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8月の閲覧履歴 [toppage]

台風9号が足早に通り過ぎたかと思うと台風10号は気象庁観測史上初の迷走台風。お盆期間中8日間の休みがありましたが,期間中は結構忙しい日々でした。
8月は時間があって,さぞやたくさん読めるかなと思っていましたが,なぜか時間があるときは余裕がありすぎて,読書以外のことをしてしまう傾向は,昔から変わらないですね。7月ほどの結果は残せませんでした。
今月は31日間で25冊の読了でした。

さて今月の閲覧履歴のベストスリーは,
1位 大富豪の約束なき情熱 キャロル・マリネッリ SHALOCKMEMO1321
2位 花嫁の告白 フィリス・ホールドーソン SHALOCKMEMO1311
2位 カリブ海の嵐 メアリー・ライアンズ SHALOCKMEMO1316
となりました。今月はダントツはなく,全体的に閲覧履歴は少なめでした。みなさんお盆休暇でネットよりどこかにお出かけだったようですね。

なお,8月のイチオシ作品は,
○ 花嫁の告白 フィリス・ホールドーソン SHALOCKMEMO1311
○ 闇に消えた花嫁 モディーン・ムーン SHALOCKMEMO1319
○ 大富豪と望まれぬ娘 アリスン・ロバーツ SHALOCKMEMO1322
○ 黒 猫 キャロル・モーティマー SHALOCKMEMO1328
○ 偽りの義妹 フィリス・ホールドーソン SHALOCKMEMO1331
○ プリンスの望まれぬ花嫁 キャット・シールド SHALOCKMEMO1332
の6作となりました。
タグ:閲覧履歴
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百八十夜の愛人契約 [シャンテル・ショー]

SHALOCKMEMO1334
百八十夜の愛人契約 Mistress of His Revenge
( Bought by the Brazilian 1 ) 2015」
シャンテル・ショー 中村美穂





 原題は「彼の復讐の愛人」
 ヒロイン:サブリナ・バンクロフト(28歳)/大学アンティーク家具講師,修復家,バンクロフト伯爵令嬢/目の覚めるような美女,抜群のスタイル,身長160センチ台,淡いブロンドの髪,灰色の目/
 ヒーロー:クルス・デルガド(34歳)/ブラジルのダイヤモンド鉱山所有者,「デルガド・ダイヤモンド」経営者/180センチを越える身長,オリーブグリーンの目,黒髪/
 ブラジルのベロオリゾンテ貧民街で少年時代を過ごしたクルス・デルガドと500年以上の歴史を持つイギリスのエバースレイ館を所有する伯爵令嬢サブリナ・バンクロフト,一般的には身分違いの二人はブラジルで互いを強く求め合う生活を送ります。10年前のことでした。しかし,サブリナは妊娠4ヶ月半で流産し,同時期にクルスの父親が鉱山事故で大怪我を負い,その怪我が元で亡くなるという出来事のせいで,二人は別れてしまいます。クルスが欲しかったのは私ではなく子供だけ。子供を失ったのに嘆き悲しむことがないサブリナは自分を愛してはいない。それにサブリナの父が自分の父を無理やり鉱山に向かわせて結果命を失うことになった。そんな気持ちのすれ違いと互いによく話し合うことをしなかったため,勘違いをしたまま互いを責める気持ちをもちつづけて別れてしまったのでした。この時の互いの気持ちのすれ違いが10年後の再会をぎくしゃくした状態でスタートさせることになります。サブリナたちバンクロフト伯爵家の住居エバースレイ館は,伯爵の借金と維持費の急激な増加のため,今や売却せざるを得ない状況までになっていました。なんとかして維持していこうと努力するサブリナは,富裕層に部屋を貸して料理を提供するホテル業的な企画をして少しでも借金を返そうとしていましたが,父とは連絡が取れず,さらに弟が高額の学費の必要な航空学校への進学を決めていたからです。母を亡くし,留守がちな父をもち,弟にとってサブリナは姉であり,母親代わり,父親代わりでもありました。サブリナにとっても弟は唯一の家族だったのです。そして500年の歴史を誇る伯爵家を継ぐのは弟であり,その歴史と伝統こそ家具修復家であり歴史学者でもあるサブリナの生きがいでもあったのです。こんなサブリナの経済的苦境にクルスは冷酷なくさびを打ち込んできます。6カ月間180日間自分の愛人を務める代わりに経済的援助をしようと・・・。何日間かの抵抗を示しては見たものの,エバースレイ館でぼや騒ぎがあり,その修理費にさらに負担が増えることになってしまい,結局はその提案を飲まざるを得なくなります。10年前恋人同士だった二人の間に抜群の相性が戻ってきます。しかし互いの心が触れあうことはなかなかに難しいことでした。サブリナが自分の思っていた女性ではないのではないかと考え始めたクルスは,たまたまパーティで老齢の婦人から指摘されたのをきっかけにポルトガルの別荘にいくことをサブリナに告げます。今回も一言の相談もなく行動を決められてしまったサブリナは一言皮肉を言いますが,自分は金で買われた愛人だと言うことに思い至り口をつぐんでしまいます。そして海岸に面した素晴らしい宮殿のような別荘で二人は数日間,ほとんど二人っきりで過ごし,少しずつ10年前の互いの勘違いを修正していくのでした。まもなく一週間が過ぎようとしたとき,サブリナの弟から父親がエバースレイに戻ってきたと連絡が入ります。いそぎイギリスに戻るサブリナ。もう,クルスはサブリナへの愛人契約から解放すると言い,サブリナは一人イギリスに戻るのでした。一方クルスは母親から父親の死の真相は,サブリナの父により無理やり坑道に押し込まれたのではなく,父親の方が伯爵の制止を振り切って欲尽くで坑道に向かったのだと知らされます。父親を偶像視していたクルスを落胆させたくなくてついた嘘だったというのです。これでサブリナが10年前から自分を愛してたことという言葉が本当だったことが分かるのでした。もう一つの気がかり,流産したときなぜ嘆き悲しむことがなかったのかという疑問は解けませんでした。クルスは,再度エバースレイに向かうことになります。
 オリンピックの影響からかブラジルが関係した作品の翻訳が少し目立っているような気がしますが,本作はなんといってもヒーロー,ヒロインの心の動きが丁寧に描かれ,感情移入しやすい作品だと言うことだと思います。生まれ育ちの良さや経済的豊かさよりも愛にあふれた関係の方がずっと豊かで幸福になれるというメッセージが込められた作品でもあります。


