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ボスを落札 [レイチェル・ベイリー]

SHALOCKMEMO1365
ボスを落札 Bidding on Her Boss
( Hawke Brothers 1 ) 2015」
レイチェル・ベイリー 佐倉小春





 原題は「ボスに入札」
 ヒロイン:フェイス・クロフォード(?歳)/フラワーデザイナー/つややかな赤褐色の髪,ホルターネックのトップス,ダークブラウンの目,鼻にある薄いそばかす,形の良い唇/
 ヒーロー:ディラン・ホーク(?歳)/フラワーチェーンCEO/力強い顔,マホガニー色の黒髪,身長180センチ以上,グリーンの瞳/
 ホーク3兄弟のシリーズの第2弾です。長男アダム,次男リアム,末弟ディランのうち,次男リアムは前作「ナニーが愛した大富豪(SHALOCKMEMO857)」(Billionaires and Babiesのシリーズに分類しています)でリアムとラースランド王女イエンシン(イエナ)は結ばれました。末弟ディランとイエナのスタッフのダニエルが前作では関係が発展しそうに見えたのですが,意外や意外,本作のヒーローはディランであることはそのままですが,ヒロインは,ディランの会社の従業員ということになります。ラースランドが舞台のシリーズはいずれ別に描かれるのかも知れません。さて,本作のヒロインフェイス・クロフォードのこれまでの人生は,常に家族に見捨てられることを繰り返す人生でした。そのため愛を信じられなくなり,というより愛は長続きしないことを身をもって体験したため,ディランとの愛もいずれ冷めれば自分は再び孤独になってしまうというトラウマから,ディランを捨ててキャリアアップのためにニューヨークに渡ってしまうというストーリー展開です。ディランの長兄アダムは初め弟とフェイスの関係を心配しそれぞれに幾度となく忠告するのですが,二人の関係は次第に深まっていくことになります。また次兄リアムとイエナは初めから二人の関係の深まりを歓迎し,特にイエナはフェイスの友人にもなっていくのです。引き離しと後押し,兄弟からのこの相反する反応にディランははたしてどう対応していくのだろうか,それも本作を読み進める上で楽しみな点です。フェイスのこれまでの人生を端的に表した個所を見てみましょう。終盤でフェイスがニューヨークに逃れようとする場面です。「私のこれまでの経験で,愛は変わりやすいものだということを学んだの。私は生まれてからずっと,周りの人の興味が新しいものへ移っていくのを見てきたのよ。叔母は一年間は私を愛していたけれど,自分の子供が出来たら私を追い払ったわ。母は私を愛していたけれど,何か目新しくて楽しそうなことがあると,すぐに私を置いていってしまった。祖父と祖母も私を愛していたけれど,誰か他の人が私を預かってくれることになると,いつもホッとしていたわ。父は私を愛していたけれど,私と一緒に暮らせるような仕事を探してはくれなかった。ディラン,あなたも今は私を愛しているのかも知れないけれど・・・」という具合です。そのため愛よりも仕事に継続的意味を見出すためキャリアアップを願うフェイス。互いに惹かれ合いながら,初めは「社内恋愛禁止」のルールにより互いに自制し合い,そしてルールを破ってでも関係を深めざるを得なくなるほど惹かれ合い,そして関係を長続きできないものとして別れていく二人の切なさが本作の中心のストーリー展開と言えるでしょう。そして兄弟たちのアドヴァイスによりディランが決意したのは・・・。
 前作のイエナに続き,フェイス・クロフォードというヒロインが魅力的で存在感を示しています。レイチェル・ベイリーの作品には「億万長者の願い事」のデラなどとても魅力的なワーキングウーマンが登場し,ロマンティックさだけでなく骨太の女性たちの生き方が示されていて読みやすく心に残る作品が多いですね。


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