまったリリー。今までの記憶喪失が嘘だとばれてしまった一瞬でした。そして,リリーが出奔した理由を話さざるを得なくなり,その事実にショックを受けるラファエル。子供をおいて出ていくのか,結婚するのかと迫るラファエルに,リリーの怒りも頂点に達するか?と思いきや,自己反省してしまうリリー。当時は若かったのだと・・・。
 ちょっと昔と今のストーリーが,登場人物たちの記憶なのか今の状況なのかがわかりずらく,混乱することがたびたびでした。その辺りがスッキリすると良い作品だと思えるのですが,分かりづらい作品という印象が捨てきれませんでした。ラファエルがアルロに自分が父親だと告げたときのアルロの返事が傑作です。ラ「僕がパパなんだよ」ア「ずっと?」ラ「ずっとだよ」ア「すごいね」この部分が,アルロの気持ちを十分すぎるほど伝えてきます。そして二人の結婚とアルロの存在を知った父ジャンニの言葉も振るっています。「さまざまな形はあるが,愛は誰に対しても公平だ。流れに任せた方がどうにかなるものだ。」これが離婚結婚を繰り返すジャンニの生き方を象徴的に表している蓋し名言ですね。


タグ:ロマンス
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