タグ:ロマンス
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博士の密やかな誘惑 [メラニー・ミルバーン]

SHALOCKMEMO1333
博士の密やかな誘惑 Ravensdale's Defiant Captive
( Ravensdale Scandal 1 ) 2015」
メラニー・ミルバーン 萩原ちさと





 原題は「レーヴェンズデールの反抗的な囚われ人」
 ヒロイン:ホリーアン(ホリー)・ペレス(25歳)/保護観察中の家政婦見習い/キャラメルブラウンの瞳,真紅の唇,鼻の頭のそばかす,高い頬骨,長くて濃いまつげ,茶色の豊かな髪/
 ヒーロー:ジュリアス・レーヴェンズデール(33歳)/ソフトウェア会社社長で天文物理学者/オリーブ色の肌,ダークブラウンの髪,意志の強そうな顎,整った鼻筋,官能的な唇,サファイアブルーの瞳/
 舞台はアルゼンチンです。しかし物語のほとんどが一軒の大邸宅の中で繰り広げられるため,ちょっと舞台劇を見ているような感じになっていますそういう意味では舞台はどこでも良かったように思います。最後の場面ではイギリスに舞台が移りますが,ほんのちょっとの短い部分で,しかもレストランというこれもまた室内ですので,ほとんど風景や野外の場面が登場しません。映画化,舞台化が可能な作品といってもいいでしょう。しかもやすあがりで・・・。さて,18歳のホリーアン(ホリー)は,刑務所か奉仕作業かという瀬戸際のところで,ヒーローのジュリアスの家政婦によってジュリアスの屋敷にやって来て家政婦見習いとして働くことになります。いやいやながらのこの仕事。どうせ幼少からセレブな生活をしてきたであろう老人だと思っていたホリーは,ジュリアスを見て驚きます。ハンサムな若い男性だったからです。彼が身元引受人?思い切り反抗的な態度を取るホリーの舌戦が実にめちゃくちゃで,まさにスケバン的な態度です。一々腹を立てては,ホリーを連れてきた家政婦の顔を潰してしまう。どうせ一ヶ月だけ我慢すれば良いし,途中で自分は一週間ほど出張で家を空けることになる,と高をくくっていたジュリアスですが,ホリーは反抗するか女性としての自分の魅力をひけらかして自分をベッドに誘おうとするかという両極端の態度をとり,その都度ジュリアスを翻弄していきます。ところがふとしたことで見せるホリーの何かに怯える恐怖の色合いや,手首から腕にかけて残された白い傷跡,そして反抗的な態度の裏に隠された料理上手,家事の手際よさなど彼女のもつ能力が決して偽物でないことに気付いていきます。そして出かけた出張先では,いつもホリーのことが頭から離れないジュリアスはついにホリーに恋し始めた自分を発見するのでした。一方ホリーもまた言ったことは必ず守り,厄介者の自分の言い分もしっかり聞き,信用してくれるジュリアスに心から惹かれ,同時に愛されたいと思うようになるのでした。ホリーの義父は犯罪界に首までどっぷりつかったヤバい人です。手首の傷も義父に反抗した結果腕を四個所も折られたときの傷跡でした。そのため男性を信用できなくなり,ましてや権威に対しての反抗心のみが自分を守る手段だったのです。そして何を言い訳しても決して信用されない自分。義父が敢えてそのように周囲の人たちを動かしていてもそれを止めることができない自分。いずれ幸せなときが過ぎればジュリアスにも飽きられ,また迷惑をかけてしまうことになる。そう考えたホリーは約束通り一カ月たったときジュリアス邸を去って行くのでした。さて,二人の愛はどのように近づいていくのでしょうか。
 まさにメラニー・ミルバーン版「マイ・フェア・レディ」です。MB版の表紙イメージのモデルの帽子にあのミュージカルのイライザの競馬場でのシーンが思い浮かびます。そして子供だと思っていたホリーのなんとも心の純真さに気付いて惹かれていくジュリアス。なるほどと思わせる結末が待っています。さらに,ジュリアスの双子の弟と妹,さらに本作で影が見える異母妹などシリーズが広がる可能性が示されています。


タグ:ロマンス
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プリンスの望まれぬ花嫁 [キャット・シールド]

SHALOCKMEMO1332
プリンスの望まれぬ花嫁 Royal Heirs Required
( Billionaires and Babies 56 ) 2015」
キャット・シールド 川合りりこ





 原題は「王家の必須の後継者」
 ヒロイン:オリヴィア・ダーシー(?歳)/イギリスの伯爵令嬢/優美で女らしく,染み一つない白い肌,すらりとした脚,しなやかな腕,エレガントな首筋,ブルーの瞳,ブロンドの長い髪,170センチ近い身長/
 ヒーロー:ガブリエル・アレッサンドロ(?歳)/シェルダーナ公国皇太子/3兄弟の長男,ブロンズ色の肌,広い肩,美しい胸板/
 イチオシにするかオススメにするか迷う作品でした。いずれにせよヒロインのオリヴィアがすばらしい女性です。育ち,美貌,知性,優しさ,など女性に求められる美点をすべて兼ね備え,将来の大公妃に最もふさわしい女性です。しかしそのオリヴィアにも唯一欠点がありました。子供が出来にくいという病を抱えていたのです。大公の長男(皇太子)のガブリエルにはかつて愛した女性がいました。しかし身分の低い彼女がガブリエルの妻になることはできませんでした。その運命を乗り越えられずに事故で亡くなってしまいます。そしてガブリエルのもとに双子の女の子が連れてこられます。すでに婚約を発表し,結婚式を目前にして王宮で結婚準備をしていたオリヴィアは,夜間子供の声がしているのを不思議に思い,二階に上がってみてみると見たことのない双子の子供たちに出会い,その顔を一目見てガブリエルの子供であることを見抜きます。かつて付き合って,愛し合っていた女性の存在を知っていたオリヴィアは,その双子の愛らしさにすぐ心を寄せ,翌朝ガブリエルに王宮で育てるよう提言するのでした。シェルダーナ国にとって,ガブリエルとオリヴィアの結婚は,オリヴィアの父による工場への出資が産業育成にとって最大の貢献になります。自分に隠し子がいることが判明することによって,この婚約が破棄されることは国の繁栄を第一に考えてきたガブリエルにとって,その務めを果たせなくなってしまうことを意味します。おそるおそるオリヴィアの様子を見守るガブリエルに対して,オリヴィアは父を説得するので,ガブリエルの子供を一緒に育てていこうと提案するのです。この政略的結婚に対して,すでにガブリエルを愛していたオリヴィアにとって,ガブリエルそっくりの2歳の双子の女の子はなにより愛する人の子供であり,母親が亡くなってしまっていることで,自分が母親がわりとして育てていきたいと真剣に願うことなのでした。いずれ二人の子供が産まれたとしても双子に対する愛情に変わりはないはずだとオリヴィアは考えるのでした。このオリヴィアの寛容な,愛を大切にする気持ちがガブリエルを動かします。オリヴィアの父から婚約破棄を言われるのを恐れた大公でしたが,オリヴィアを信じるガブリエルはこのオリヴィアの申し出を尊重しようと思うのでした。そんなオリヴィアの純粋で,愛情深い性格にこれまで結婚を便宜的なものと考えてきたガブリエルに本当の夫婦の愛を気付かせたのもオリヴィアでした。実に賢く,しかもガブリエルの立場と男性的魅力を理解しているオリヴィアは本当にNiceHeroineです。
 ところが体調が悪化し,オリヴィアは倒れてしまいます。大量に出血して浴室に倒れているオリヴィアを発見したとき,子供が出来にくいことを隠していたと腹を立てていたガブリエルは,婚約破棄を言い渡したことなどすっかり忘れ,なんとか彼女の命を救って欲しいと病院に担ぎ込むのでした。このときすでに二人の愛は本物の愛に成長していたのです。しかし子宮摘出手術を受けたオリヴィアはついに王宮を去る決意をし,医師の検診を受けたらイギリスに帰るつもりでいたのです。王室専用機で帰国の途についたオリヴィア。しかしジェットはオリヴィアが知らないうちにギリシアに向かっています。さらに車と船でギリシアの小島に向かったオリヴィア。そしてそこでガブリエルが待ち構えていました。最後の検診で体外授精であれば自分たちの血を引く子供が出来るという朗報を医師から告げられていたオリヴィアですがそれをガブリエルに告げようとしていたのに,連絡が取れないでいたのです。ガブリエルはオリヴィアへの本当の愛に気付き,一計を案じてそれを実行に移しつつあったのでした。このギリシアの小島での少人数での二人の結婚式。マスコミに一切気付かれずに静かに互いの愛を確かめ合った小さな結婚式は二人にとって夢のような時をもたらすのです。オリヴィアの朗報というおまけがついて・・・。
 感動の結末を迎える秀作です。作者の前作「ナニーの秘密の宝物(SHALOCKMEMO1271)」から,2カ月で,またまた素晴らしい作品に出会うことができました。


タグ:ディザイア
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偽りの義妹 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1331
偽りの義妹 To Start Again 1981」
フィリス・ホールドーソン 後藤美香





 原題は「」
 ヒロイン:マーサ・アン・グリーンフィールド(20歳)/両親を亡くし大伯母に育てられている娘/小柄,ブロンドの髪/
 ヒーロー:マシュー(マット)・ホーソン(歳)/鉱山会社の社長//
 アイオワ州の大伯母の家と無理やり婚約させられた相手から逃げるために,カリフォルニアに向かったアンは,車が故障し,通りかかった若い夫婦の車に同乗してデンバーに向かう途中,対向車と正面衝突し,若夫婦は二人とも死亡。車中で奥さんの鞄と結婚指輪を預かってしまったことから奥さんと間違われてしまったアン。せっかく逃げだした大伯母の元へ連れ戻されるのが嫌でとっさについた嘘。病院で奥さんの名前アンジェラと呼ばれたとき,アンと名告ったのに,アンジェラの短縮形だと看護師勘違いされてしまったアンは,アンジェラを迎えに来た夫の兄マットに対して,誤解のままにしてしまいます。初めは後で本当のことを告げようとしていたアンですが,マットはまだアンジェラに会ったことがなかったため,アンをすっかり義妹だと勘違いしてしまいます。マットの知るアンジェラはとんでもない女性でした。派手好きで弟のローリーを騙してお金目当てで妊娠した女性。それがアンジェラの実体だったのです。アンをすっかりアンジェラだと思い込んだマットは,アンにかなりひどい言い方で非難を繰り返します。ところが,ホーソン家についたアンはマットの父親ジェームズ(ジム)の世話をすることで,父親に対する以上の愛情を抱くようになります。マットの母コンスタンスは社交的な行事に全力を注ぎ夫の世話をちっともしない冷たい女性でアンを息子の自己の責任はアンジェラにあるとまるで敵のように扱います。ジムに頼られ,アン自身もジムを慕い,ジムの側用人ウルフガング(ウルフ)と協力してジムの世話をすることに歓びを感じていくのでした。マットは折に触れてアンを非難するのですが,そこにマットの会社の同僚ポリーが現れます。まるでマットの妻のように振る舞い,マットの母もポリーを嫁のように優遇するのでした。次第に家族の一員のような錯覚してしまうアンは,どんなに冷たくされてもマットに対して恋するようになります。マットの仕事の関係で長期間オーストラリアへの出張することになった前日,マットは食事と観劇にアンを誘います。しかし食事中ポリーが現れ,マットがアンへの義務を果たすために連れてきたのねという言葉を放つのでした。これがアンの心の琴線に触れ,すっかり腹を立てて一人タクシーで帰ってしまいます。そしてそのままマットはオーストラリアに旅立ってしまうのでした。
 その後ジムが風邪にかかって高熱が出ます。しかしウルフは留守,しかもコンスタンスも留守,事務を病院に連れて行こうとしてもジムは頑なに病院を拒みます。どうしようもなくなって出張中のマットに連絡を取り,その指示で往診の連絡を取ることに。幸い治療のかいあってジムの病状は回復するのですが,戻ってきたマットとの間には気まずい思いが飛び交います。マットはなんとかしてあの晩のことをアンに説明しようとしますがアンはいっこうに聞き入れません。そんな時,ポリーが突然ホーソン邸を訪れ,爆弾発言をするのでした。つまりアンの正体を・・・。さあ,アンはそのことにどう対応するのでしょうか。そして正体を知ったマットは・・・。(続く)

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タグ:イマージュ
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年上の人 [フィリス・ホールドーソン]

SHALOCKMEMO1330
年上の人 The Professor and the Nanny 2000」
フィリス・ホールドーソン 庭植奈穂子





 原題は「教授とナニー」
 ヒロイン:ブリタニー・ボールドウィン(21歳)/看護師アシスタント/165センチ,体重58キロ/
 ヒーロー:イーサン・ソープ(35歳)/ケンタッキー大学文学部教授/中背,茶色の髪,茶色の目,銀縁の眼鏡/
 作者の最新和訳「偽りの義妹」の関連で本作を読み始めました。平行して読んでいるうちに本作の方が面白くなり,先に読了してしまいました。原作は「偽りの・・・」よりも後に書かれた作品です。
 72歳で糖尿病と記憶障害(痴呆)を患っているヒーローの父親ネイト・ソープの在宅看護をすることになったブリタニーは看護大学1年の時に両親を事故で亡くし,経済的に働く必要が出てきたため学費を稼ぐためにこの仕事を始めたばかりで,これが最初の訪問先でした。もし雇ってもらえなければ,また次の仕事が見つかるまで時間がかかるかもしれません。そこで面接で年齢が若すぎると懸念を示されたのに対して,自信をもって大丈夫だと相手を説得します。一目でネイトはブリタニーを気に入り,二人の間には親子以上に親しい友情が芽生えます。さて,その息子イーサンときたら,こちこちの大学教授。2年前に離婚し,1歳半の息子は離婚した母親と暮らしているはずでした。ところがキャリア志向のイーサンの元妻ハンナが突然やって来て息子のダニーの親権をイーサンに譲るからと言い置いてさっさと子供を置いて出て行ってしまうのでした。昔から子供に対する愛情よりも自身のキャリアを大切にする元妻。イーサンとの間に言い争い以外の入る余地のない関係になっていたのでした。病気の父と1歳半の息子の両方の面倒をイーサンが見れるだろうか。本人は大丈夫だと言うけれど・・・ブリタニーは行きがかり上,できる範囲でダニーのナニーも兼任することになります。それにはイーサンも感謝の気持ちをもつのですが,若くて生き生きし,しかも思いやりにあふれ,患者のことでは一切譲らない芯の強さをみて,自分がブリタニーに惹かれていくのを戸惑いながら,ブリタニーの美しさに気付き,さらに困惑します。14歳の年の差。これが最も大きなイーサンの戸惑いの原因でした。一方ブリタニーはイーサンの負担の大きさに同情すると同時に,家族同然に自分を扱ってくれるネイトに父親と同じような気持ちをもちます。そしてイーサンには雇い主以上の熱い気持ちを止めることができなくなるのでした。なんとかプロ意識に徹しようと決心するものの,イーサンが困っている様子を見ていられず,ダニーに対しても深い愛情を持ち始めます。このように複雑な状況に陥ってしまった二人。イーサンはこれ以上二人の関係が変化していってはいけないと一度はブリタニーに解雇通告を出します。行き先が決まったらでていくようにと・・・。ところがネイトが行方不明になる事件が起き,この話はしばらく棚上げになってしまいます。もはやイーサンを愛してしまったブリタニーは正直にこの気持ちを告白するのですが,イーサンは頑なに君の願いを叶えることはできないと年の差を理由に一歩を踏み出そうとしません。二人の愛の行方は・・・
 全くお騒がせなイーサンの元妻の行動が退屈になりがちの本作に躍動的なストーリーを描き出します。さらにイーサンの父親ネイトのお茶目な行動がとても愛らしく,ブリタニーとの心の交流が本作に優しさと思いやりの雰囲気をもたらし,癒やしの作品に仕上がっています。ブリタニー頑張れと応援したくなるオススメの一作です。


タグ:イマージュ
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翡翠色の情熱 [ヘレン・ビアンチン]

SHALOCKMEMO1329
翡翠色の情熱 The Spaniard's Baby Bargain
( Expecting 25 ) 2004」
ヘレン・ビアンチン 萩原ちさと




K-418
16.08/¥670/156p

R-2037
05.05/¥672/156p


 原題は「スペイン人の赤ちゃん協定」
 ヒロイン:アリアン・シレスト(20代後半)/テレビレポーター/ほっそりした体,アッシュブロンドの髪,緑色の斑点が飛ぶはしばみ色の目,頑固そうな顎,ふっくらした唇/
 ヒーロー:マノロ・デル・グアルド(35-36歳)/実業家/黒い瞳,長身,たくましい体,黒い髪,引き締まった腰,広い背中,官能的な口/
 テレビレポーターとしてのキャリアを投げ打ち,生後六ヶ月の富豪の一人娘クリスティーナのナニーに,そしてプロポーズから5日後に結婚。離婚後も続く元夫の執拗な性的嫌がらせに悩んでいたアリアンは,子供を持てない体だということを知らされ,それも離婚の原因になっていたのですが,インタビューの相手マノロには初めから抗いがたい魅力を感じ,同じ男性でも元夫とはこんなにも違う男性がいるのだと言うことに驚愕を覚えます。そしてマノロの娘クリスティーナは会った瞬間からアリアンの心をとらえ,慕われてしまいます。おりよくクリスティーナのナニーが辞めたいと申し出たこともあり,マノロはクリスティーナに臨時のナニーの依頼します。ちょうど休暇を取ろうと思っていたアリアンは渋渋ながらもマノロの魅力に抗う自信がないままマノロ邸に滞在することになるのでした。そして便宜的な結婚を申し込まれ,数日考えて「イエス」の答えをします。「今まで誰もアリアンをこんなふうに魅了したものはいなかった。いつしかうっとりしている自分にアリアンは驚いた。いいえ,うっとりという言葉ではたりない。流れ星になり,虹の橋を渡り,銀河系のすべてを旅する,そんな感じだ」とその様子を表しています。ところがそこにマノロを執拗に狙う美女バレンティーナ・バケスという恋敵が登場し,アリアンは嫉妬に駆られるのですが,マノロはそれに気付きながらも少し遠くから二人の女の闘いを眺めています。しかしマノロの励ましもあり,アリアンは女の闘いを開始するのでした。そしてついにマノロは便宜的ではなくアリアンへの愛を告白するのです。
 元夫のストーカー行為が次第にエスカレートしていく様子を横糸に最後の盛り上がりを作り上げます。作者の国ニュージーランド,シドニーの様子も折に触れて登場し,その魅力を伝えてくれます。


タグ:ロマンス
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黒猫 [キャロル・モーティマー]

SHALOCKMEMO1328
黒猫 Satan's Master 1981」
キャロル・モーティマー 加藤しをり




PB-176
16.08/¥700/156p

R-0287
83.12/¥500/156p


 原題は「サタンの主人」
 ヒロイン:サビーナ・スミス(19歳)/新聞社の共同経営者の娘/長い金髪,グリーンの瞳,すらりとした脚線美/
 ヒーロー:ジョエル・ブレント(34歳)/歌手/180センチを越える身長,真っ黒な髪,灰色の瞳,たくましい筋肉と引き締まったウエスト/
 タイトルだけを見るとちょっとおどろおどろしい感じのホラーないしはロマサスかと思ってしまいますが,純粋なロマンスものです。新聞社の共同経営者の娘サビーナは26歳年上の父の会社の共同経営者と婚約中ですが,相手は3度目の結婚,そしてサビーナ自身は勿論初婚。これまで父の言うとおりに唯々諾々と過ごしてきたサビーナですが,愛のない結婚にどうしても踏み切れないで,婚約自体をちょっと考えてくると,一人スコットランド,ネス湖周辺に出かけていきます。自転車で観光地巡りをするつもりで天候の変化を甘く見て出かけていくと,突然霧が濃くなり道も見えなくなってしまいます。おまけに自転車のタイヤもパンクしてしまい,しかたなく自転車をひきながら歩いて行くと,一軒の家を発見しドアをノックするのですが・・・。返事がなく窓から中をのぞいてみるとそこに光る緑色の二つの目が。黒猫?ちょっとこの当たりまでの雰囲気が幻想的でどきっとさせられる場面。そして後ろから低い声で「なにをしている」と声を掛けられ,さらにびっくり。こんなふうに始まる物語ですが,これが世捨て人のように暮らすジョエルとサビーナの出会いでした。ジョエルは1年前に妻を自動車事故で亡くしましたが,その責任マスコミにたたかれ,世間から身を隠していたのでした。そしてその中傷記事を書いたのが父の新聞社であることを知ります。名前を聞いても自分が誰かは知られないだろうとサビーナは思いますが,相手があのジョエル・ブレントだと気付くまでに時間がかかりました。そして事の真偽を明かしてくれないジョエル。しかもジョエルは自分をさらに中傷するために探し訪れた新聞記者だと思い込んでいます。自分の父が新聞社主だと正体を知ればさらに自分を誤解するだろうと,敢えてそのことは黙ったままにせざるを得ませんでした。それから奇妙なジョエルとサビーナと黒猫サタンの共同生活が始まります。そして一週間ほどの生活の後,次第にジョエルに惹かれ,ジョエルもまた自分を欲しいと言ってくれるようになりますが,自分は婚約中の身。もう婚約者ニコラス・フリードとの結婚はしたくないとはっきり分かったサビーナですが,家に帰してくれない,そして愛しているの一言も言ってくれないジョエルとそのまま生活するわけにはいかなくなります。きっと亡くなった奥さんを忘れられないんだわと思いつつも,ジョエルへの想いも断ち切れないサビーナは,自らの愛をジョエルに告白するのですが。ジョエルの仕事の完成祝いと村のパブで食事をしていると二人の男性が自分たちの方を見ています。そして翌日,ジョエルが村の郵便局に出かけている間にこの二人の男性に拉致されてしまうのでした。その二人は父の姪を受けて,サビーナを連れ戻しに来たのでした。サビーナの父チャールズ・スミスは共同経営者の会社のお金を使い込んでしまい,なんとしても娘を共同経営者に嫁がせなければならない事情があったのです。それで時間稼ぎをしてその間に使い込んでいた金を元に戻そうとしていたのでした。もしこのことがニコラスに知られてしまえば自分は破滅だと嘆く父を見捨てられずに,サビーナはニコラスとの結婚を予定通り勧めざるを得ません。そんな時,サビーナはジョエルのコンサートがロンドンで開かれることを知ります。そしてニコラスは婚約者へのびっくりプレゼントとしてこのコンサートのチケットとその後のパーティへの参加を計画していたのでした。事情を知らずにコンサートに来たサビーナは,ジョエルの目の前の席でその歌声にうっとりと聞き入ってしまいます。そして休憩時間に呼び出されて楽屋へ行ったサビーナ。肝心なことは言えずにスコットランドのコテージから盗まれたジョエルのものを返して欲しいと要求されます。これを口実にまたジョエルと会えるかもしれないと密かに期待するサビーナ。コンサートでジョエルが歌う歌が,亡妻ニコールを思う歌だと思い,サビーナは寂しい思いをしますが,黒猫サタンが元気がないと知らされ,週明けに再び会う約束をしてしまいます。その後サタンにふさわしい一軒家を捜すという名目でジョエルに会い続けるサビーナ。ところがコンサートの後のパーティで出会ったニコラスの2番目の妻(最初の妻はすでに亡くなっている)ナンシーとはすっかり腹を割った話ができるようになってしまいます。そしてジョエルとサビーナが車を返しにニコラスのフラットにいってみるとそこにはナンシーがいたのでした。そこから話しは急展開します。
 結末はなんと言っても傑作です。サビーナとジョエルの寝室のベッドの下に隠れていたサタンがなんと・・・。原題の意味もここではっきりします。とてもほっこりした結末に,まさにロマンス作品の王道を行くストーリーテラー,モーティマーの面目躍如とした1981年(邦訳は1983年)の傑作。楽しめます。


タグ:ロマンス
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ガラスの靴はいらない [レイ・マイケルズ]

SHALOCKMEMO1327
ガラスの靴はいらない The Corporate Marriage Campaign
( Nine to Five 35 ) 2005」
レイ・マイケルズ 有森ジュン





 原題は「企業結婚キャンペーン」
 ヒロイン:ダーシー・マローン(27歳)/グラフィックデザイナー,弁護士デイヴ・マローンの妹,シカゴ西部郊外の生まれ,8年前に両親を車の事故で失い兄と二人暮らし/褐色がかったグリーンの瞳/
 ヒーロー:アンドルー(トレイ)・パトリック・ケント三世(32歳)/「ケントウェルズ・デパート」経営者,キャロライン・ケントの兄/ルネッサンスの名匠が彫ったような横顔,長身,広い肩,ダークブラウンの髪,丁寧に仕立てたピンストライプのスーツ,尊大な表情,貴公子然としたスタイル/
 ダーシー:「ガラスの靴は履き心地が悪そうだから」,トレイ:「いいぞ,その調子だ。デイヴが言ったとおりだ。彼女を起用したのは正解だった。機知に富み,溌剌としていて,一瞬たりとも契約を忘れそうにない」。ダーシーとトレイのこのテンポ感の良い機知に富んだ言葉の応酬が実にアメリカ的で心地よい作品です。独立心が強く,ふとしたところで自分の才能を発揮していくダーシー。マローンと言えば弁護士の代名詞に使われる姓ですので作者はそれも意識にあったのでしょうか(弁護士マローンはクレイグ・ライスの著名な作品群の主人公)。経営の傾いた一族経営のデパートの建て直しを請け負うことになった弁護士のトレイは,売却前に一大キャンペーンを展開することにします。店の売り上げを少しでも上げておく必要があったからです。初めは妹とその婚約者の結婚までの様子を撮影する予定でしたが,妹は婚約者に暴力を振るわれ,撮影を続けることができなくなりました。そこでピンチヒッターに建てられてのが,旧友の弁護士デイヴ・マローンの妹ダーシーというわけです。西海岸から帰ってきて就職の求人応募票を大量に出そうとしていたダーシーに就職までの3カ月間のアルバイトとして偽の婚約者としてトレイと二人で主役を務めて欲しいというのがその依頼でした。初めは二の足を踏んでいたダーシーですが,傷ついたキャロライン・ケントの様子を見て,トレイの申し出を断れなくなってしまいます。しかし契約婚約であることを他の人に気付かれないようにするためには最低限の幸せそうな表情と身体的接触は欠かせなくなってきます。西部で男性の甘言に乗せられたあげく痛い目に遭って古里に戻ってきたばかりだけに,男女関係には敏感になっていたダーシーですが,トレイとの婚約者ごっこの仕事がだんだん板についてきてしまい,仕事とプライベートの区別がつきにくくなってきてしまいます。結局はトレイの誘いに乗りベッドを共にしてしまうのでした。しかし,ショッピングモールの反対側にある大手デパート「タイラー・ロイヤル・デパート」の経営者ロイ・クレイトンとトレイの会話から,このキャンペーンがデパートの売却を前提としたものであったことを知ったとき,またもや男性に利用されたことに気付き,頭に血が上ってしまうダーシーでした。
 ケント家の大伯母ミリセント・アーチボルドやトレイの従弟ジェイソン,デイヴの恋人ジンジャーなど個性豊かな登場人物が賑やかに物語を盛り上げますが,冒頭に書いたようになんといってもダーシーとトレイの洒落た軽口の応酬が心地よい秀作です。エピローグも深刻にならず心地よくハッピーエンドになるところが作者の腕の見せ所ですね。


タグ:イマージュ
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誘惑のらせん階段 [キャシー・ウィリアムズ]

SHALOCKMEMO1326
誘惑のらせん階段 Rafael's Suitable Bride 2008」
キャシー・ウィリアムズ 青海まこ





 原題は「ラファエルの“適切な”花嫁」
 ヒロイン:クリスティーナ(24歳)/花屋/158センチ,ずんぐりした体形,豊かな胸と腰のくびれ,小麦色の肌/
 ヒーロー:ラファエル・ロッキ(36歳)/企業グループ経営者/180センチ超,彫りの深い顔立ち,黒髪,茶色の瞳/
 ヒロインはイタリアの宝石のチェーン店を経営する裕福な家の娘というだけで,苗字が示されていません。一方ヒーローのラファエルはロッキ帝国と呼ばれる企業グループを一人で取り仕切るスーパー仕事人間で,女性との付き合いも長くもったことがありません。若かりし頃結婚した相手は9歳も年上のデパートガールで,ラファエルのお金目当てで近づき,浮気を繰り返したあげくアメリカで事故死したのでした。その経験から結婚を言い出す女性には警戒心が強かったのです。三姉妹の末っ子で姉二人はモデル体形の完全無欠な美女で,すでに他家に嫁いでおり,自分だけが父親に似た体型で幼少の頃から自然とのふれあいを好み,活発でスポーツを得意としていたため,姉妹仲はいいのですがクリスティーナ自身は寄宿学校からイギリスで育っているのでした。そのナチュラルで気取らない性格,自分を決して美人だと思わずに誰に対しても率直で思ったことを口に出してしまうくせ,そして夫と子供と自然に囲まれて幸せな家庭生活を夢見る乙女でもありました。二人の出会いは冬の雪道で始まります。ロッキの母の主宰するパーティーにロンドンからそれぞれ来るまでやって来た二人ですが,雪道に嵌まってしまったクリスティーナの車に危うくぶつかりそうになったロッキのフェラーリ。結局泥だらけで雪の中に落ちたコンタクトを探していたクリスティーナを乗せて行くことになり,二人の両親が知り合い同士だということが分かります。結局クリスティーナの車はバッテリーが上がってしまって修理が必要であり,ラファエルはクリスティーナをロンドンまで送ることになるのですが・・・。ここから二人の付き合いが始まります。女子サッカーチームのコーチを務めることになったクリスティーナを助けたり,外食に出かけたりと少しずつ互いの心の中に入っていく二人ですが,これまで付き合っていたモデル体形のすらりとした女性たちとは異なり,ややポッチャリ気味でも砂時計のようにカーブを描くクリスティーナの体形,そして子犬を思わせる茶色の瞳は,自分が守ってやりたいと男性に思わせる魅力を持っていたのです。妄想の中でしか存在しなかった素敵な男性が自分に興味を持ってくれていると知ったクリスティーナに,自身の経営する花屋の従業員アンシアには注意を促されていたものの,プロポーズされ,すぐにイエスと答えてしまいます。瞬く間に三ヶ月が過ぎ,二人は互いに離れがたい存在になっていた後のことでした。しかしラファエルの母マリアが何気なく言った一言がクリスティーナの耳に残ります。「息子がとうとう私の言うことを聞いてくれてどんなに嬉しいか。身を固めなさいと言ったの。“適切な妻”を見つけなさい。でないと哀れで孤独な老人になると脅したの。」,つまり自分は“適切な妻”に過ぎないのだ。ラファエルが自分を愛しているわけではないのだ。「ラファエルは私を愛していると一度も行ったことがなかった。なのに愚かにも私は,それが彼の愛を疑う理由になると考えなかった。愛されているに違いないと信じていた。さもなければ,結婚を申し込むはずはないと・・・」。クリスティーナは婚約の解消を宣言します。ラファエルにはクリスティーナがなにを怒っているのか想像もつきませんでした。“適切な妻”という一言が何故そんなに問題になるのかということも・・・。その後一週間も互いに連絡を取らなかった二人。しかし互いに何度も連絡を取ろうとしていたのですが,最後の一歩が踏み出せないでいるのです。そんなやきもきした状況が続き,ついに最近知り合った女性シンディを利用してパーティを開き,クリスティーナに見せつけて嫉妬させようと画策しますが,現れたクリスティーナのけばけばしい服装を見,男性陣がクリスティーナに興味津々な様子を見て,逆に自分が嫉妬に駆られてしまい,パーティはさんざんな結果になってしまいます。そして自分から去ろうとしているクリスティーナをこれ以上放ってはおけなくなってしまうのでした。
 かつての結婚の失敗から女性の愛を信じられなくなってしまったラファエルが,クリスティーナの真心に触れて,自分を解放していくまでの顛末を描いた成長譚です。飾り気がなく,純真で育ちの良いクリスティーナの人物造型が光るオススメ作品です。


タグ:ロマンス
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